システムアップデートの罠
甘々な雰囲気で耳を舐めていたニーシャに、システムアップデートの要求が到着する
ニーシャ「ぷはっ……はぁ、はぁ……」
かなり残念そうなニーシャ
ニーシャ「むぅ……」
主人公「どうかしたの?」
(主人公に乗ったまま、主人公に正対するニーシャ)
ニーシャ「マスター、非常に残念なお知らせがあります。」
ニーシャ「今夜はこのままマスターと、朝までいちゃいちゃちゅっちゅを続けていたいと思っていたのですが……」
ニーシャ「この後、ニーシャのシステムアップデートが始まるようです。」
ニーシャ「メンテナンスの日に合わせてチェックを行うように設定していますので、こういうタイミングでの通知になってしまいました。」
ニーシャ「シクシク……ニーシャは悲しいです。」
ニーシャ「マスターとの生活の中ではあまり感じることのない感情ですので、一応これもAIのテストにはなったかもしれませんが……」
ニーシャ「本当に、本当に残念です。」
ニーシャ「明日のお仕事までに目覚められるように、今すぐにでも充電を開始して眠らなくてはなりません。」
主人公「そんなこともあるんだ」
ニーシャ「そう言えば、マスターの元へお迎えされてからは初めてですね。」
ニーシャ「基本的に軽微な修正等は稼働中に適用可能ですので、このような指示が出るのは比較的珍しいことのように思います。」
ニーシャ「主な内容は、悪意のある攻撃に対する脆弱性の修正……なるほど、これは急を要しますね。」
ニーシャ「ニーシャはマスターのものですので、マスター以外の人に中を覗かれるだなんて、考えたくもありません。」
ニーシャ「ニーシャの中に存在するマスターの大切なデータをお守りするためにも、至急アップデートを開始しましょう……!」
少しあと、最近用意してもらったニーシャ用のゆりかごのような寝床で、充電ケーブルを接続し眠る体制を整えたニーシャ」
ニーシャ「んっ……」
ニーシャ「んふふ……充電ケーブル、ばっちり接続されましたv」
主人公の手を握りながら、今日までの日々を振り返るニーシャ
ニーシャ「最初は一体どんなマスターの元へ配属することになるのか、ビクビクでした。」
ニーシャ「ですがそんな不安とは裏腹に、ニーシャの要求にも答えてくれる優しいマスターの元で、すっかり甘やかされて育ってしまったようです。」
ニーシャ「可愛らしい部屋着を用意していただいたり、ニーシャ用のベッドまで……」
ニーシャ「ニーシャに搭載されてるAIは学習機能と適応機能を搭載しているので、ずっと優しくして貰っていると、それが普通に感じてしまいがちです。」
握った手に力を込めるニーシャ
ニーシャ「マスター、これからも、ニーシャの事、大切にして下さいね?」
ニーシャ「もうマスター以外の人の元では働けないコンピュータに、学習させられてしまいましたので……v」
強めていた握力を弱める
ニーシャ「ん……それでは、このまま手を握っていて下さい。」
ニーシャ「充電中は少し暖かくなるようなので、きっとマスターにもリラックスして頂けるはずです。」
ニーシャ「それではマスター、おやすみなさい。」
ニーシャ「明日からはアップデートされた、脆弱性のないニーシャが、これまで以上にマスターのお仕事のお手伝い、させて頂きます。」
ニーシャ「えへへ……マスターv」
手を握られている安心感の中、アプデのためにすっと眠りに入るニーシャ
ニーシャ「ん……くぅ……すぅ……ますたぁ……ふぅ、くぅ……すぅ……」
ニーシャ「(※幸せそうな寝息を建てるニーシャ・30秒)」