プロローグ
こんにちは。
ええ。そこに座って。
それじゃ……いつも通り、持ってきた資料を見せてもらえる?
はい。見させてもらいます。
…………。
収入と支出の額は合ってる……
お金の使い方に不審な点はなし。
申告してるオナニーの回数も……ティッシュの購入量との矛盾はない……
今月も問題はなさそうね。
……改めて、言っておくけれど。
我が国では五年前から、オナニー一回ごとに課税を行う、〝オナニー税〟の徴収を開始しました。
そしてあなたは一度、その脱税をしてしまっています。
次に、故意による脱税が行われた場合……
その〝追徴射精〟は、前回の比ではない重さになると思いますので、それをよく心に刻むように。
執行猶予無しの実刑判決になることだってあるんだから。
オナニー税の脱税専門の刑務所で……
朝から晩まで、ひたすら精液を搾り取られる生活を送ることになるのよ。
そんなの、あなたも嫌でしょう?
それに……
……そうなったら、私も困るわ。
……なに?
勘違いはしないで。
わざわざ毎週、国税局に呼びつけてまで、お金の流れを監視してる人が再犯したら……私の査察官としての評価に響くってだけ。
それ以外の意味なんてないわ。まったく。
……ところで。
あなたは、成人向け作品の購入量が多い気がするわ。
AV、アダルトコミック、音声作品……
もちろん、脱税が発覚する前より、かなり減ったけど……
それでも、他の人より多いほうだと思う。
……いえ。オナニーの申告数に疑いがあるわけじゃない。
そうじゃなくて、現状のオナニーの回数じゃ足りなくなるのでは、という話よ。
こんなに成人向け作品を見てたら……
おちんぽのムラムラが、追いつかないでしょう。
かといって、あなたの収入を考えると、これ以上オナニーを増やすのは難しいと思う。
一応、国税局に来てもらったり、あなたの家に行ったりするときに……
私の体を使ったラブハメセックスで、タマタマのおちんぽミルクを空っぽにはしてるけど……
それにも、限界があるもの。
普段は私にも仕事があるんだから。週に二度三度が限界。
……なに?
ああ。仕事、って言っても、監視とか、追徴射精をするような相手は、あなただけよ。
ただ、国税局の査察官には、他にも雑務が山のようにあるの。
それはともかく……
あなたの性欲は、一日も経てば溜まりきっちゃうでしょうから……
……このままの生活じゃ、あなたの性欲か貯金、どっちかが決壊すると思う。
そこで、あなたに確認しておきたいんだけど……
〝節精〟制度は使ってる?
…………。
……やっぱり。
そうだと思ったわ……。
少し待ってて。
〝節精〟っていうのは……要は、〝節税〟と同じことだと考えてくれればいい。
支払うオナニー税がお得になるような、節約のための制度が、この国にはたくさんあるの。
はい。これがパンフレット。
少し探しただけでも、こんなに量があるのよ。
例えば……一番有名なのはこれでしょう。
〝おなさぽ納税〟。
これは、オナニー税を、好きな自治体に向けて払うことによって……
その返礼品として、AVやアダルトグッズをもらうことができる、という制度よ。
あなたも聞いたことはない?
これを使えば、成人向け作品への支出を減らしながら、オナニー税の支払いにあてることができる、というわけ。
更に言うと……
この〝節精〟制度、ひいては〝オナニー税〟というのは本来……
国民のセックス回数を増やし、出生率を増やすためのものでしょう?
つまり……パートナーとのプレイをすれば、それを申告することでも、〝納税〟ができるの。
プレイはセックスが望ましいけど……別にセックスじゃなくても、〝お互いの体を使ったH〟であれば問題ない。
もちろん、申告には少し手続きが必要になるけれど……
お金を払わずに、色々と物品をもらうことができる。
ここが、〝おなさぽ納税〟の優れたところね。
あなたみたいな人にとって、使わない理由がないわ。
手続きは私もお手伝いできるから、してみない?
ええ。分かったわ。
じゃあ……早速、えっちなことしましょうか。
ええ。するでしょう? おちんぽヌキヌキ。
二人で会うときは、大体おちんぽミルクをぴゅっぴゅしてもらってるし……
その一回分のヌキヌキを、そのまま節精の申請に使うとしましょう。
いいわね?
……ちょうど、隣の追徴射精室が空いてるみたいだから、そこでしましょうか。
ええ。行きましょう。