トラック2:ようこそ、工房へ。まずは木彫りから。
;このトラックからは普通に喋る演技をお願いします。
;16/左上 後ろ向き
【彫刻家】
「さて、キミの好きな音を出せるのは……」
;SE16/左上 身じろぐ音(前に振り向き)
【彫刻家】
「この彫刻刀……かな……?」
【彫刻家】
「……いや、これを見せても……
初心者のキミには……違いがなにかよく分からないものな……」
【彫刻家】
「こういうときは……うん、全部持ってあげよう……」
:SE:16/左上→1/正面→2/右上→3/右 足音
;3/右 通常
【彫刻家】
「……お待たせ。じゃあ、お隣を失礼するね」
;SE:3/右 椅子に座る音
;SE;1/正面 木材を置く音
;SE;1/正面 彫刻刀を置く音
;以下、3/右で会話
;3/右 普通
【彫刻家】
「……うん、これで全部だ。と、その前に、改めて……」
;3/右 接近
【彫刻家】
「ようこそ私の工房へ」
;3/右 通常
【彫刻家】
「……とは言ったものの、ここはサブの部屋なんだ。
主に、メインの仕上げをするのこの部屋」
【彫刻家】
「細かいところを調整したり……
手軽に彫れるものは大体ここで作ってるよ……」
【彫刻家】
「ふふ、ハンマーとか使って彫るものを想像したかな……
それだと……こんなマンションじゃ、やれないよ……」
【彫刻家】
「ん? 仕事場に素人が入っていいのか?」
【彫刻家】
「そんなの気にしなくていいいんだ。
私としてはキミからは……いつももらってばかりで、
なにも返せていないからね」
【彫刻家】
「じゃあ、早速彫刻の魅力を教えてさしあげよう……」
【彫刻家】
「と言っても……キミがどの音が好きなのか分からないので、
いろいろな彫刻刀を、持ってきたんだ……」
:SE:2/右上→1/正面→8/左上 彫刻刀を机から手に取り、改めて置く音
(名前を言いながら一つ一つ置いていく)
【彫刻家】
「右から切り出し刀……平刀……丸刀……三角刀……だ」
【彫刻家】
「基本はこの4つだ。そして、彫刻家と名乗るには……
この4本を自分の手足のように、使いこなさきゃいけない……」
【彫刻家】
「もしこれを、うまく使いこなせれば……プロになれる。
さて、キミの家にあったのは……」
;SE:3/右 机から切り出し刀を持ち上げる音
【彫刻家】
「……これかな? 切り出し刀!」
【彫刻家】
「……見た目は普通の刃物と変わらないけど……
これはなかなかに扱いが結構難しいからね……
そうだね……浮世絵って聞いたことあるかな?」
【彫刻家】
「……江戸時代の絵画のあれだ……。
あれを作る時に、よく使われてたって言われてる……」
【彫刻家】
「そうだね……今からこの木材に
適当に線を入れてみるね」
;SE:3/右 木材に鉛筆などで線を入れる音
【彫刻家】
「(10秒ほど息遣い)」
【彫刻家】
「……ん、こんな感じで適当に星やハートのマークを入れてみたよ。
じゃあ、これに沿って、切り出し刀を使ってみようか……」
;SE:3/右 切り出し刀で木材を彫る音
【彫刻家】
「(10秒ほど息遣い)」
【彫刻家】
「……うん、こんな感じで、線が入るんだ
この線の横に沿って、同じように線を入れてみると……」
;SE:3/右 切り出し刀で木材を彫る音
【彫刻家】
「(10秒ほど息遣い)」
【彫刻家】
「……ね、綺麗に彫れた。
これのポイントは、刃の向きに注意しながら切ること……」
;SE:3/右 切り出し刀で木材を彫る音
【彫刻家】
「(10秒ほど息遣い)」
【彫刻家】
「手前に引くようにすれば……綺麗に彫れる。
けどこの扱い方を、知らずに……無視して……やると……」
;SE:3/右 切り出し刀で木材を彫る音(ぎこちない音)
【彫刻家】
「(10秒ほど息遣い)」
【彫刻家】
「……音も綺麗じゃないし、うまく切り込みも入らない……」
【彫刻家】
「キミが……いい音を出せなかったのは
使い方を知らないのも大きい……」
【彫刻家】
「だからこそ、こうやって触れてれば……
キミの好きな音も出せると思うんだ」
【彫刻家】
「それに、せっかく彫刻に触り始めたのなら……
少しでも彫刻の楽しさを知っていって欲しいんだ……」
【彫刻家】
「というわけで……はい! 次はキミの番だ……
この線に沿って彫ってみて……」
:SE;リスナー身じろぐ音
;SE:3/右→1/正面 切り出し刀を受け取る音
【彫刻家】
「……いいよ、刃の向きはあってる。
持ち方は……鉛筆をもつような持ち方にもう少し傾けてみて……」
;SE:1/正面 リスナー彫刻(切り出し刀で木材を彫る)
【彫刻家】
「(5秒ほど息遣い)」
;SE:1/正面 リスナー切り出し刀で木材を彫る音 停止
【彫刻家】
「……おー、すごいすごい、キレイに彫れたよ!
