03 姫宮さんの涙(日常パートB)
(人知れず、校舎の陰。小さな声で、鼻を鳴らしながら静かに泣いている)
ぅっ… ぐすっ… ぐすっ… ぅ… ぅぅ… んっ… ぐすっ… ぐすっ…
ぐすっ… ぐすっ…
(近付いてくる「僕」に気付き、焦って涙をぬぐう)
ぐすっ… ぇ… ちょっと… ぁっ… なんで、ここ、に… 待って… その… ぐすっ… 違うの、これ… えっと…
ぐすっ… えっと… ぅぅ…
(向き合って、無理に普通通りに振る舞おうと)
(合間に鼻を鳴らしながら)
これ、は、その… ぐすっ …ごめんなさい、なんか、こんなところ… ははっ… ぐすっ 学校で泣いてるなんて、おかしい、よね… ぐすっ
あ、ち、違うの、本当になんでもなくて…
変なこととか、なんか、そういうんじゃないから……
ぐすっ…
(小声で、言いにくそうに)
そ、その… ちょっと… その… り… りーくんと、喧嘩… しちゃった、だけ、だから…
ぐすっ… ぐすっ…
…だ、だから、本当に、なんでもないから… ごめんなさい… ぐすっ… 恥ずかしいよね、こんなことで、泣いてるなんて… 私、ほんとダメだな、って、思っちゃう…
(相談に乗るよ、と言われて)
…あ、いや、ほんとに大丈夫だから… そんな… 相談とか… 私とりーくんの、問題、だから… 全然、その… たいしたこと、ないし…
だから、本当に、その… 大丈夫…
気持ちは… ありがとう…
ぐすっ… ぐすっ… 大丈夫だから、うん… 本当に…… ぐすっ…