05ひよこの気持ち
【妃愛】「おにい~、なに見てるの? えちちなゲームの購
入画面?」
【妃愛】「あっ驚かせてしまったかな、ごめん」
【妃愛】「まあごめんと言いつつ、お兄が何の画面見てるか
こっそり覗くつもりで忍び寄ったから、ばりばり
故意なのだけれども」
【妃愛】「それでこれはなんのゲーム……あ、音声……作
品?」
【妃愛】「ほえー、お兄こういうの好きなんだあ」
【妃愛】「いやまあ私という恋人がいたところで、二次元の
えちちを求めるのは当然くらいに思っていたの
で、その点については全く気にしてないのだけど
さ」
【妃愛】「お兄と兄妹のままのやりとりができるのは嬉しい
し」
【妃愛】「でも音声作品っっていうのはなあ……」
【妃愛】「表紙に騙されてページ開いただけ? うんまあ表
紙の絵はかわいいねえ」
【妃愛】「でもまだちょっと半信半疑ー」
【妃愛】「疑わしきはバスケットボールー」
05ひよこの気持ち
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【妃愛】「えちちなイラストでお兄が燃え盛るのは微笑まし
いけど、声オンリーでえちちな気分になるのは… …なんか……ちょっと……その、声だけでってい
うのが」
【妃愛】「だだ、だってお兄は、私の声単体だと絶対にえち
ちな気分にはならないだろうし……私、声のお仕
事というか……私だって、自分の声でお兄に萌え
てほしいというか……」
【妃愛】「その、萌えるだけではなく、やっぱり自分の声で
お兄がえちちな気持ちになってくれたら嬉しいと
いうか……」
【妃愛】「えっ小泉妃愛はみんなのもの? お兄が独り占め
していいものではない? それは私が言いだした
こと?」
【妃愛】「そそっ、そおなのだけどそおなのだけどヴヴヴヴ
ヴヴヴヴ」
【妃愛】「そんな正論で感情的になっている妹を言い負かし
て、それでもお兄は立場の弱い妹を恋人にしてい
る自覚があるのかー!」
【妃愛】「私だって頭ではわかっているのだけど、こと声の
話になるとやっぱり悔しい気持ちはあるんだ
よぅ、シット! シッター! シッテスト」
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【妃愛】「私だって私だって、お兄にこっそり自分の音声作
品を買ってほしい!」
【妃愛】「そもそもお兄、私の音声作品の存在すら知らない
よね」
【妃愛】「あるよ! ささやきボイスみたいなものは発売さ
れているし、販促動画は公開されているよ! 私
としてではなく、キャラとしての声だけれど
も!」
【妃愛】「お兄が私に内緒でこっそり購入してくれていたら
嬉しい……けれど、そんな事実もないよねきっと
ぐすん」
【妃愛】「かといってプライベートな時間に、私のキャラと
しての声や小泉妃愛として本気出した声を、お兄
個人に聞かせるのは声優判定アウツだし……うう
うううううぅ!」
【妃愛】「えーとこの音声作品は……なになに「天使の耳か
き」……また天使か! 「脳が犯される耳舐め作
品の決定版」……ふぅーん、耳かきものかあ」
【妃愛】「あっ! なーんだ、それならとても簡単なお話
だった」
【妃愛】「小泉妃愛の音声作品としてではなく、お兄の妹と
してリアル耳かきをしてあげればいいだけのお話
だったね! 声優判定セフセフ」
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【妃愛】「というわけで、来いよ」
【妃愛】「今回お兄に拒否は許されません。妹に心的外傷を
与えた責任をとってください。耳かきさせてくだ
さいお願いします。なんでもします、この通りで
す」
【妃愛】「あ、させてくれるんだ?」
【妃愛】「わあい、お兄やさしい! 大大大ちゅき! いか
なるときもちゅき」
【妃愛】「言うて、人に耳かきなんてしたことないから緊張
するね……」
【妃愛】「さ、お兄。ここへ頭をのせて」
【妃愛】「うはー! 期せずしてお兄にひざまくらー! 母
