■トラック1『無口で目つきの悪い後輩ですが』
;◆BGS 学園の屋上のBGS
;◆SE 屋上のドアが開く
;◆SE 足音が近づいてくる
;◆声 ダミーヘッド位置・9(正面・遠い)
【千歌】
「…………あ」
;◆SE 足音がもっと近づく
;◆声 ダミーヘッド位置・3(右・近い)
;◆SE 隣に座る
【千歌】
「ホント……来たんだ。相変わらず律儀な人ですね」
【千歌】
「お久しぶりです。お会いするのは中学の……卒業式以来ですか。
あれから、どうでしたか? ……いえ、ただの社交辞令です。先輩の日常に、興味とかは特にありませんので」
【千歌】
「……それより。先輩、癒やし部ってご存知ですか。
耳かきとか、ASMRとかをする部活です。そんなマイナーな部活、よく息してるなと言う感じなのですが」
【千歌】
「私、友人に誘われて。最近、そこに入部したんです」
【千歌】
「でも癒やし部の先輩とか、同級生が言うには、私の癒やしは硬すぎて、余りリラックス出来ないそうで」
【千歌】
「……あなた、中学の頃、好きでしたよね。
ASMR……みたいなヤツとか。耳かきの、音、とか。私はいつも、気持ち悪いなと思っていたのですが」
【千歌】
「……未だ聞いてる? そう。変わらないままなんですね。
いえ、表現は自由なので他我の嗜好も当然自由です。良いのでは無いでしょうか」
【千歌】
「そっちのほうが、私には都合が良いですし」
【千歌】
「それでは先輩。交換条件としませんか」
;◆声 ささやき
【千歌】
「……私が先輩に、耳かきとか、ASMRとかしてあげる代わりに。
先輩は……その、やり方? みたいな……アドバイス? みたいなヤツ。下さい」
【千歌】
「………………」
【千歌】
「なんですか。イヤなんですか? 小さい頃は、私と結婚するとか言ってたくせに。
中学の頃だって、私のこと、ほんのり好きだったんですよね」
【千歌】
「そんな女から耳かきしてもらえるんです。
気持ち悪い先輩としては、役得……と言うやつでは無いんですか?」
【千歌】
「……なんですか? その、物を頼むヤツの態度じゃないな、みたいな顔は」
【千歌】
「………、だって、しょうがないじゃない」
;◆小声
【千歌】
「……先輩、久しぶりで。どう接したら良いか、わかんないんだもん」
【千歌】
「大体あなたは丁寧で優しい女の子より、
塩対応気味で少々口が悪いぐらいの女の子の方が、好き……なんでしょう?」
;◆声 ささやき
【千歌】
「あなたの好きな女の子のタイプ……誰よりも知っているんですから。
イヤそうな顔していても……本心は…………バレバレ」
;◆声 ダミーヘッド位置・7(左・近い)に移動しつつ
【千歌】
「……私に膝枕されて、耳かき使って、あなたの汚いお耳の中、掘って欲しいんですよね?
いつもは塩対応の私に甘やかされて、とろとろになるまで甘やかされたいんですよね?」
【千歌】
「そのぐらい、私にはお見通しです。
何年あなたの後輩をやってると思うんですか」
;◆声 ダミーヘッド位置・10(右前・遠い)に移動しつつ
【千歌】
「それでは。そういう事で。放課後。うちに来て下さい。
……え? 学校で? 確かに癒やし部の部室は開いてるかもしれませんが、遠慮します」
【千歌】
「あなたと一緒に居るトコなんて、他の生徒に見られたら」
【千歌】
「……………………恥ずかしいので。
あなたがどうとかではなく、そういうの、無理」
【千歌】
「では放課後に。あ。鍵の場所は昔と変わっていませんので。勝手に入ってきて下さい。……では」