Tr7 無人のラウンジでゆったりと(寄り添いウィスパー、入眠導入)
;SE カシオペア廊下足音
;;3/右
【ポーレット】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――っ!」
【ポーレット】「わあっ!」
;SE 足音大きく一歩
;環境音 カシオペア_無人のラウンジ
;10/右前遠
【ポーレット】「誰もいない。貸し切りですよ、──あのカノオプスのラウンジが」
【ポーレット】「ね。きてください、ここ。一番前のシート。機関車のお尻みながら……うふふっ、ゆっくりふたりですごしましょう」
;10/右前遠→;2/右前→;3/右
【ポーレット】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)」
;以降、ずーっとくっつきあってひそひそ話でお願いします
;3/右 (密着)
【ポーレット】「電気機関車……ラウンジで、すぐ近くで聞くと、結構おっきな音がしますね。
客車には全然聞こえてこない……ぼーーーーーって、低くて太い音」
【ポーレット】「……御一夜は、電化だなんて夢のまた夢の区間ですから……
わたし、物心ついてからはずうっと御一夜ですから……」
【ポーレット】「はじめてです、この音。機関車交代までの短い区間だけだって、じっくり聞けるの、凄く嬉しい……」
【ポーレット】「(息を詰めて、一分間くらい耳を澄ませる)」
【ポーレット】「電気機関車の音――未来の音。(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)……クジラとかって、こういう声で鳴きそうなような気がします。
低く、静かに、うたうみたいに――
このラウンジだと混ざってくるのは、レールの継ぎ目を車輪が叩く、ジョイント音の繰り返しですけど……」
【ポーレット】「海の底では、きっとクジラがこういう声で歌ってて――きっと海の底では全然違って聞こえる、波の音だけが繰り返されて」
【ポーレット】「(じっと黙り込んで、海の底の音を想像する一分間)」
【ポーレット】「いろんなところにいってみたいです。海の底にも、空の果てにも。あなたとふたり――ううん、家族で。
いつか、お仕事が落ち着いて……あなたもわたしも、自由に旅できるようになったら」
【ポーレット】「そのころにはきっと、日ノ本の隅々にまで鉄路がもう一度つながって、伸びて――
御一夜から輪花内(わっかない)にだって、一本の列車でいけるように――(呼吸音)――あ」
【ポーレット】「そのときまでにはもう少し、列車に強くなっててくれたら嬉しいです。
せっかくですし、各駅停車で、わたし、全駅を楽しみたいですから」
【ポーレット】「(呼吸音*4)――けど、いまは――(微笑)」
【ポーレット】「……わたしもです。はしゃぎすぎちゃったのかな。ちょっとだけくたびれて、ちょっとだけ眠たいかもです」
【ポーレット】「……寝ちゃいましょうか、ふたり、このまま。このカノオプスのラウンジで。未来の列車のゆりかごみたいな素敵な部屋で」
【ポーレット】「……他の誰かがはいってくるか、機関車付け替えで蒸機の汽笛に驚かされるか……それとも、ひょっとしてもしかして。明日の朝をこのままぐっすりむかえちゃうまで」
【ポーレット】「……このまま静かに電気機関車の歌を聞きながら、眠っちゃいましょう。夢の中でもきっといっしょにすごせるように、ぴったりくっつきあったまま」
【ポーレット】「(とても静かな8呼吸)――おやすみなさい、大好きなひと。
Je te souhaite une tres bonne nuit et j’espere que tu feras de beaux reves.
(ジュ トゥ スゥェトゥ ユンヌ トレ ボン ニュイ エ ジェスぺー ク テュ フェハ ドゥ ボー へエヴ *あなたの眠りがやすらかで、素敵な夢をみれますように)」
【ポーレット】「(とても静かなキス)」
【ポーレット】「愛しています。……おやすみなさい」
【ポーレット】「(静かに寝ようとする呼吸。一分間)」
【ポーレット】「(静かに寝ようとする呼吸。一分間)」
【ポーレット】「(静かに寝ようとする呼吸。一分間)」
;呼吸音と環境音 F.O.