「依頼ね! 任せて下さい!!」
「失礼するわ」
「ふふふっ、先生? こんばんわ。こんな時間に私を呼び出して……やっと私の力が必要になったのね」
「闇夜に紛れてどんなアウトローなことをしちゃうのかしら? 先生のお望みとあらば……アウトローらしく、人気の屋台だって襲ってみせるわ!」
「ふっ……ふふふっ……わかる……わかるわ! こんな時間だもの、屋台の1つや2つ襲ってラーメンを食べたくなっちゃったのよね。分かる……分かるわー……」
「どのラーメン屋さんを襲っちゃう? 夜だしあっさり醤油? それともさっぱり塩? ま、まさか……夜食に濃厚な味噌!? き、禁断のとんこつですってー!?」
「せ、先生、やっぱり……私が見込んだだけのことがあるわね。こんなにアウトローなことをしちゃうなんて……って、違う?」
「そ、それじゃあ……ど、どんなアウトローなことをしちゃうのかしら!? ま、まさか……深夜で警備も手薄になった銀行を襲っちゃう!? 流石先生!! 血も涙もない……って、こ、これも違うですって!?」
「さ、さては……深夜のコンビニのレジで大量の揚げ物を注文して店員さんを困らせるとか……アウトローにも程があることを……でもない!?」
「……」
「……となると……ど、どんなアウトローなことをするために私を呼んだのかしら?」
「先生のためならどんなアウトローなことでも……って、あ、アウトローなことじゃない?」
「えっ、でももしかしたらアウトローなことかもしれないですって!? ど、どっちなのかしら!?」
「な、なになに? ちょっと近くに寄れ、ですって? や、やっぱり……他の生徒には聴かれたらマズいことなのね!! 分かってるわ、先生!!」
「……ご、ごくり……い、一体どんなアウトローなことなのかしら……」
「ふむ……ふむふむ……なるほ……なる……な、なんですってー!?」
「……つ、ついつい大きな声が出ちゃったじゃないの……せ、先生……」
「な、成程……先生は私と寝たいの、ね? 驚いたけれど……先生となら……その……そこまで言うのなら、一緒に寝てあげるわ!」
「……一緒に寝たいわけじゃない? あ、あら……それじゃあ先生の言う「寝かしつけ」っていうのは……」
「……ほ、本当に先生を寝かしつけるってこと……? そ、そうなのかしら?」
「……」
「ふ、ふふふっ! も、もちろん、私にはちゃーんと分かっていたわ! そうよ! 先生は寝かしつけをされたい、間違いないわ!」
「先生、お疲れですもんね。ゆっくり寝られるように寝かしつけの1つもしてほしくなっちゃうの、少しは分かるかも」
「えっ、わ、私に寝かしつけられたらとてもよく寝られそうだから、ですって?」
「ふ、ふふふっ! せ、先生、やっぱり見る目があるじゃない! 私に任せれば先生もあっという間に夢の中よ!」
「それじゃあ……先生? この私が寝かしつけをしてあげる!」
「……って、先生? 寝かし付けをするってことは……も、もももももちろん、べ、べべべべベッドルームへ行くってことよね!? そうよね!?」
「……べ、ベッドルーム……せ、先生のベッドルームで……ふたりきりで……」
「さ、さあ! そ、それじゃあベッドルームへ行きましょうか、先生! ま、任せなさい! 寝かし付けなんて私に掛かればあっという間に――」
//当セリフ途中から正面→右へ移動
「……へっ? こ、こっちは玄関のほう、ですって!? し、知ってるわよ、それくらい! ついうっかり、わざとよ!」
「こっち! こっちよね、ベッドルームは! さあ、先生、たっぷり寝かし付けを―-」
「……こ、こっちはお手洗い!? し、知ってるわ! 先生が安眠できるように私がうっかりわざと間違えて空気を和ませてリラックスできるように――」