Track 5

『耳かき、左耳、夜の光』

;SE:体を回転させる音 ;ボイス位置:7 【真理愛】 「はい、というわけで、反対側です」 【真理愛】 「こちら側も、まずは優しめに耳かきしていきますね」 ;SE:耳かきの音 浅め 【真理愛】 「(一分ほど息遣い)」 【真理愛】 「オーケーです。こちら側も反対側と同じ形のようですね」 【真理愛】 「では、本編に参りましょうか」 【真理愛】 「ふふ、ノリで言いましたけどなんだかおかしいですね」 ;SE:耳かきの音 【真理愛】 「(一分ほど息遣い)」 【真理愛】 「最近、色々な作品で聖女を見るようになりましたね」 【真理愛】 「有名な小説投稿サイトでも高頻度で見るようになりましたし、この間の小説の大会でも大賞を取ったのが聖女作品でした」 【真理愛】 「ほら、二世とは言え、シスターとしては少し気になるじゃないですか」 【真理愛】 「聖女作品がどんなものか、どんな聖女が描かれているのか」 【真理愛】 「宗教に関してもどこまで掘り下げているのか、などなど」 【真理愛】 「で、試しに読んでみたんですよ。大賞のものではなくて、完結していて書籍化が決定しているものを」 【真理愛】 「かなり面白かったですね」 【真理愛】 「まず宗教に関してなんですけど、オリジナルの宗教がメインである事が多いみたいですね」 【真理愛】 「まあ、異世界ものですからね、考えてみればそうなるのは当然のことでした」 【真理愛】 「その世界の宗教については、ちょくちょくストーリーに絡んできますね、聖女の役目とかそういった形で」 【真理愛】 「聖女も、この世界で言う所のシスターより、教会全体で一番目二番目に偉い人という役割に近かったです」 【真理愛】 「そうして、聖女として世界を旅して各地を救っていく、といったストーリーが展開されていました」 【真理愛】 「これだけ聞くと何が面白かったんだ? ってなりますよね」 【真理愛】 「実は、その聖女さん……前世で男だったんですよ」 【真理愛】 「だから、男性時のクセとかが抜けなくて、でも聖女と崇められているからボロが出せなくて」 【真理愛】 「そういったてんやわんやとしたコミカルなシーンと、ちゃんと聖女らしくビシッと決めるシーンのギャップがすっごく良いんですよ」 【真理愛】 「昼頃に読み始めたんですがあっという間にハマって、気づいたら早朝になっていました」 【真理愛】 「物語を読んでいて、それに没頭し、時間を忘れる瞬間が一番幸せなのかもしれませんね」 【真理愛】 「まあ、私はシスターで、それもちょっとわるいシスターなので、世界を救ったりすることはできませんが、あなたの心の淀みを浄化するくらいはお手伝いさせてください」 【真理愛】 「(一分ほど息遣い)」 【真理愛】 「少し奥の方をカリカリしてみましょうか」 ;SE:耳かきの音 奥の方 【真理愛】 「(一分ほど息遣い)」 【真理愛】 「こちら側は、耳垢が凝り固まっているみたいですね」 【真理愛】 「少し、強めにいたしますね」 ;SE:耳かきの音 奥の方 強め 【真理愛】 「(一分ほど息遣い)」 【真理愛】 「よっし……ちゃんと取ることができましたよ」 【真理愛】 「強めにカリカリいたしましたけど、耳が痛くなっていたりはしませんか?」 【真理愛】 「そうだ。いい方法があるんですよ」