プロローグ
ん、ふぅ…。
先生♡
今日も家庭教師、ありがとうございました♡
おかげさまで家の期待を裏切らず、無事に志望校へ進学できそうです♡
先生のおかげですよ♡
思えば…。
父の教え子だった先生が沙夜の家庭教師になってから、
もう10年以上が経つんですね♡
沙夜がまだこんなに小さい時から、ずっと近くで…。
勉強だけではなく、悩みを聞いてもらったり、一緒にお出かけをしたり…。
先生と過ごした時間は、沙夜にとって何より大切な宝物です♡
でも…。
受験が終わったら、もうそんな時間も終わってしまうんですね…。
先生は寂しいですか…?
沙夜は…。
ふふ♡
ところで先生?
沙夜、この前、同級生の男の人に告白されたんです♡
…わっ。
もう先生ったら♡
驚きすぎです♡
沙夜も年頃の女の子なんですから…。
そういう話の一つや二つありますよ?
ふふっ♡
その方、テニス部のエースで、端正なお顔で…。
女子生徒からも、とても人気がある方なんです♡
ただ、良くない噂も流れていて…。
身体目当てで女の子をとっかえひっかえして、
ずいぶん多くの女の子を泣かせてきたとか…。
でも…噂で人を判断するなんて良くないですよね?
だから沙夜、告白をお受けしようと思うんです♡
せっかくの機会なので、これも社会勉強ですものね♡
…あら?
どうされたんですか? 先生♡
え?
やめておいた方がいい?
…えぇ~?
どうしてですかぁ?
もしかして…♡
沙夜のこの身体が…。
その人に好き放題 乱暴されるんじゃないかって…。
心配してくれているんですか…?
ふふ♡
ありがとうございます♡
でも大丈夫ですよ♡
貞操観念はちゃんと持っていますから♡
え?
そういうことじゃなくて?
…ふふ♡
どうしたんですか? 先生♡
さっきから慌てすぎですよ…?
そんなに沙夜が他の誰かと付き合うのが嫌なんですか…?
ふふ♡
それなら…。
先生が、代わりに男性のことを教えてくれますか…?