触れる肌、触れあう気持ち
「真衣」: お待たせ!
「真優」: 大丈夫よ、走らなくても。そんなに待ってないから。
「真衣」: えへへっ、そっかそっか。
「真優」: 部活の方はもういいの?
「真衣」: 今日は筋トレだけであがり。雨でグラウンド使えないし、足もまだ本調子じゃないしね。
「真優」: そう。
「真衣」: 真優こそ、あたしに会わせて休まなくても良かったのに。
「真優」: たまにはいいのよ。
「真衣」: そっか。まあ、根を詰め過ぎだって、顧問の先生にいつも言われてるもんね。
「真優」: そうだけど、何で知ってるのよ。
「真衣」: 美術部にも友達いるもん~。
「真優」: あ、そうっ。後輩に恵まれたわ。
「真衣」: んあ~、でもやっぱり走りたい!足治ったら取り戻さないとな~。
「真優」: じゃそのためにも、ちゃんと休みなさいよね。
「真衣」: ほ~い!
「真優」: 返事だけはいいんだから。
「真衣」: ん、にしても、雨止まないね。傘持ってる?
「真優」: そんなわけないでしょう?
「真衣」: だよね~。朝は晴れてたのにな~。
「真優」: 天気予報だとすぐ止むみたいよ。
「真衣」: あ、そうなんだ。んじゃ、しばらく教室で甘えたりしとっか。
「真優」: そうね。
「真衣」: もう、雨の中走りたりしない?
「真優」: いつの話よ、それ。
「真衣」: えへへ~、そうだね。でも、暇だ~。
「真優」: 雨の音とかは、そんなに嫌いじゃないけどね。
「真衣」: あー、それはちょっと分かるかも。部屋の中でぼんやり聞いていたい感じ。
「真優」: ん~?似合わないけど。
「真衣」: あたしは晴れ女だからね。
「真優」: 私は雨女だって言ったいわけ?
「真衣」: そうじゃないけど。どっちかっていうと、雪女とかの方が似合いそう。
「真優」: 凝らせて欲しいのかしら~。
「真衣」: いやだっ、いやだっ、止めて~。そんなとこに手使わないでよ~!
「真優」: えへっ、あんたが無防備だからよ。
「真衣」: ふぁっ、ふぁははっ、ふぁっ、ふぉははっ、あぁっくすぐったいっ!
「真優」: うふっ、まったく。
「真衣」: ぐっ、えへへ。。。あ、でも、手冷たくて気持ち良かったかも。
「真優」: バカ!変なこと言わないでよ。
「真衣」: 真優に触られると、大体気持ちいいよ。
「真優」: だからもう、変な誤解されそうなこと言わないでよ。
「真衣」: 変な誤解って?
「真優」: んっ、何でもない。
「真衣」: ていうか、あまり大声出すとはあれだね。
「真優」: え?
「真衣」: 廊下、まだ人がいる時間だし。
「真優」: は。。。
「真衣」: 今の、誰かに聞かれちゃったかな。変なことしてると思われちゃったかも。
「真優」: し、知らないわよっ!
「真衣」: まぁ、あたしは別にいいんだけど~。でも、真優のいい感じの声は他の誰かに聞かせちゃうのはもったいないしな~。
「真優」: いい感じって何よ、出さないし。
「真衣」: あっ、ちょっと晴れてきた。よし、今のうちに帰ろう!
「真優」: は~、もう、忙しないんだから。
「真衣」: ただいま!
「真優」: ただいま。
「真衣」: はー、何か体冷えた。
「真優」: ん、そうね。
「真衣」: 真優、お風呂先どうぞ。
「真優」: うん、んじゃ。
「真衣」: あっ、そうだ。ちょっと待ってて。
「真優」: え?
「真衣」: えへ、あったあった。これ、作ってみてよ。
「真優」: なにこれ?
「真衣」: バスボム!この前試しに作ってみたんだ!強そうだよね、ボムッ!
「真優」: ほー、珍しいわね、あんたがこんなの使うなんて。
「真衣」: 彩愛ちゃんに教えてもらってさ、調べたら簡単に作れるみたいだったから。シュワってなって楽しいよ~。
「真優」: んじゃ、一緒に入る?
