『風紀委員長のお部屋に行くの巻。』
;◆SE がちゃがちゃとチェーンを外す音がドアの内側から響いて、鍵が開く
;◆ダミーヘッド位置・1(正面・近い)
【もえ】
「は、はい。おまたせしまひ……たぁ……っ」
【もえ】
「……こほん。別に噛んでません。男の子を部屋にあげるのにビビって、
過剰に焦ったりしていません。他人の感情を勝手に推測するのは無作法だと思いませんか?」
【もえ】
「おまたせしました。それでは。えと。中。どうぞ」
【もえ】
「ぁやっぱ待ってあのまだ少し! い、いまお部屋未だ片付いていないので。
それは私じゃなくてお兄ちゃんのせいというか、だらしない女だなと思われたくないのですけれど」
【もえ】
「……了承しました? ……では……すーはー…………中、どうぞ」
;◆SE 玄関で靴を脱ぐなど
;◆ダミーヘッド位置・13(後ろ・遠い)
【もえ】
「あ、スリッパはそこの、使っていいですから」
;◆SE 足音。2人で部屋に入る
;◆ダミーヘッド位置・3(右・近い)
【もえ】
「……それでは。ぇと。そこのソファーにでも…………。
あ。お腹、すいてる? おやつとか、いりますか? いらない? そ、そですか」
【もえ】
「……………………………………」
【もえ】
「すいません。今私、頭の中、真っ白です。男の子がお部屋に来るとか、
ちょっと想像出来てなさすぎて。えーっと……今から私達は、何をするんでしたっけ?」
【もえ】
「って何。急に、動かないでって。待っ……待って。ちか、近いぃ……っ。
なに。なにするの。ま、まだそれの準備は……ちょ…………っ~~~~~っ」
【もえ】
「…………………………ん~~~~」
【もえ】
「………………ん?」
【もえ】
「え? あ、頭に、ゴミ着いてたから、ソレ取っただけ?
あ。あ。そーゆー……ふーん。なるほど。…………へ?」
【もえ】
「べ、別に。何か勘違いとか? してませんけど?
え? 唇尖らせて目を閉じてた? …………そんなのあなたの感想ですよね?」
【もえ】
「そんにゃ。近づかれて、キスされると思ったとか。そんなわけないです。
だ、だってそんなんされたら、叩くもの。私を誰だと思ってるの? 鉄の風紀委員長ですが?」
【もえ】
「男女でそんな不埒なことするなんて、禁止っ。禁止に決まってますっ。
あ、当たり前だから。そんなの私がするわけないからっ。ふんだ」
【もえ】
「あなたこそ……変な妄想……してるんじゃないですか?」
【もえ】
「女の子に急に部屋に呼ばれたからって。それは、……えと。不埒な事していーよとか、
そういう合図じゃないんですからねっ。雑誌とかで読みました。そーゆー勘違いしがちの男が居ると」
;◆声 ささやき
【もえ】
「ぜ、絶対、ダメですからね。急に、体、ぎゅーっして、恋人みたいに、甘い言葉、囁いて。
ほっぺ、すりすり、してから。やさーしく。私のファーストキス、奪ったりしたら。絶対……ダメ。不純なのは禁止、です」
【もえ】
「…………確かに、それしても……止める人とか、誰も、居ないけど」
【もえ】
「………………」
【もえ】
「そ、それじゃ。ASMR。してあげますね。今日も面白いの、用意してきたので。
きっとまた、ふにゃーんってお顔、しちゃうやつなので。だから……」
;◆声 ささやき
【もえ】
「今日は……私と……私だけと……一緒に、過ごしてくださいね……」