Track 2

■02・インストラクション

[前トラックの直後] 【正面・近距離】 それでマスター。 マスターはニーシャのことを、どんな用途に使うためにお買い上げになったんですか? 人型汎用コンピュータは様々なことが可能ですからね。 単純に、パーソナルコンピュータとして使用されることも、愛玩用ロボットとして使用されることも。 オプションを実装することで性的なご奉仕も可能です。 現在はそういったアタッチメントは実装されていませんが、お望みでしたら注文も可能ですよ。 改造と人口皮膚の定着のため、およそ12営業日ほどマスターの元を離れることにはなりますが、代替機として古い型の子が送られてくるはずです。 その際はニーシャに搭載された専用回線で本社の方に直接注文できます。いつでもお申し付け下さい。 (主「別にそういう用途で使うつもりじゃないよ」) (期待してたので少しがっかりした様子のシーシャ) はぁ、なるほど。でしたらニーシャは、マスターのお仕事用PCなんですね。 (主「CGの仕事をしててね」) ふむふむ、コンピューターグラフィックスのお仕事を。 ニーシャたちに搭載されてるCPUやメモリは高性能ですし、専用の入力機構や網膜投影式立体視モニタはそういうお仕事にはもってこいですもんね。 その業界の方に購入されることも多いって聞きますよ。 それでは早速お仕事、されますか? ニーシャ、ワクワクします。これからマスターにどんなこと、されてしまうんだろうかって。 えっと、では軽く使用方法の解説をさせてもらいますね。 基本的には普通のパーソナルコンピュータと同じです。 オペレーションシステムも一般的なものを搭載しているので、馴染み深い操作が可能だと思います。 そして映像ですが、マスターは網膜投影式モニタをご利用ですよね? でしたら……んふぅ…… (主人公の膝の上に乗っかってくるニーシャ) 【正面・至近距離】 ニーシャをマスターの膝の上に、こうやって向かい合わせに座らせてください。 【キス】 そして……顔を近づけて……ニーシャの目を、瞳の奥を見つめてください…… (目と目を近づけ、主人公の網に直接映像を投影する) では、起動しますね。 んっ…… どうですか、マスター。見えてますか。 はい、窓の模様のOSです。注文時にお伺いしてましたので、これがインストールされてるんだと思います。 もしOSを変更される場合は一度工場に戻ることになりますので、その際もニーシャにお伝えくださいね。 ……実はこの状態、ニーシャの視界は完全に奪われてしまっているので、あまり意地悪しないでくださいね、マスター。(ちょっとドキドキしてるニーシャ) (主「それで、操作は?」) あ、はい。操作系ですね。 デバイスをご利用でしたら腰のところにUSB端子やPS/2端子がついているのですが…… 実はニーシャの手、マウスがわりにすることも可能だったりします。 こうやって、手を握ってもらうんですが……マスターはどちら利きですか? ニーシャの手はどちらにも対応してます。人型汎用コンピュータはユニバーサルデザインですので。 (利き腕を差し出す主人公) ではそちらの手で……えへ。マスターの手、大きいですね。 人差し指と中指はクリックで、親指を動かしてもらうことでトラックボールマウスのような使い方ができます。 他の指や逆の手も、設定することでショートカットキーなどを割り振ることができます。 細かい設定はユーザー設定でも変えられますし、言ってもらえればこちらで微調整もできます。 ニーシャはその為の人格式インターフェイスですので。 あ、はい、もう少し感度高めに……ですね。 (言われた通り」「自身の感度」を高めるニーシャ(わざと)) んっ……っふ……どうでしょうか、マスター……ん…… (主「なんか息荒いけど」) はい、感度を高めてみました。マスターの指の感触、とっても気持ちよくて……ふぅ……ん…… (主「そっちの感度じゃないんだけど」) あ、そういう意味じゃないんですね。では戻します。 (普通の感度に戻る) てっきりそっちの機能の調整かと…… はい。ではトラッキングの感度を少し上げてみますね。 どうでしょう。イメージ通りになりましたか? (主「うん、いい感じ」) それは良かったです。また調整したいときは言ってくださいね。 あと、残念ながらニーシャにはキーボード機能はありません。マスターの、今まで使ってたものを使用して頂ければと思います。 腰のコネクタを使用していただいてもいいですし、ブルートゥース5.0にも対応してます。 音声入力も可能です。メールやSNSでのやり取りなんかには便利かもしれませんので、一度お試しください。 また映像はHDMIやディスプレイポートによる外部出力にも対応していますので、網膜投影式モニタでは行いにくい作業や、平常時などはそちらもご利用ください。 (少し寂しそうなニーシャ) ……あと、こうやって作業してる際は時々ニーシャに話しかけてくれますか? ニーシャ、こう見えて寂しがりやです。 人格式インターフェイスは個別に性格の調整がされているので、たまたまニーシャはそういう子なんです。 じゃないと……ん、んむ、ちゅ……(主人公の唇にキス) マスターにキス、してしまいます。 んふ……マスターの唇、美味しいですね。 人型汎用コンピュータはものを食べることはできませんが、味覚はちゃんと備わってるんですよ。 あと、分泌(ぶんぴつ)を模した機能も搭載されているので、唾液のようなものだって出ますよ。 (水分多めに舌を入れてくるニーシャ) んむ、ちゅむ……ほら、マスター……んむ、ちゅ……れる…… (急にえっちなキスをされて驚いて体をのけぞらせる主人公) 【左側・至近距離】 んむ……もういいんですか? 仕方ないです。それではモニタ、解除しますね。 (視覚を取り戻すニーシャ) 【正面・至近距離】 ふふ……マスター、顔赤くなってます。 ニーシャとキスするの、ドキドキしましたか? それとも、お嫌でしたか? (主「嫌じゃないけど、ちょっとびっくりして」) (嫌がられたわけじゃないので嬉しいニーシャ) ……はぁ、良かったです。 ニーシャはこういう子なので、それを理由に返品されてしまったらどうしようかって思ってました。 ふふ……それではマスター、もっとニーシャとキス、しましょう。 ほら、マスター専用のニーシャの唇、たっぷり味わってください。 (唇を尖らせて主人公によってくるニーシャ) んー……ん?あれ、乗り気じゃないですか? (主「解説はもういいの?」) ああ、解説の途中でしたっけ。 では、それが終わったら続き、して頂けますか? (主「まあ、そんなに言うなら少しくらいは」) はい、約束です。 ちなみにニーシャはマスターの仰った言葉、サービス向上のために常に録音してますので、撤回はできませんよ。