性を覚える、ときめくぅー!」
【妃愛】「ええ~? こんなにときめくなら、もっと前から
お兄に耳かきさせてもらえばよかった」
【妃愛】「これは棚からぼたもちだなあ。私、みたらし団子
が好きだけど。よちよち。よちち」
【妃愛】「それではいざ耳かきをするわけだけど、すべてが
初めてなので、痛かったら言ってね」
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【妃愛】「しかし、うーん……残念ながら、お兄の耳の中は
綺麗だ」
【妃愛】「でも私の目的はお兄の耳を綺麗にするのではな
く、お兄に耳かきをすることなので、耳かきでく
すぐるね」
【妃愛】「どうかな、くすぐったいかな。痛かったらゆって
ね」
【妃愛】「ちなみにこの耳掃除は和泉妃愛として行っていま
すが、お兄に私のささやきを聞いてもらうのが目
的なので、終始声をかけつづけます。声優判定セ
フセフ」
【妃愛】「そういえば……私もだけど、お兄、昔はお母さん
に耳かきしてもらってたよね」
【妃愛】「今は自分がその役を務めてると思うと、過剰なま
でにときめくぅ~」
【妃愛】「えへへ、まだ始めたばっかりなのに、お兄の耳か
き楽しい~母性母性」
【妃愛】「まだお母さんみたいに上手くはできてないだろう
けど、いずれお兄からおねだりさせてみせるから
ね~」
【妃愛】「お兄の耳好きぃ~、お兄の耳の形好きぃ~、お兄
の全部が好きぃ~」
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【妃愛】「小さい頃ね~、耳かきの順番、いつもお兄が先
だったよね~、あれちょっとズルいなって実は
思ってた」
【妃愛】「あ、やあ、怒ってはない、怒ってはないよ。怒っ
てないというか気にしてはなかったよ」
【妃愛】「まあ単に生まれた順ってだけだしね。「今日は妃
愛が先ね」って日もあったし。でもまあ、キホン
はお兄からだったよね」
【妃愛】「お風呂もお兄が先に入れてもらってたしね~」
【妃愛】「ゆーても、あれはお父さんと入るのがお兄で、お
母さんと入るのが私で、お父さんとお母さんで先
に入るのがお父さんって順番決まってただけだけ
ど」
【妃愛】「は? いっしょに入ってたころあった?」
【妃愛】「いいい今その話しゅるなしないで、この話恥ずか
ちぃ終わし」
【妃愛】「あーだめだめこっち見上げないで、いま耳かき中
なんだから」
【妃愛】「はいっ! はいっ! こっちの耳終わり! 逆! 向こう向いて!」
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【妃愛】「えへへ、私の足の上でお兄の頭が動くの好きぃ ~」
【妃愛】「お兄の頭の重みを感じるぅ~、存在を感じるぅ ~」
【妃愛】「もはや説明すら不要に思えるけど、私は今みたい
にお兄と家族を感じられる時間が好きだよ」
【妃愛】「でも今ではときめきも覚えられるので幸せむぎゅ
うううううぅ」
【妃愛】「あっごめん、耳かきの邪魔してしまったね」
【妃愛】「でもねー、自分でも驚くくらい幸せで満たされて
いてうへへへ」
【妃愛】「お兄とこれからもずっとこんな時間を過ごせるぅ ~、末永くいっしょに暮らせるぅ~」
【妃愛】「今後は一人になる不安を抱かずに生きていけるぅ ~」
【妃愛】「はあ……自分の人生が上手くいきすぎて怖い…… 心境的にはもはや余生」
【妃愛】「これからは山も谷もなくてよいので、お兄とただ
ただ幸せな時間を過ごすんだい」
【妃愛】「お兄大とぅき、てへ」
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【妃愛】「はあ~、先ほどから気持ちが高まりすぎて、耳か
きが雑になっていたらごめんねお兄、痛かったら
ゆってね」
【妃愛】「え、むしろくすぐったい?」
【妃愛】「口ではテンション高いくせに、おっかなびっく
り?」
