『屋上で出会ったエモい女の子と、秘密の共有』
;ボイス位置:3
;タイトルコール
;SE:階段を登る足音
;SE:扉を開ける音
;SE:風の音(小さめ)
;ボイス位置:9 普通に会話
【そら】
「わ。急に誰かと思ったら、えっと、誰だっけ?」
【そら】
「何年何組? ……そっか、同い年。クラスは違うんだ」
【そら】
「で、今ここに来てるってことはサボり? ふうん、やっぱりそっか。私と同じだね」
【そら】
「あんまり保たなかったなー。私の秘密の場所。なーんて、来ようと思えば誰だって来れるんだけどね、こんなとこ」
【そら】
「ほら、うちの学校ってさ、結構みんな真面目だから。滅多に授業サボる人もいないし。屋上に来てたそがれようなんて思う人、いないかなって」
【そら】
「そう思ってたんだけど……。そりゃあ何百人も生徒がいるんだから、同じこと考えている人がいてもおかしくないよね」
【そら】
「で、キミはどうしてサボろうと思ったの?」
【そら】
「……ふうん。理由も私と同じ、か。気が合うのかな」
;SE:歩いていく足音
;ボイス位置:1 普通に会話
【そら】
「でも、わかるよ。毎日毎日同じことばっかりで、先生の言うこともしっくりこなくて、クラスの子と話しても、なんとなく退屈で……」
【そら】
「逃げたくて、やめたくて、でも家にいるのも嫌で。なんとなくこの屋上に来ちゃったんだよね」
;SE:そらが金網に触れる音
【そら】
「ここはフェンスに囲まれてて、それでも空だけはこの学校で一番近い所にあって、不自由なのに自由で、なんだか中途半端な開放感があって」
【そら】
「そんな中途半端さが、中途半端な私にはあってて、さ」
【そら】
「だから、私はここにいるんだ。キミもここにいたい。そうでしょ?」
【そら】
「……うん。ならさ、約束してくれるかな。ここにいることも、ここで話したことも、ここで起きたことも、全部内緒にしてくれるって」
;SE:歩いてくる足音
;ボイス位置:11 普通に会話
【そら】
「そうしたら、私がキミの友だちになってあげる」
【そら】
「隠さなくていいよ。キミも一人ぼっちなんだよね。私も、そうなんだ」
【そら】
「考えていること、感じていることをそのまま共有出来るような人がいないんだよね。……だからさ」
【そら】
「私達、友だちになろうよ。この場所でだけ、何でも全部、隠さずに、言いたいこと、したいことを一緒にするの」
【そら】
「きっと、楽しくて、気持ちいいと思うんだ。世界にたった一人、そういう友だちがいたら、さ」
【そら】
「……うん。わかってた。キミは断らないよね。だって、私と似てるもの」
;SE:風の吹く音
【そら】
「私ね、ここからの景色が好きでさ。ずっと独り占めしたいって思ってたけど」
【そら】
「キミとならはんぶんこ、してもいいかな」