「真衣」: ふぇ?珍しいね、いつもならいやだっていうのに。
「真優」: こ、この上、風邪まで引かれたら困るからよ。
「真衣」: えへへっ、んじゃ、入る!
「真衣」: はい!髪洗ってあげるね。
「真優」: 自分で洗うからいいわよ。
「真衣」: まあまあ、遠慮しなさんなって~。
「真優」: もう。。。
「真衣」: うふ、ていうか、真優の髪触るの好きなんだよね~。
「真優」: 玩具にしないでよ。
「真衣」: しないしない~。
「真優」: まったく。何でもかんでも好きって言えば済むと思って。
「真衣」: 済まない?
「真優」: 当たり前でしょう。
「真衣」: チェ~。
「真優」: でも、言わなくていいってことじゃないからね。
5:08「真衣」: ふぇ?はいはい~。そういうと「思ってもした」。
「真優」: はっ。
5:12「真衣」: ほーらー、「マグニフィシェント」。
「真優」: ちょっ、やめなさいよっ。
「真衣」: えっあはは~っ。
「真優」: もう~っ。
「真衣」: あぁほらほら、動かないで、流すから。 ほーい!髪はつやつや、お肌もすべすべです!
「真優」: あんたもでしょう?
「真衣」: なっ、あっ、ちょっ、お腹つつかないでよ!くすぐったい~。
「真優」: ちょっと、摘まめないってどういうこと?
「真衣」: どうって言われても、鍛えてるからね。
「真優」: 許されないわね、特に無駄な肉ないかしら。
「真衣」: なっ、あっ、ちょっ、だからくすぐったいってば!あっ、あははっ、許してよ~!
「真優」: そうよね。走ってない分どっかに付けばいいのにね。
「真衣」: いや、良くないよ、やだよ!
「真優」: 私はもう少し女らしい体形になった真衣のこともきっと好きよ!
「真衣」: えへへっ、何か悪意感じるんだけど~。
「真優」: うふふ~っ。
「真衣」: 指、染みない?
「真優」: うん、大丈夫、こういうこと出来るくらいにわねっ!
「真衣」: あっ、あははっ、ちょっ、またくすぐる~。うっあっ、あははっ、やめて~!
「真優」: んっ、あはっ、もう暴れすぎ。お湯減るでしょう?
「真衣」: あっ、はっ、ふぁははっ、はー。。。小さい頃は全然狭くなかったのにね。
「真優」: そうね。真衣ってばずっとシャンプーハット取れなくて。
「真衣」: ふぇ?それは真優でしょう?
「真優」: 真衣よ。
「真衣」: うぇ?そんなことなかったと思うけどなぁ。
「真優」: そういうのは、私の方がちゃんと覚えてるに決まってるでしょう?
「真衣」: そりゃそうかもだけど、嘘ついてない?
「真優」: 付くわけないでしょう?そんな風に見える。
「真衣」: ふぇ~、どうかなどうかな~。
「真優」: んっ。
「真衣」: んん。。。
「真優」: ん、そんなまじまじと見ないでよ、恥ずかしいでしょう。
「真衣」: え?あたしだって見られてと恥ずかしいよ。
「真優」: 私はそんなに見てないわよ。
「真衣」: そう?でも、何か今しかないって思うと見ておかないともったいというか。ん、多分、世界中であたしだけの特権だよ、これ。
「真優」: どういうことよ。
「真衣」: ほら、真優もさ。美術館で綺麗な絵画を見たり、いい感じの彫刻を眺めたりして、ふむふむってなるでしょう。要するにそういう感じだよ。
「真優」: 私が恥ずかしいのは変わらないんだけど。
「真衣」: 真優だってこの前はあたしの足、玩味してたのにな~。
「真優」: そうとこれとは色々違うでしょう。
「真衣」: 待ってよ。よく考えて、見てるだけで幸せになれるんだよ、すごい画期的!
「真優」: あー、もう、逆上せた、先にあがるからっ。
「真衣」: あ、待ってよ、あたしも出るから。髪、顔貸してあげる。
「真優」: いいけど、優しくしてよね。
「真衣」: はい!お任せ~!
