00.旅の説明
【00】
〈●〉
はじめまして
私はこの大神院で
祭祀巫女として務めているアヤメと申します。
〈○〉
はじめまして
姉様と同じく、
この大神院で
祭祀巫女として務めているスズミと申します。
私達は、ご神託により選ばれた祭祀巫女。
物心つく前から、このサヤク大神院の姉妹巫女としてご奉仕をしております。
〈●〉
私達だけがご神託を授かり、
神のご意思をお伝えする命を請けております。
〈○〉
ん。本日は、大神院まで足をお運び頂きありがとうございます。
〈●〉
貴方のような一端の兵士が、大神院はもとより、
この本殿まで上がって来る事はまず無いでしょう。
名前は既に聞いています。
お見受けする所、あまりよい生活はされてないようですね。
神への日々の感謝が、貴方をより良い生活へ導いてくれますよ?
〈○〉
普段、当院へお参りをしない方のように見受けられましたので…ふっ。
ご存知とは思いますが、私スズミは「太陽の巫女」と呼ばれ
祭事では女神を身に宿し、多くの民たちへ癒しを与え、
災いから守るのがお役目。
時には男女の仲を取り持ち、幸せな良縁へと導きます。
〈●〉
私アヤメは「月の巫女」時として、軍神を身に宿し、
多くの民を悪しき脅威からお護りするのがお役目。
悪神や妖魔を斬る為に、
肌身離さずこの退妖刀を携えています。
〈●〉
本日貴方をお呼びした理由を、聞いておりますでしょうか。
〈○〉
そう。これより私達はしばらく大神院を離れ、
はるか東方の神域「シラヌイヤマ」へ向かわなくてはなりません。
貴方には、私達の護衛および付き人として、共に旅に出て頂きます。
〈●〉
大神院の外へ出れば、妖魔の蔓延る世界。
私が強く、妹に治癒力があろうとも、二人では限界があります故、
貴方のその精力をお借りするのです。
〈○〉
私は、若く健康的で勇ましい剣士様がいらっしゃるのとばかり
思っておりましたが、……対称的な容姿に見受けられます。
体格も良いとは言えず、お顔もあまりパッとしません。
失礼ですが…貴方に私達の護衛が務まるのでしょうか?
〈●〉
……んん。今回の旅は、文字通りの「護衛」だけが彼の役目ではないのです。
スズミ、これもきっと神のご意思。信じる他無いでしょう。
〈○〉
そうですが…、不本意ながら、この方と旅をするのは心配でなりません。
〈●〉
私達は先日、近くの花街に現れた大型の妖魔と対峙した際、
撃退に成功したものの、妖魔の死に際、呪いを受けてしまったのです。
〈○〉
非常に強力な呪いで、この大神院でも解呪は叶わず
シラヌイヤマの神域でのみ解く事が出来ます。
〈●〉
花街に現れたのは、淫魔と言う人を淫ら獣へと貶める妖魔。
〈○〉
んっ、ご覧下さい。
おヘソの少し下、ちょうど子宮の辺りにある「淫紋」と呼ばれる真紅の紋様。
これが「淫筒の呪い」です。
古い文献によれば「大きさと共に徐々に淫らになり、理性が無くなって行く」とあり、
末期では「呪いは全身へと周り、性器のみが露わになり、
身体が柔らかく無機質な素材に変化してしまう」……と。
〈●〉
これが、通称「オナホ化の呪い」と言われる所以です。
この呪いは定期的に異常なまでのホテりをもたらし
我慢したり、自慰で解消をしようすると呪いが進行してしまいます。
〈○〉
呪いが全身に広がってしまう前に、必ず解かなければなりません
〈●〉
まだ初期状態とはいえ、すでに呪いの効力が出ており…ます…。
日々淫らな妄想が頭を掛け巡り、
小さな物音でもすぐ濡れてしまいますし…
その…排泄だけで感じてしまうこともしばしばございます。
〈○〉
このままでは祭祀巫女として務めが出来ません。
呪いが全身を回るまでは約半月程。
〈●〉
しかし、どんなに急ごうと、シラヌイヤマまではひと月は掛かります…。
〈○〉
呪いを解く方法は一つですが、進行を遅らせる方法はいくつかございます。
〈●〉
それは
被呪者の身体へ、生への執着を感じさせる事。
〈○〉
つまり、私達の身体へ子種を入れ込む事が一番効果的と考えます。
〈●〉
そうです。シラヌイヤマに着くまでの一月強、貴方には…、
呪いの進行を遅らせる支援を して頂きます。
〈○〉
表向きは、護衛。
〈●〉
本当の理由は…シラヌイヤマに着くまでの間、
定期的に子種を私達に献上する事です。
〈○〉
性欲が強く、子種の出が多く、
それこそ「生への執着」がある男の子種が呪いに対してより有効。
〈●〉
ご神託により貴方が選ばれたのは、きっとそれらが加味されての事でしょう。
〈○〉
致し方ありませんが、これもサダメ。お導きに従いましょう。
〈●〉
本日初対面の貴方を私達が信用するはずありません。
粗相をしたら、すぐにこの退妖刀で首を斬れるという事をお忘れなく…。