■トラック1『図書室によく居る、いつも少しだけ気になるあの子』
;◆ダミーヘッド位置・正面斜め側
;◆SE 本のページを捲る音
【絵空】
「(本を読んでいる)」
;◆SE 椅子を引いて、隣にリスナーが座る
;◆ダミーヘッド位置・側面
【絵空】
「!」
;◆SE 本のページを捲る音。
【絵空】
「(本を読んでいるが、隣に座っているリスナーの事が気になってチラチラと見ている)」
【絵空】
「……キミって」
【絵空】
「よく、癒やし部の子たちが話してる子……ですよね?
実験台になってるとか、練習台になってるとかって噂の」
【絵空】
「あ、すいません。私は……2年の佐々木絵空です。
……何回か……本を貸し出しする時に話してるんだけど……覚えてない、よね。
私、目立たないというか、The・モブって感じだし……」
【絵空】
「……え? 覚えてる? あ、……ぅん。そうそう。……1年の時、書庫の片付け、一緒にやったよね。
ほら、キミ、棚に頭ぶつけてたんこぶ作っちゃって……って、ごめん。急にだる絡みしちゃって……」
【絵空】
「……とゆーか……キミがここで本よく読んでるの知ってたから……、
時々話しかけようとしてたんだけど……いつも、タイミングが合わないっていうか……」
【絵空】
「……癒やし部の子と、よく、話してるじゃない?
だから…………邪魔しちゃ、ダメかなぁって…………」
【絵空】
「い、今は良いタイミングかなって。はい。誰もいませんし。
図書室に二人きりですし。え? ぁいやそう言ったらなんかおかしな湿度になりますねごめんなさい変な意味は無いんです……」
【絵空】
「…………………………ぇと」
【絵空】
「嫌なら別に良いんだけどっていうか、急に何言ってんだこいつモブ顔のくせにとか思うと思うんだけど、
ぁの……ホント……本当に急で……申し訳ないんだけど…………」
;◆声 ささやき
【絵空】
「私にも……キミでASMRの練習、させてもらえませんか……?」
【絵空】
「………………ぁのね」
【絵空】
「やっぱり周りの子、すっごく、うまい、ん、です、よ。……大会経験も豊富だし。
私は……高校入ってから癒やし部始めたから……その……あんまついていけてなくて」
【絵空】
「そ、その。友達の前で……ASMRするとか、恥ずかしくて無理だし……。
家族でも試してみたけど、変な空気になるし……だから……」
【絵空】
「……君は……ASMRされるの、好き、なんだよね?
私、いっぱい、がんばるから、あの、あの、…………うぅ」
【絵空】
「…………してくれる? ……! ぜ、ぜひ。お願いします。今から……は、もうお昼休み終わっちゃうから……っ。
今日、放課後。……癒やし部の部室、来てくれますか? ぅ……うん。お願いします」
;◆声 ささやき
【絵空】
「…………約束…………ですからね……?」