『お兄様、朝食を召し上がれ!』
;ボイス位置:5
【真姫亜】
「さて、朝の準備も終わりましたし、朝食にいたしましょうか」
【真姫亜】
「お兄様、こちらへどうぞ」
;SE:椅子に座る音
【真姫亜】
「私もお隣に……失礼いたしますね」
;SE:椅子に座る音
;ボイス位置:2
【真姫亜】
「本日の朝食は、サクサクのクロワッサンに、サラミやチーズ、野菜、ジャムなどを添えてお召し上がり頂けるようになっております」
【真姫亜】
「では私が直接食べさせて差し上げますね」
【真姫亜】
「まずはチーズと一緒にいただきましょうか」
【真姫亜】
「お兄様、はい、あーん」
;SE:クロワッサンを食べる音
【真姫亜】
「うふふ。お兄様、美味しいですか?」
【真姫亜】
「クロワッサンはシェフが腕によりをかけて作りました」
【真姫亜】
「私も少しお手伝いさせていただいたのですが……パンを作るのってとても難しいですわ……」
【真姫亜】
「作っている途中のパンって生地がまとまってくるまで、すごく手にくっつきますの」
【真姫亜】
「生地がまとまった後も発酵して、またこねて、また発酵して……ものすごく手間と時間がかかって……」
【真姫亜】
「パン屋さんの朝は早いと申しますけど、その理由がよく分かりましたわ」
【真姫亜】
「パンを焼く時もすごいんですのよ」
【真姫亜】
「やはり手作りですから、色々な形にしたいじゃありませんか」
【真姫亜】
「巷(ちまた)で流行りのキャラクターとか、お星さまとか、色々な形にして、卵黄を塗って焼くのですけど」
【真姫亜】
「パンって焼く際にも、どんどんどんどん膨らんでいくんです」
【真姫亜】
「それでおにっ……こほん。私の好きなキャラクターの顔を模したパンを作ったら……」
【真姫亜】
「それこそどんどんどんどん膨らんでいってしまいまして……」
【真姫亜】
「まんまるとした形になってしまいました」
【真姫亜】
「……いつか、お兄様に振る舞えるように精進してまいりますので、期待して待っていてくださいね」
;SE:クロワッサンを食べる音
【真姫亜】
「そうそう。実はこのチーズ、この間の休日にお兄様と一緒にお買い物に行ったときに購入したチーズなんですよ」
【真姫亜】
「友人達の話すデパ地下なるものに生まれて初めて行きましたけど、色々なスイーツなどがあって夢のようでした」
【真姫亜】
「お買い物、楽しかったですわね。また是非行きましょうね、お兄様」
【真姫亜】
「さて、もう少し塩っけが欲しいですよね」
【真姫亜】
「お任せください」
;SE:クロワッサンをナイフで切る音
【真姫亜】
「クロワッサンを切って、サンドイッチにいたしましょう」
【真姫亜】
「バターを薄く塗って、サラダと薄く切ったサラミを挟んで……ぎゅっぎゅっ」
【真姫亜】
「愛情もしっかり込めますね……ぎゅううううう」
【真姫亜】
「はい、あーんしてくださいお兄様」
;SE:サンドイッチを食べる音
【真姫亜】
「いかがですか? お口に合うと良いのですが」
【真姫亜】
「コーンポタージュスープもございますよ」
【真姫亜】
「よろしければこちらもどうぞ」
【真姫亜】
「少しアツアツですから、火傷しないように真姫亜がお冷ましいたしますね」
【真姫亜】
「ふーっ……ふーっ……」
【真姫亜】
「はい、召し上がれ」
【真姫亜】
「(間を置いて)美味しいですか? やはりパンを食べている時はスープですわよね」
【真姫亜】
「ジャムの場合は紅茶ですけど、もちろん抜かりなく準備しておりますのでご安心ください」
【真姫亜】
「そろそろジャムを添えたクロワッサンにいたしますか?」
;SE:パンを切る音
【真姫亜】
「どのジャムにいたしましょうか」
【真姫亜】
「私の本日のおすすめはイチゴジャムです」
【真姫亜】
「こちらのジャムはですね、なんとイチゴの果肉がごろっと入っておりまして……食べるとじゅわぁってイチゴの甘さや酸味が広がってくるんです」
;SE:ジャムを塗る音
【真姫亜】
「ほら、召し上がってみてください」
;SE:クロワッサンを食べる音
【真姫亜】
「ね? 美味しいでしょう?」
【真姫亜】
「クロワッサンのほのかな甘みは、サラミにもチーズにもジャムにもマリアージュして素晴らしいですわね」
【真姫亜】
「マリアージュはフランス語で結婚という意味なんですって」
【真姫亜】
「相性の良い食べ合わせは結婚のようだ、という意味なんでしょうかね」
【真姫亜】
「クロワッサンの場合は多重婚になってしまいますわね。うふふ」
【真姫亜】
「そういえば、フランスではジャムをたっぷり塗ったバゲットをホットチョコレートにつけて召し上がられたりするらしいですわ」
【真姫亜】
「今日は用意がございませんけど、お兄様が興味ありましたらご用意いたしますので、いつでもお申し付けくださいませ」
;SE:紅茶を静かに置く音
【真姫亜】
「お兄様、こちら食後の紅茶となっております」
【真姫亜】
「先ほどのジャムを添えて、ロシアンティースタイルというのはいかがですか?」
【真姫亜】
「ロシアンティーの由来を調べてみたのですけど、昔は砂糖が少なくてその代わりに砂糖を使わないジャムを舐めながら飲んだのが由来だそうですわ」
【真姫亜】
「実際のロシアではウォッカを混ぜてお飲みになられたりするのだとか」
【真姫亜】
「私は未成年なので本場の味を楽しめるのはまだまだ先ですわね……」
;SE:椅子から立ち上がる音
;ボイス位置:3
【真姫亜】
「さてと……私は後片付けをしてまいりますので、お兄様はその間ごゆっくりとおくつろぎくださいませ」
【真姫亜】
「では、失礼いたします」