「真衣」: は~、喉乾いた~。
「真優」: ちょっと、自分の髪を乾かしなさいよ、風邪引くわよ。
「真衣」: 大丈夫、すぐ乾くから。真優の髪乾かれて満足だし。
「真優」: 意味分かんないよ、まったく。
「真衣」: なっ、ねぇ夕飯どうする?
「真優」: んー、まだちょっと早くない。
「真衣」: だよね。あぁじゃ、借りてたディーブイディー見よっか。
「真優」: そうね、そうしましょうか。
「真衣」: オッケー。んじゃ、ほらほら、ソファーお出で、隣空いてるよ~。
「真優」: ん、はいはい、座るわよ。
「真優」: うわっ、恋愛ものって言っただけど、これ結局ホラーっぽいなようなんじゃないでしょうね。ん?ちょっと、真衣?あんたまさか、自分で借りといて怖いとか。
「真衣」: ぐうぐう~。
「真優」: って、寝てるし。ちょっと真衣、真衣ってば。
「真衣」: ん、ん。。。
「真優」: はー、まったくもう。また無防備だと、ぎゅってするわよ。
「真衣」: ん。。。
「真優」: 真衣、あんたのせいだからね。
「真衣」: ん、ん。。。
「真優」: (はー、なにこれ、落ち着く。真衣のこと近くに感じてるだけで、何か、いい。いつでもこうしていられたらいいのに。恥ずかしくてできないけど。。。) は~、好き。
「真衣」: ぐっ、へっ?あっ。あー、えへへっ、うとうとしちゃってた。
「真優」: うっ、ごめん、起きてたの?
「真衣」: あ、いや、別にいいんだけど。あは、えへへ~。 (たまに自然な感じで触れてくれる時の、こういう感じ、好きだな、えへへ~。)
「真優」: な、なによ。
「真衣」: 目、合っちゃうと恥ずかしいよね。
「真優」: 煩しいわね。
「真衣」: もっといいよ。
「真優」: うん。あの映画みたいに、襲って欲しいわけ?
「真衣」: うぇ?あ、違うんじゃないかな。
「真優」: なんでふわっとしてるのよ。
「真衣」: でも、その、もっと見つめては欲しいかな。
「真優」: そんなシーンあったかしら。
「真衣」: んほら、今、ここに、ちょうど。。。
「真優」: んもう。
「真衣」: えへへ~、照れる。
「真優」: 自分で言ったくせに、そっちが照れてどうするのよ。
「真衣」: もうちょい近く。。。
「真優」: これ以上は近すぎよ。
「真衣」: この先のシーンもみたいよね。
「真優」: しょうがない、わね。一緒に見てあげる。
「真衣」: えへっ、でも、目閉じてないとね。
「真優」: ん。
「真衣」: 真優。
「真優」: 真衣。
「真衣」: (そっと触れ合うと、くすぐったくて、心臓ドキドキしてる。それに真優、何かいい匂い、もっと抱き寄せたいなって思っちゃう。)
「真優」: (先抱きしめた時よりも、ずっと近くて、暖かい。真衣はいつも自然に抱き寄せてくれて、ちょっとずるいなって思うのに、安心して離れられない。私、ぎこちなくなってないかしら。)
「真衣」: (ちょっとだけ、薄目開けてみよっかな。ん、ふぁは、やっぱ真優、まつ毛長い。真優はずっと閉じてる派なんだ。)
「真優」: (は、もう離れちゃう。ずっと一緒いたのに、知らなかった。唇の柔らかさとか、息の熱さとか、もっと感じていたいの。いつもどれだけ我慢してるとおもってるとか。) もう、長い。
「真衣」: ふぇ?そうだった、ごめん。
「真優」: ダメじゃない。
「真衣」: そう、なんだ。
「真優」: ていうか真衣、何かちょっと慣れてる感じする。
「真衣」: うぇ?そんなことないって。あたしなんかも照れまくりだよ。
「真優」: どのくらい?
「真衣」: どのくらいって。。。こ、こうのくらい?
「真優」: くすっ、本当、顔赤い。
「真衣」: そ、そんなの、真優だって、そうでしょう?
「真優」: でも、もっと欲しくなっちゃう。
「真衣」: ね。
「真優」: うふっ。
「真衣」: えへ、えへへ~。