どうだい? やり方を知ると……結構楽しいでしょ……?」
【彫刻家】
「じゃあ、次は……切り出し刀より……よく彫れるもの……」
;SE:3/右 机から丸刀を持ち上げる音
【彫刻家】
「……これ、丸刀! 刃先の形が大分違うよね
実際、彫った後も……大分違うものになるから……」
;SE:3/右 丸刀で木材を彫る
【彫刻家】
「(5秒ほど息遣い)」
【彫刻家】
「……わかるかな? 切り出し刀と比べて、その名の通り
丸刀は、幅が広く丸みのある線を描くことができる……」
【彫刻家】
「ほら、次は少し長めに彫ってみるよ……」
;SE:3/右 丸刀で木材を彫る
【彫刻家】
「(20秒ほど息遣い)」
【彫刻家】
「……うん、こっちの方がわかりやすく彫れたかな……
持つときは刃がぶれないように、こうして抑えるんだけど……」
【彫刻家】
「……おや? なんだか満足気な顔をしてるね……
もしかして……今の音がよかったりするのかな……」
【彫刻家】
「なるほど……丸刀か……
じゃあ、こういうのも心地良かったりするのかな」
;SE:3/右 丸刀で木材を彫る音
【彫刻家】
「(20秒ほど息遣い)」
【彫刻家】
「ほら、こうして角度を変えると……より鋭くなる……」
;SE:3/右 丸刀で木材を彫る音
【彫刻家】
「(20秒ほど息遣い)」
【彫刻家】
「ふふ……やっぱりね。まあ……これはよく使うものだから……」
【彫刻家】
「でも、私ばかりもよくないから……自分でやってみなさい……!
ほら、自分でこの音を出せた方が、もっと気持ちいいと思うから……」
;SE:3/右→1/正面 リスナー彫刻刀を受け取る音
;SE:1/正面 リスナー彫刻(丸刀で木材を彫る)
【彫刻家】
「(10秒ほど息遣い)」
【彫刻家】
「いい感じだよ。そのまま、角度を変えてみて……」
;SE:1/正面 リスナー彫刻(丸刀で木材を彫る)
【彫刻家】
「(10秒ほど息遣い)」
【彫刻家】
「どうだい? なかなかにいいものだろ?
その快感が……彫刻の醍醐味でもある……」
;SE:3/右 机から三角刀を取る音
【彫刻家】
「さて……いい音を鳴らすのなら……三角刀も捨てがたい……」
【彫刻家】
「ほら……刃先を見て? 刃の断面がV字になってる……」
【彫刻家】
「刃先を深く入れて彫ることで太い線を……
浅く入れることで細い線とバリエーション豊富に彫れるん代物だ……」
【彫刻家】
「じゃあ、まずは太い線から……」
;SE:3/右 三角刀で木材を彫る:太い線
【彫刻家】
「(20秒ほど息遣い)」
【彫刻家】
「どうだい? なかなかに太い線が彫れたよ……
じゃあ、次は細い線を……」
;SE:3/右 三角刀で木材を彫る:細い線
【彫刻家】
「(20秒ほど息遣い)」
【彫刻家】
「……ふふ、この音も気持ちいいみたいだね……
じゃあ、細い線と組み合わせると……」
;SE:3/右 三角刀で木材を彫る:太い線と細い線の組み合わせ
【彫刻家】
「(40秒ほど息遣い)」
【彫刻家】
「……だいぶ、長めにやったから……
なかなかに心地良かったんじゃないかな……」
;SE:3/右 セリフ2行目「ついでに」机から平刀を取る音
【彫刻家】
「じゃあ、次はキミに……と言いたいとこだけど……
ついでだし、この平刀を説明してからにしようか……」
;3/右 接近
【彫刻家】
「ほら、平刀という名前だけあって……刃が真っ直ぐでしょ。
実は丸刀ほどじゃないけど……ここがカーブしてる間透(あいすき)というのもあるんだ……」
【彫刻家】
「まあ、使い方は同じなんだけどね。
じゃあ、さっそく彫っていくよ……」
;SE:3/右 平刀で木材を彫る
【彫刻家】
「(20秒ほど息遣い)」
【彫刻家】
「……ほら、気付いたかな? 線と線、形と形の間とかの広い面積を彫れるんだよ。
じゃあ、もう一回……」
;SE:3/右 平刀で木材を彫る
【彫刻家】
「(20秒ほど息遣い)」
【彫刻家】
「……優しい感じの音がする? ふふ、面白い表現をするね……」
【彫刻家】
「でもそれは……自分で出してこそだ。
ほら、三角刀と平刀を、それぞれ使ってみなさい……」
;SE:3/右→1/正面:リスナー三角刀を受け取る音
;SE:1/正面:リスナー彫刻:三角刀で木材を彫る:少しぎこちない
【彫刻家】
「(10秒ほど息遣い)」
;3/右 接近
【彫刻家】
「……三角刀となると、少しやりにくいかな。
ちょっと貸してくれるかい?
