Track 2

もっと近くで話そうよ(囁き)』

;SE:足音 ;SE:扉の開く音 ;SE:風の音(少し大きめ) ;SE:歩いていく足音 ;ボイス位置:9 普通に会話 【そら】 「あ、来た。今日はちょっと風強いよね」 【そら】 「そっち、授業なんだったの? 数学? そっか、じゃあ小林だ。眠くなるよね、あの人の話」 【そら】 「私? 古文だよ。そうそう、枕草子。春はあけぼの。結構前に自分でさらっと読んでたし、たぶんテストでもそこそこの点数とれるし、でなくてもいいかなって」 【そら】 「期末? あー。平均点取れてればいいかな。無理に張り切る必要なんてないし」 【そら】 「出来ることをそれなりにやって、あとは好きにすればいいと思うんだ。何でも真面目に本気でやってたら疲れちゃうよ」 【そら】 「それに、やらなくちゃいけないことばっかりしてたら、本当に大事なこと、見逃しちゃう気がするしね」 ;SE:歩いてくる足音 ;ボイス位置:3 普通に会話 【そら】 「……ん? 距離、近いかな。そう、かな」 【そら】 「でもきっとこの距離が今の私たちだよ。精神的な距離が近くなれば、自然と体の距離も近くなるって話。聞いたことがあるんだ」 【そら】 「キミともそれなりに一緒に過ごしてきたからね。あれから一ヶ月? そうだっけ? あっと言う間だったよね。」 【そら】 「……私的には、仲良くなったと思うんだけどな」 ;SE:制服が擦れる音 【そら】 「それとも、こうしてくっついてるの、イヤ? うん。気持ちいいよね。私も、気持ちいいよ」 【そら】 「キミの体温を感じて、キミの匂いを感じてさ、こうしてゆっくり、語り合うの」 【そら】 「青春っぽい? そうなのかな」 【そら】 「正直、よくわからないんだ。そういう、なんていうか、キラキラした感じとか、若さゆえの、みたいなさ」 【そら】 「その、いわゆる、CMとかで言ってるアオハル? 的なものって、最中に感じるものとかじゃなくて……」 【そら】 「振り返って初めて、ああ、そうだったな、って思うもの、なんじゃないかな」 【そら】 「部活とか、恋とか、勉強とか、そーいうのに必死になって、頑張ってるわけじゃなくても、なんとなくうまくいかなくて、退屈な毎日でも」 【そら】 「きっと、振り返った時に、ああ、青春だったなーって思える日が、きっと来るものだと思う」 【そら】 「だから、私は自然体で、ゆっくり、ただその日したいことをするんだ」 【そら】 「たとえば……」 ;SE:そらが右耳に息を吹きかける音 ;ボイス位置:3 耳元で囁き 【そら】 「こんなこととか。わ、ちょっと鳥肌たってる? やりすぎたかな」 ;ボイス位置:3 普通に会話 【そら】 「なんだか急に、したくなっちゃって。キミが私の話、真面目に聞いてるの嬉しくて。でもあんまり本気で聞いて欲しくもなくて」 【そら】 「いや、照れ隠しとかじゃないよ。ただちょっと、魔が差しただけ、だよ」 ;SE:そらが右耳に息を吹きかける音 ;ボイス位置:3 耳元で囁き 【そら】 「楽しいかも。こういうの」 ;ボイス位置:3 普通に会話 【そら】 「私って昔から頭でっかちでさ。本ばっかり読んでたから体験に乏しいていうか」 【そら】 「体を使って誰かと遊ぶって、あんまりしてこなかったんだよね。あ、体育はそこそこ得意なんだけど、そういうのじゃなくてね?」 【そら】 「じゃれ合い、みたいなさ。子供っぽいお遊び。実はほとんどしたことないんだ」 【そら】 「まわりから大人っぽいとか、お高くとまってるとか、昔からよく言われてさ。ずっと一人だったから……」 【そら】 「ちょっとだけ憧れ、みたいな。あるんだよね。変かな?」 ;ボイス位置:3 耳元で囁き 【そら】 「キミもさ、気持ちいいでしょ?」 ;SE:そらが右耳に息を吹きかける音 【そら】 「うん、やっぱり。そんな顔してるよ。気持ちよくて、本当はもっとして欲しいって。でもそれを言葉にするのは恥ずかしい。そうだよね?」 【そら】 「いいんだよ。ここでは。したいこと、して欲しいって言っても。だって私達友だちなんだから」 【そら】 「遠慮とか、我慢とかそういうのはなし。ね?」 ;SE:そらが右耳に息を吹きかける音 【そら】 「どう、かな。うん。やっぱり、気持ちいいよね。耳に私の吐息がかかるの、好きなんだ。じゃあ、この時間はずっと、この距離で話そうか」 【そら】 「難しくて、答えがなくて、つまらない、そんな話でもする? キミが耳の感触になるべく集中できるようにさ」 【そら】 「えーっと、そうだな。じゃあ、恋バナとか。昔からこれって答えが出ないのに、みんな語りたがる、定番の話題。あれ、この言い方トゲがあるかな」 【そら】 「私、この手の話題振ふられるとどう答えていいかわからないんだよね。でも、なぜだかキミになら話せる気がする」 【そら】 「……ねえ、そもそも恋ってなんだろうね」 【そら】 「一緒にいたいと思ったら恋? それとも、見てるだけで嬉しいって思えたら恋?」 【そら】 「相手にはもう会えなくて、それでも忘れられないっていうのは、恋なのかな」 【そら】 「それとも、セックスしたい。