Track 2

2.いつもの奴だ。

よー、暇人。さっきは......危なかったな。あんだけ言ったろうが、馬鹿野郎。ほら、これで分かったろ。図書室でああいうのはさ、ダメだって。知らねえよ?本当。いつか見つかって大変な事になっても。......い、いや、そりゃ、この前はああ言ったけど、あれはその時の流れだろ。雰囲気的に言った方がいいかなって思っただけ。本気で思ってないし。口だけならいくらでも言えるし。でもガチで見つかったら――お、おい?落ち込むなよ。冗談、冗談だって。それも冗談。私なら、うん、もし何もかもバレたって、別に、別れたりしねえから、本当。でもさ、図書室はやめよう。その、月イチとかに......さ。ね?あぁもう、何だよその捨てられた仔犬みたいな声ッ。もぉ~......。あ、そうだ。ほら、今度さ、私の身体......じ、じっくり見ていいから。それで元気出せよ。下も一緒に元気になんだろ?な?......すげえテンションの上がり方だな。現金な奴......。それじゃあ、日にち決めよっか。週末だったら、うちに誰もいな――......え?なに?......、......はッ!?えっ、おぁ、おま......。ま、また図書室......?お前今の話聞いてた?てかさっきの出来事、もう忘れたの?ボケてんのかよ。......とにかく、ヤっちゃうのはダメ。ダメだから。あーあーあーもうッ。その声やめろって、キモいから!仕方ねえな、このスケベ大臣。エッチしないかわりに......ひとつだけ、なんかワガママ聴いてやるよ。ああ。だからそんな落ち込むな、もう。はァあッ。我ながら、お前に甘すぎる気がするけど。まあ、いいやもう。それに、......交わりさえなきゃ、うん、ちゃちゃっと終わるしな。大丈夫だよ。ほら、なんか言ってみ。願望とか。どうせスケベじみたモンだろうけどさ。ん......、は?......ちょっとお前、何調子に乗ってんの......?の、ノーブラの次は水着かよ......。いや、ワガママ言えって言ったの私だけど。でも......、えっ、スク水なし?じゃあ、......び、ビキニで......?うぅうッ。ほんっと、お前のエロガキ思考にはついていけないわッ。いや違うからッ!下着と水着じゃ違うからッ。どっちもハズいけど、でも、下着ならまだ言い訳立つだろッ。ビキニじゃもう完全にそれ、図書室で変態プレイしようとしてる男女じゃん!アホかッ、クズッ。......うっせえ!別にあれだわ。そういう趣味があるわけじゃねえよ!ただ、......ッ......お前の事、好きだから......趣味とか、嗜好とか、そういうのが、好きなひとの色に染まってるだけだっての......。......う、うぁあ、うあああッ!馬鹿ッ!何言わせてんだよ、おいッ!ってか、何でお前まで恥ずかしがってんだよ!顔から火ぃ噴くわ、くそッ!あーもう、あーもう!分かった分かった、分かりました~、やりますよッ。ただ、言わせてもらうけど。お前ほんとさ、図書室を何だと思ってんだよ......。もう一生忘れねえわ。あの図書室、本好きだから思い出とかあるけど、別の意味でも思い出になっちまうだろうが。まあ......そりゃ、お互い様か。せいぜい後悔しないようにしろよな......?