『耳かき、左耳、夜の光』
;SE:体を回転させる音
;ボイス位置:7
【真理愛】
「はい、というわけで、反対側です」
【真理愛】
「こちら側も、まずは優しめに耳かきしていきますね」
;SE:耳かきの音 浅め
【真理愛】
「(一分ほど息遣い)」
【真理愛】
「オーケーです。こちら側も反対側と同じ形のようですね」
【真理愛】
「では、本編に参りましょうか」
【真理愛】
「ふふ、ノリで言いましたけどなんだかおかしいですね」
;SE:耳かきの音
【真理愛】
「(一分ほど息遣い)」
【真理愛】
「最近、色々な作品で聖女を見るようになりましたね」
【真理愛】
「有名な小説投稿サイトでも高頻度で見るようになりましたし、この間の小説の大会でも大賞を取ったのが聖女作品でした」
【真理愛】
「ほら、二世とは言え、シスターとしては少し気になるじゃないですか」
【真理愛】
「聖女作品がどんなものか、どんな聖女が描かれているのか」
【真理愛】
「宗教に関してもどこまで掘り下げているのか、などなど」
【真理愛】
「で、試しに読んでみたんですよ。大賞のものではなくて、完結していて書籍化が決定しているものを」
【真理愛】
「かなり面白かったですね」
【真理愛】
「まず宗教に関してなんですけど、オリジナルの宗教がメインである事が多いみたいですね」
【真理愛】
「まあ、異世界ものですからね、考えてみればそうなるのは当然のことでした」
【真理愛】
「その世界の宗教については、ちょくちょくストーリーに絡んできますね、聖女の役目とかそういった形で」
【真理愛】
「聖女も、この世界で言う所のシスターより、教会全体で一番目二番目に偉い人という役割に近かったです」
【真理愛】
「そうして、聖女として世界を旅して各地を救っていく、といったストーリーが展開されていました」
【真理愛】
「これだけ聞くと何が面白かったんだ? ってなりますよね」
【真理愛】
「実は、その聖女さん……前世で男だったんですよ」
【真理愛】
「だから、男性時のクセとかが抜けなくて、でも聖女と崇められているからボロが出せなくて」
【真理愛】
「そういったてんやわんやとしたコミカルなシーンと、ちゃんと聖女らしくビシッと決めるシーンのギャップがすっごく良いんですよ」
【真理愛】
「昼頃に読み始めたんですがあっという間にハマって、気づいたら早朝になっていました」
【真理愛】
「物語を読んでいて、それに没頭し、時間を忘れる瞬間が一番幸せなのかもしれませんね」
【真理愛】
「まあ、私はシスターで、それもちょっとわるいシスターなので、世界を救ったりすることはできませんが、あなたの心の淀みを浄化するくらいはお手伝いさせてください」
【真理愛】
「(一分ほど息遣い)」
【真理愛】
「少し奥の方をカリカリしてみましょうか」
;SE:耳かきの音 奥の方
【真理愛】
「(一分ほど息遣い)」
【真理愛】
「こちら側は、耳垢が凝り固まっているみたいですね」
【真理愛】
「少し、強めにいたしますね」
;SE:耳かきの音 奥の方 強め
【真理愛】
「(一分ほど息遣い)」
【真理愛】
「よっし……ちゃんと取ることができましたよ」
【真理愛】
「強めにカリカリいたしましたけど、耳が痛くなっていたりはしませんか?」
【真理愛】
「そうだ。いい方法があるんですよ」