Track 8

トラック8:おまけ。普通の添い寝

;SE:扉を叩く音 ;SE:扉を開く音 ;ボイス位置:9 おそるおそる 【あこ】 「ねえ、おとーさん起きてる……?」 【あこ】 「起きてる!? やったぁ!」 ;ボイス位置:1 【あこ】 「ねーねー、一緒に寝よ? あこ、おとーさんと寝たーい!」 【あこ】 「一生のお願い! この通り! 八回目くらいっ!」 【あこ】 「いい? やったぁ! えへへっえへへー! うれしいー」 ;SE:布団に入り込んでくる音 ;ボイス位置:2 横になりながら右腕枕で向き合う形 【あこ】 「あのねあのね、あこ、テレビで怖いのを見ちゃったんだ……」 【あこ】 「なんか砂がいっぱいのところで怖いのがたくさん砂の中から出てきてどわーってなってみんな引っ張り込まれちゃうの!」 【あこ】 「こわかったよぅぅ……」 【あこ】 「だからおとーさん、怖いのからあこを守ってぇ……おねがぁい……」 【あこ】 「ねっ? いいよね?」 【あこ】 「よーし、じゃあおとーさんに抱き着きながら寝るー」 【あこ】 「えへっ。コアラみたいだね。とくん、とくんっておとーさんの心臓の音が聞こえるよー」 【あこ】 「ねーねー……。あこが眠れるようになるまで、お話聞いてくれる?」 【あこ】 「あのね、あのね。おかーさんから聞いてるかもしれないけど、そろそろ学校で運動会があるんだぁ」 【あこ】 「あこ、クラスでも足が速い方なんだけど、隣のクラスの男の子にあこよりも早い子がいるんだよね」 【あこ】 「負けたくないんだ」 【あこ】 「もしもあこが一位を取れたら、おとーさん、またキーザトーブに連れて行ってくれると嬉しいなぁ。ちらっ、ちらっ」 【あこ】 「もちろんそれだけじゃなくてケーキとかも買ってきてくれると嬉しい! イチゴね! イチゴ!」 【あこ】 「そうと決まれば、頑張って練習しなきゃ……」 【あこ】 「あと運動会でダンスもやるの。すごく練習してるから、絶対に録ってね!」 【あこ】 「あこも運動会終わった後に見たいんだ」 【あこ】 「あとはねー、お弁当は唐揚げがいい! 去年入ってたのが美味しかった!」 【あこ】 「あ、でもお弁当はおかーさんに言った方がいいんだった」 【あこ】 「せっかくだから、おとーさんからも言っといて!」 【あこ】 「卵焼きも美味しかったなぁ……寝る前なのにお腹減ってきちゃったぁ……」 【あこ】 「もう歯を磨いちゃったし、ごはんのお話はやめとこう!」 【あこ】 「なんのお話しよっかぁ。この世界の行く末?」 【あこ】 「それっぽい事言ってみただけー。でもなんか頭いいっぽい事を喋ってみたいよねぇ」 【あこ】 「そういえば最近、お父さんの漢字覚えたよ! 訓読みで、ちち!」 【あこ】 「おかーさんの漢字は来週だけど、あこ、もう書けるんだ!」 【あこ】 「おとーさんが二つの剣をシャキンってやったみたいな漢字でー、おかーさんが盾みたいな漢字ー!」 【あこ】 「おとーさんが戦って、おかーさんが守る、みたいな感じの漢字だねー」 【あこ】 「じゃあ、あこはどんな感じの漢字なんだろー? 子ども? 子どもかぁ……」 【あこ】 「武器だと使いにくそうだし、盾でも全然防げなさそうだねぇ……」 【あこ】 「強そうな漢字が良かったなー。漢字からビームが出てるみたいな!」 【あこ】 「おとーさんが前で戦ってー、おかーさんの後ろからおとーさんをビームで助けるの!」 【あこ】 「背中は任せてね!」 【あこ】 「ああ、でも砂から出てくるやつは倒せないかもぉ……どうしよう」 【あこ】 「おとーさん、頑張ってぇ……」 【あこ】 「全部倒してくれたらあこがちゅーしてあげるからね」 【あこ】 「先払いしとこっか、はいっ。ちゅーーー!」 【あこ】 「ちゅーしたからおとーさんは、あこのことを絶対に守ってね! 約束だよ! えへへっ!」 【あこ】 「これでもう安心! ぐっすり眠れるよ! あっ、夢の中でもよろしくね! おとーさん」 【あこ】 「おとーさんの心臓の音を聞いてたらなんだかだんだん落ち着いてきたしね……」 【あこ】 「よかったぁ……やっと眠れるぅ……」 【あこ】 「じゃあおやす……みぃ……」 【あこ】 「くぅ……すぴー……くぅ……すぴー……」 ;SE:寝息