【1.旅立ち】

こんばんは 今日も一日、お疲れ様でした どんな日でしたか？ ちょっと疲れちゃうようなこととか あったのかもしれませんね そんなあなたに 今日は私からプレゼント ごほうび、って言ったら大げさだけど 今からちょっとした旅に出ましょう？ あなたは、生き物って何から生まれるか もちろん知ってますよね そう、「卵」です 哺乳類だって、卵子という言葉があるから 広い意味では一緒ですね これからあなたは催眠の世界へと落ちて行き、 「卵」とひとつになることを目指す 不思議な旅に出発します 実はあなた以外にも 多くの、数え切れないほどの仲間が 同じところを目指しています あなたもその中の一人に過ぎません そして「卵」のもとにたどり着けるのは たった一人だけ 言ってしまえば、周りは全て競争相手なんです でも、大丈夫 ご紹介が遅くなりましたが、 私はこの旅の案内人、でございます 私が「卵」の元まで ナビゲートしていきますから、ね 長い旅になると思いますが 私の言葉を信じて 一緒に進んでいきましょう ところで 「卵」のもとにたどり着くには 心のリラックスした状態を 作らないといけないんです 今のあなたでは、まだ「卵」の存在を 感じることはできないでしょう だから心を落ち着けて 催眠状態にトランスすることで 初めてあなたは「卵」の待つところへ たどり着くことができるんですよ そのお手伝いをするのが私の役目 あなたにだけ、特別に、ですよ？ 何故私がそんなことをするのかって？ 「卵」がそれを望んでいるから、 ですかね？ふふっ それじゃあ、さっそく出発しましょう これから、あなたの意識は 様々な世界を旅して 最終的にここより深い、深ーいところ 「卵」の待つ世界を目指します 大切なのは、イメージをすること 沈む、落ちてゆくイメージが大切ですから その下準備をしましょうね あ、でも 無理に意識を持っていこうとか そんなことは考えなくていいですよ リラックスして、自然体でいれば 私が深いところへ降りていくお手伝いをしますから そうすればきっと、「卵」のもとにたどり着けますよ ところで「卵」って、何なんでしょうかね？ 一度、想像してみましょう 白身と、黄身がある？ それとも、分裂していく細胞？ もしかしたら、 中に女の子が入っていたりして、ふふ あなたは、どんなものだと思います？ 「卵」は無限の可能性を秘めた存在 あなたが望めば、それに応えてくれる かも、しれませんね ごめんなさい、そろそろ始めましょうか じゃあ、まずは仰向けになって はい、天井のどこか一点を見つめてください なるべく真上のほうにしましょうか このあと催眠の世界へ入っていくとき 真下に落ちるイメージがしやすいですからね どうですか？ じーっと見つめていると 段々意識がそこに おでこの辺りに収束してくる 意識が一点に収束すると、 他の事が少しずつ意識の外に出ていき あなたは見つめることをやめられなくなってきます それでは、今からカウントダウンをします カウントがゼロになるまで その一点を見続けるようにしてください あ、指示があるまでは 目は完全に閉じないようにしてくださいね カウントがゼロになったら、あなたの目はゆっくり閉じ 一点に収束したあなたの意識は ふっ、と身体から抜けていきますよ それでは、数を数えますね じゅう、きゅう、はち もし目がつらくなっても、まだガマン なな、ろく、ごー 段々視界がぼやけてくるかもしれません よん、さん、にー でも、見つめる、見つめる、見つめる いち 「見つめる」という行為そのものに没頭する ゼロ　まぶたがゆっくり閉じる まぶたが閉じると、周りが暗闇になる 暗闇に、あなたの意識が溶けだす