そう思ったら、それは恋愛感情? ううん、きっとそうとも言い切れないんだろうな」 【そら】 「難しいよね。恋ってなんなんだろう。……キミはどう思うのかな」 【そら】 「私と一緒にいたい? それは、そうだよね。この屋上に毎日来てくれてるってことはさ」 ;ボイス位置:1 普通に会話 【そら】 「じゃあ、私を見ると、どう? 嬉しい? ほら、どうぞ。ご自由に見てみて」 【そら】 「恥ずかしい。……うん。確かに。それは私も」 ;ボイス位置:3 普通に会話 【そら】 「じゃあ私のこと、忘れられない? なんて、今そんなこと聞かれても、だよね」 【そら】 「でも、さ。忘れてほしくないよ。キミには。今のところはね」 ;ボイス位置:3 耳元で囁き 【そら】 「それじゃ、私とセックスしたい?」 ;ボイス位置:3 普通に会話 【そら】 「……あれ。なんかマズイこと言っちゃったかな。あーそっか。気まずいか。急に聞かれたら、そうなっちゃうか」 【そら】 「だよね。私達、結婚も制度上できっちゃう年頃だし」 ;ボイス位置:3 耳元で囁き 【そら】 「それに性欲も今が一番強い時期、だもんね。二人とも子供を作れる体、だもんね」 【そら】 「そんな時に、セックスしたい? なんて聞かれたら想像しちゃうよね。友だちの私と、エッチなことするの」 【そら】 「えっと、ごめんね? 頭に入って来ないような話するって言ったのに、結局かなり刺激的な話になっちゃって。うん、反省するよ」 【そら】 「あ。でもキミ興奮してる。いやいや、ごまかさないで。そっか。こういうこと言うと、キミはそんな顔するんだ。ふーん」 【そら】 「セックス。エッチ。交尾。おまんこ。……あ、やっぱり興奮してる」 【そら】 「なんだかんだでキミも男の子なんだね。納得」 【そら】 「ねえねえ。じゃあキミ、えーっと、えーっと、なんだっけ」 【そら】 「あるよね。そういう関係。えーっと、セフレ。セフレだ。セックスフレンドって、どう思う?」 【そら】 「よくわかんない。そうだよね。うーん、でもさ、セフレって結構、タンパクな関係性かなって思うんだ。体だけ、なんてて言い方するよね」 【そら】 「例えばだけど、私達がセックスする仲になったとして。セフレ、なんて言葉がぴったり当てはまるかな。……なんとなく、違う気がするな。軽いっていうか」 【そら】 「もうエッチな話はやめようか。それとも、もっとする?」 【そら】 「ふーん。……して欲しいけど、そうとは言えない、困った。そんな感じかな。二人のときは何も我慢しなくていいって、ずっと言ってるのに」 【そら】 「したいことしたいって言えるときは、言ったほうがいいよ。その方が、きっと後悔しないよ」 【そら】 「言うだけはタダなんだし、さ。それに、私はキミのしたいこと、叶えてあげたいんだから」 【そら】 「だって、友だちってそういうものでしょ?」 【そら】 「うんうん。じゃあ話、続けるね」 【そら】 「理想のセックスとか? あと、理想の相手? とか? そういう話をすればいいのかな」 【そら】 「あれ、どっちもないな。困った。これじゃキミの望み、叶えられないや」 【そら】 「うーん、そうだな。うーん、うーん」 ;SE:そらが左耳に息を吹きかける音 ;ボイス位置:7 耳元で囁き 【そら】 「ちがうよ。ごまかしたとかじゃなくてね。ネタがなくて時間稼ぎ、とかでもなくてね」 【そら】 「あ、わかった。私、結構人のこと弄るのが好きなのかも。こうして、耳元で囁いて……」 【そら】 「ぞくぞくぞく~ってしてる顔見るの、楽しい。きっと、セックスする時も、同じなんだろうな。うん、これは発見だね。じゃあ、もう一回」 ;SE:そらが左耳に息を吹きかける音 【そら】 「クセになりそうかも。ね。キミもでしょ。こんな風にいじられるの、好きになっちゃったでしょ」 【そら】 「大丈夫、大丈夫だよ。恥ずかしいことなんかなんにもないよ。思う存分、私の息と声で気持ちよくなっていいんだよ」 【そら】 「それとも、もっと凄いことがしたい、のかな? なーんて」 【そら】 「流石にそれは、ね。勉強不足だし。って、そういう問題じゃないか」 【そら】 「ま、今はひとまずその辺は置いておいて。キミがもっとして欲しそうだから、ふーっ、ふーってしてあげる」 ;SE:そらが左耳に息を吹きかける音 【そら】 「もっとふーふー欲しい? いいよ。どっちの耳が敏感なのかな。こっち?」 ;SE:そらが左耳に息を吹きかける音 【そら】 「それともこっち?」 ;SE:そらが右耳に息を吹きかける音 ;ボイス位置:3 耳元で囁き 【そら】 「どっちも気持ちよさそうにするね。体びくびく~っってなってる。うん。私、こういうことするの、好きだな」 ;ボイス位置:3 普通に会話 【そら】 「ねえ。次ここで会ったときも、していい? うん。いいよ。もっと、その先にあることとか、私試してみたいな」 【そら】 「じゃ、約束ね」 ;SE:学校のチャイムの音 【そら】 「……そろそろ教室、戻らなきゃだね。じゃ、またね」 ;SE:歩いていく足音