【妃愛】「だだだだって、耳って敏感な部分だし、万が一強
く引っ掻いたら痛いかと思って……」
【妃愛】「お、お兄、笑わないで! ちょ、母性台無し! おにーいーっ! もーっ!」
【妃愛】「ううぅ数秒前まで私が母性を感じていたのに、な
ぜかお兄に笑われている……」
【妃愛】「仕方ないよ、何事も初めての経験は上手くいかな
いときもある……う、うううぅ~!」
【妃愛】「お、おにょれお兄、大好きなお兄の身体を大切に
扱う、妹の健気な心を笑いおって……!」
【妃愛】「まだぜんぜん耳かきしてないけど、ちょっと休憩
して、今から悪戯をします」
【妃愛】「逃げようとしてもそうはいかんぞ」
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【妃愛】「いかに私が非力と言えど、ここまでしっかり抱え
こめばお兄も逃げられまいフフフ」
【妃愛】「へへへ、無防備なお兄の耳~」
【妃愛】「ふーっ……」
【妃愛】「えへへびっくりした? くしゅぐったい?」
【妃愛】「ううぅ~ん母性復活、お兄がかわゆい」
【妃愛】「お兄がまいったするまでしゅる……」
【妃愛】「( ふっ、ふーっ……ふっ、ふうっ……ふーっ…… ) 」
【妃愛】「息吹きかけだけじゃ……物足りないなあ……」
【妃愛】「ちゅっ……れろっ」
【妃愛】「えへへお兄がびくってした」
【妃愛】「私はいっつも、お兄に耳を責められてわからされ
てしまうので、今日はお返し……」
【妃愛】「( れろ……れろ、れろっ……れろ、れろぉ……れ
ろっ) 」
【妃愛】「えへへ、我慢できないくらいくすぐったいのは、
私もよく知ってるから……」
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【妃愛】「妹の健気な心をくすくす笑った事実をよく反省し
てほしい」
【妃愛】「うんうん、お兄がわかってくれたのなら私は満
足」
【妃愛】「ここからは優しく耳かきしてあげるね」
【妃愛】「えへへ~、お兄の耳かき楽しい~、お兄の頭を膝
にのせてるの愛しい~」
【妃愛】「しばらくはお兄の耳かきにはまってしまいそうだ
けど、耳かきって、しすぎないほうがいいとも聞
くよね」
【妃愛】「1週間に一度くらいかな~、2週間くらい間空け
たほうがいいかな?」
【妃愛】「これからは自分で耳かきしてはダメだからね」
【妃愛】「私にお世話させてね」
【妃愛】「ありがとう、お兄。大チュキ」
【妃愛】「はい、それじゃあ今日はここまでー」
【妃愛】「綺麗綺麗になりました」
【妃愛】「お兄、お疲れ様。次回はまた2週間後のお楽しみ ……え、私?」
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【妃愛】「私の耳かきをお兄がする……?」
【妃愛】「い、いいよお、私は普段から綺麗にしてるし…… その、最近したばかりだし……」
【妃愛】「やっ、耳さわっちゃだめえ! えっ、だめだめほ
んとだめ」
【妃愛】「だって、さっき私にされてるお兄を見てるだけ
で、くすぐったそうだったのに……お兄に同じこ
とされたら、私、我慢できない」
【妃愛】「やっ、だめえ! やだやだお兄、押したおしちゃ
ダメ……あっ」
【妃愛】「あ、あにょ……さっきは調子に乗ってちゅみませ
んでちた……反省してましゅ」
【妃愛】「なので耳だけは許し……あっ、ひゃあん! 舐め
るのだめえ!」
【妃愛】「もうこれ耳かきじゃないよお……やんっ! も
お、おにいいいい~!」
【妃愛】「うぅ、まさかこんな仕返しを受けてしまうとは… …」
【妃愛】「でも……お兄がこんな風に襲ってくれるとは思わ
なかったので、口では抵抗してしまったものの、
いま妃愛はとてもドキドキしています」
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【妃愛】「今度から襲ってほしいときはお兄に耳かきする
ね」
【妃愛】「お兄の耳かき、大好き」