もう一回やるから、きちんと手元を見てみて……」
;SE1/正面→3/右 彫刻刀を受け取る音
;SE3/右 三角刀で木材を彫る音
【彫刻家】
「(10秒ほど息遣い)」
:3/右
【彫刻家】
「と、こんな感じで……はい、じゃあ、キミの番……」
;SE:3/右→1/正面:リスナー三角刀を受け取る音
;SE:1/正面: 彫刻(三角刀で木材を彫る)
【彫刻家】
「(20秒ほど息遣い)」
【彫刻家】
「……うん、その調子その調子。さっきと違って、刃の入れ方も……大胆になってきてる……」
【彫刻家】
「じゃあ、そのまま……平刀に切り替えてみて……」
;SE:3/右→1/正面:リスナー平刀を受け取る音
【彫刻家】
「……よし、握り方もバッチリ。
そのまま、思いっきりいっちゃえ……!」
;SE:1/正面 リスナー平刀で木材を彫る
【彫刻家】
「(10秒ほど息遣い)」
;3/右 接近 ささやき
【彫刻家】
「……そのままここの角を大きく彫って……」
;SE:1/正面 リスナー平刀で木材を彫る
【彫刻家】
「(10秒ほど息遣い)」
;3/右 通常
【彫刻家】
「……おお、大分上達したね。ほら、
最初に切り始めたこっちと比べると……
さっき線を引いたところは綺麗に彫れた……」
【彫刻家】
「ふふ、こうして成長してる様子を見れるのもいいもんだろ。
じゃあ、早速だけど……作品を一個作ってみようか。んっしょ……」
:SE:身じろぐ音
;SE:ガサゴソ音
;SE:木材と本を机に置く音
【彫刻家】
「……これ! なにもされてない木材と初心者の彫刻集だ……」
【彫刻家】
「この中から好きな絵柄を選んで欲しい……
もちろん下絵もキミが書くんだ……」
【彫刻家】
「そして、それを書いて……今キミの思うまま彫ってみてくれ」
:SE:リスナー身じろぐ音
【彫刻家】
「……ん? 作品なんて初心者すぎて作れない?
いいんだよ。そんなの気にしなくて」
【彫刻家】
「キミがなにを作ろうと、私はかまわないんだ。
大事なのは……彫刻の楽しさを知って欲しいんだ」
【彫刻家】
「さあ、この中から好きな彫刻刀を選びなさい。
ほら、ほら、わからないところは……私が手伝うからさ……」
:SE:リスナー身じろぐ音
【彫刻家】
「おっ! それにするんだね! じゃあ、軽く下絵を描いてみて……」
;SE:1/正面 リスナー木材に線を引く音
【彫刻家】
「(30秒ほど息遣い)」
【彫刻家】
「……へぇ~なかなかに絵心もある。
これは期待できそうだ。ほら、ここから好きな刀を使って……」
;SE:1/正面 リスナー彫刻刀で木材を彫る
【彫刻家】
「(10秒ほど息遣い)」
【彫刻家】
「うーん……いいよいいよ。ん? ここを深くかい?
なら、その刃じゃなく……こっちを使って……」
;SE:3/右→1/正面 上と違う彫刻刀を渡す
;SE:1/正面 接近 (選んだ)彫刻刀で木材を彫る
【彫刻家】
「(30秒ほど息遣い)」
;彫刻刀の彫る音をそのまま30秒ほど続けて、徐々にフェードアウト