○トラック1『ゲッコーちゃんはボッチじゃない』
;◆SE 夏の住宅街・環境音
;◆SE チャイムの音
;◆SE ドアが開く
//ダミーヘッド位置・9(正面・遠い)
【ゲッコーちゃん】
「……ホントに、その……来てくれたんだね。
あ、いや……嫌とかじゃなくて、その……ぇと」
//ダミーヘッド位置・1(正面・近い)
【ゲッコーちゃん】
「……とりあえず、お、お部屋……入る……?」
;◆SE ドアが閉まる音
;◆SE 環境音停止
//ダミーヘッド位置・8(左前・近い)
【ゲッコーちゃん】
「ぁ、お靴……そのままで、良いから」
;◆SE 靴を脱ぐ
【ゲッコーちゃん】
「スリッパ、これね」
;◆SE スリッパをその場に落として、歩きはじめる。
//ダミーヘッド位置・2(右前・近い)
【ゲッコーちゃん】
「こっち」
;◆SE 木製の廊下を歩く音
【ゲッコーちゃん】
「(10秒ほど息遣い)」
;◆SE ドアを開く音
//ダミーヘッド位置・5(後ろ・近い)
【ゲッコーちゃん】
「入って。……ぇと、座布団、つかって……ぇへ」
;◆SE ドアを閉める音
;◆SE ベッドの上に座る音
//ダミーヘッド位置・3(右・近い)
【ゲッコーちゃん】
「な、なんか……変な感じだね。昔は、君、うちによく来てたのに」
【ゲッコーちゃん】
「……小学校6年生のときが、最後だっけ。
ぁんま、一緒に遊ばなくなっちゃって」
【ゲッコーちゃん】
「しゅ、趣味がね……変わっちゃうから、その、仕方がなかったんだけど……」
【ゲッコーちゃん】
「ぁ、そだ。それでね……今日、君を呼んだのは」
;◆SE ちょっと遠ざかって、机の下からダンボールを取り出す。
【ゲッコーちゃん】
「(5秒ほど、ダンボールを開けて中身を取り出す演技)」
【ゲッコーちゃん】
「……んしょ。これ。ぇと、KU……なんだっけ。
ASMRに使う、良いマイクなんだよね。ダミーヘッドマイクっていうの」
【ゲッコーちゃん】
「……き、君が最近ASMRにハマってるって聞いたから、
マイク買ってみたとか、そういうんじゃないよ。ただ、親戚のおじちゃんに貰っただけで……」
【ゲッコーちゃん】
「ぇと……その、さ。それで私、動画とか作ってみたいなって。
君、ASME……好きって言うし……だから……ぁの」
【ゲッコーちゃん】
「……耳かきの、練習……させて貰いたいなぁって。
だから、お部屋に……呼んだの。急で、ごめんね……?」
【ゲッコーちゃん】
「別の用事だと思って、緊張してたの?
……そ、そぉ。何のことかよくわかんないけど……」
【ゲッコーちゃん】
「じゃあ……お膝に、頭……乗せて……? ひ、ひざまくら」
【ゲッコーちゃん】
「何で驚いてるの。耳かきといえば、膝枕。
お蕎麦に七味みたいなものだよ」
【ゲッコーちゃん】
「……て、照れてなんてないもん。
それが、普通だから……するだけだもん」
【ゲッコーちゃん】
「だから…………ほらぁ…………」
;◆声 ささやき
【ゲッコーちゃん】
「頭……お膝に乗せるの、して……?
君のお耳……たっぷり……癒やして、あげるから……」