トラック02 「お兄ちゃんの催眠術とかあり得ない」
■トラック02―――――――――――――――――――――
【ヒロイン】
「あーしには、お兄ちゃんがいる。男兄弟、しかも年上だなんて、マジ最悪」
【ヒロイン】
「どうせならアネキか、せいぜい役に立ちそうな妹なら良かったのに。ま、男で我慢するとしたら、あーしの命令なら何でもしたがうような弟ならギリってとこ?」
【ヒロイン】
「だってのに……あーしにはお兄ちゃんしかいねーの。だったら最初から一人のほうが良かったわ」
【ヒロイン】
「死んでほしいくらい嫌いなお兄ちゃんに、あーしは今、サイミンジュツをかけられている」
【ヒロイン】
「いつ、どこでかけたわけ? 妹にサイミンジュツかけるなんて、あり得なくない? キモすぎ」
【ヒロイン】
「あー、もうムカつく! サイミンジュツとか、信じらんない!」
【ヒロイン】
「クソお兄ちゃんに、サイミンジュツをかけられて、なんかよくわからんないけど、ナニか変わった? それもわかんないのが、ちょうムカつく」
【ヒロイン】
「あーしにかけられているのは、クソお兄ちゃんの呼び方を変えるサイミンジュツとか言われた」
【ヒロイン】
「ちょっと前なら、クソ野郎とか、変質者とか、性犯罪者とか、キモオタとか、好きに呼ぶことができたのに……」
【ヒロイン】
「本人がいると『お兄ちゃん』ってしか呼べない。なに、これ? マジでサイミンジュツにかかってるわけ?」
【ヒロイン】
「なんなの、これ!? なんだっての!?」
【ヒロイン】
「これくらい、別に大したことじゃねーけど、でも、あのお兄ちゃんにサイミンジュツで操られてるとか。めっちゃムカつく」
【ヒロイン】
「……とにかく、これ以上、サイミンジュツを使わせねーように、きっちりと言い聞かせてやらなくちゃいけねー」
【ヒロイン】
「それだけじゃ許せねー。今、あーしにかけているサイミンジュツも、解かせてやる!」