☆プロローグ
こんにちは。あるじ様。
お待ちしておりました。
わたくし、〝ナナ〟と申します。
どうぞ、よろしくお願いいたします。
はい。
わたくしは、旅の間、あなた様にお仕えする従者です。
魔王討伐のお手伝いをいたします。
何なりと、ご命令をください。
……はて?
お城からの説明に、不足があったのでしょうか。
ああ。いえいえ。お気になさらないでください。
わたくしが一から説明させていただきます。
立ったままお話をするのも疲れますでしょう。
こちらに、敷き布を敷きますので……
よろしければ、わたくしの隣に、どうぞ♪
ありがとうございます♪
さて。あるじ様は、魔王討伐の〝勇者候補〟に志望されましたね?
世界の平和のために、危険であると知りながらも、勇者を志す……
とても、ご立派な行いかと思います。
ただ……最近は、勇者候補を志すお方が、少なくなってしまいました。
悲しいことではありますが、仕方のないことでもあります。
長旅を続け……最後には、魔王と決戦する。
とても危険な旅路です。
恐れてしまうのも無理からぬことでしょう。
そこで……
勇者の志望者を増やすため、国は、新しい施策を行うことにしました。
それは……
志望者に、旅の間、自由に触れ合うことのできる……従者をあてがうことです。
はい。〝自由〟、というのは、本当に自由です。
建前としては、戦闘時のサポートですとか、荷物持ちですとか、長い旅路の孤独を慰める話し相手、という体ですが……
実際の、一番大事な役割は……
あるじ様の、性欲処理です。
はい。お聞き間違いではございません。
あるじ様の性欲が溜まり次第、いつでもどこでも発散していただくための、従者です。
そのような従者をあてがえば、勇者の志望者が増えるのではないか、と国は考えたのですね。
〝オナホール〟という玩具をご存じでしょうか?
この国で最近流行している、男性器を慰めるための、筒状の玩具です。
それから……わたくしの種族を、ご存じでしょうか?
わたくしは、ヒューマンではございません。このように、頭から角が生えていることからも、お分かりいただけるかと思います。
この街の、近くの集落で暮らしている種族で……
〝オーリア・ナホ族〟と申します。
それになぞらえて……わたくしどもは、通称〝オナホ従者〟と呼ばれております。
わたくしのことを、どうぞ、あるじ様の股間を慰める、オナホにしていただきたく思います。
よろしくお願いいたします。
はい?
……ふふ。あるじ様は、お優しい方なのですね。
仰る通り、国から、我が種族に要請された施策ではありますが……
わたくしは、無理やり従者にされたわけではありません。
わたくしども、オーリア・ナホ族は……
男性の精液から、魔力を補給できる体質なのです。
勇者を志望するような方々は、大体、強い魔力を持っておられますから……
性欲処理をしていただくことは、わたくしたちにとっても得になるのです。
族長は、国からの要請を受けて、すぐに了承いたしましたし……
わたくし自身も、望んで従者になりました。
ですから、どうぞ。
何も気になさらず、オナホとしてお使いください。
もちろん、それ以外でも、お役に立てるかと思います。
オーリア・ナホ族は、魔法に長けておりますので……あらゆる面であるじ様をサポートすることが可能です。
……とはいえ、あるじ様のご不安も承知しております。
わたくしたちは、まだ初対面。命を預ける仲間として、すぐに信用していただくのも難しいでしょう。
オナホ従者は、連れていくことも自由ですが、連れて行かないこともまた、自由です。
足手まといだ、と感じられましたら、すぐにでも放り出していただいて構いません。
いかがでしょうか?
…………。
ありがとうございます♪
それでは……改めまして。
あるじ様のオナホ従者……〝ナナ〟です。
これからどうぞ、よろしくお願いいたします♪
早速、出発いたしましょう。あるじ様。
はい。わたくしも、旅立ちの準備は整っております。
まずは、この街を出て……近くの、〝ラグラン〟という村を目的地としましょう。
旅は長いのです。
お互いのことを話し合いながら……
ゆっくり、参りましょう♪