2 : マ ッ チ ン グ 相 手 は 社 長 令 嬢 ( 会 話 )
2:マッチング相手は社長令嬢(レストラン/昼)
(位置13/有声音)
ご馳走様でしたーっ。
はい、美味しかったですー♪
このレストラン、素敵なお店ですね♪
個室で落ち着きつつ、こんなにも美味しいお料理が頂けるって、そうそう無いと思います。
他のお客さんも居るはずなのに、店内は静かですし♪
それに…、アンティーク調の部屋の造りがとても可愛いです♪
こんな癒される空間でお料理を頂いて…、お腹一杯で、まったりしちゃいますね♪
あ、そうだ。
このお店に来る途中でお話した…。
えぇ、そうです。
趣味のお話です。
アプリでやり取りしている際にも伺ってはいましたけれど、本当にゲームがお好きなんですね♪
えぇっ。
お好きなゲームソフトのお話をされているあなた、目がキラキラしていましたもの。
私はゲームが苦手なので、あまりやらないんですけれど、あなたのお話しを聴いていたら、少し興味が出てきました♪
あ、そうそう。
以前、アプリの会話で、お仕事のお話しになりましたよね?
えーっと、確か…、建築関係のお仕事をされている…でしたか。
それを聞いて私、少し驚きました。
え…、何故って…。
私の父も、同じく建築関係の仕事を営んでいるんですもの。
ですから凄い偶然だなって思っていたんです♪
お話しを聞いていると、あなたはかなり優秀な人材の様ですし、もしかしたら父の会社からヘッドハンティング…。
はい、何でしょう?
父の会社名ですか…?
神崎コーポレーションですけれど…。
え…??
(絶句)えっ!あなた、父の会社の社員さんなんですかっ!?
嘘…、でしょ…。
あ、いえ、あなたが社員さんだって事は、本当に知りませんでした。
あなたも、私の事は知らなかった…、ですか…?
ですよね…。
こんな偶然って起こるものなのでしょうか…。
と、取り敢えず落ち着きましょう…。
(深呼吸)すー…、ふー…、すー…、ふー…。
え、何でしょう?
あぁー…、確かに…。
社長の娘が、何故マッチングアプリを利用しているか、疑問に思われますよね…。
えっとですね…。
私の父は、考え方が古い人間でして…。
父ったら「婚約相手は私が連れてくる」って譲らないんです…。
でも私自身は、そんな愛のないお付き合い…、ましてや結婚だなんて考えられないんです。
それで父に歯向かってしまいました…。
「私だってお相手くらい自分で見つけられます」って…。
でも、いざ探すとなると、どうしていいやらサッパリでして…。
それで、色々と調べていたたら、マッチングアプリのウェブ広告が目に止まったんです。
最初はこういうのって信じていませんでした…。
会員費だけ取られて、出会いもないんじゃないかって…。
まあそれも勉強代と思って登録してみたんです。
登録だけして、何も通知が来なくてもいいとも思っていました。
でも違った…。
ある朝目が覚めると、数件アプローチした中から、一件の通知があった…。
それがあなたでした。
勿論最初は警戒していましたよ?
唐突に会おうと誘われるんじゃないかとか、色々と疑っていました…。
おかしいですよね…。
それが今日は、私の方から会おうって誘ったんですもの…。
アプリだけですべてが分かった訳ではありませんが、この人は大丈夫だって、不思議とそう思えたんです…。
いざ会ってみたら、まさか父の会社の社員さんだなんて…、私があなたが勤めている会社社長の娘と分かった今、どう思われますか?
やはり関係を断ちたいと思われます?
え?
「社長の娘」ではなく、「私」に興味がある…?
そう…、ですか…。
ああ、いえ。
素直に嬉しいんです…。
私に言い寄ってくるのは、大抵が欲にまみれた人達ばかりでしたから…。
ですから、私を一人の女性として見て下さるのが嬉しくて…。
あの…、という事はつまり…、今後も関係を続けて下さる…、という事でしょうか…?
そうですか…。
よかった…。
はい、こちらこそよろしくお願いいたします♪