導入
(不意をついて襲いかかってくる勇者に驚く)
いらっしゃいませ~って、勇者様!?
(武器を振るSEと弾くSE)
(叱りつけるように)
もう、武器はしまってください!ここはれっきとした宿屋ですから!
(ここから当時のことを振り返りながら話し始める)
私、元々は魔王軍四天王・魔眼のメデューサ
なんて呼ばれていましたが、
戦闘は好まなくて、他の幹部の人たちも怖い人ばかりで、
ずっと辞めたかったんですよ。
もちろん最初は、魔王様と四天王の皆さんに引き止められましたけど、
四天王の皆さんを石化させたら
魔王様も取り巻きの方も黙ってしまって…
これ以上魔王軍に打撃を与えないことを条件に、
この場所を頂き、魔王軍を抜けたと言う[ゆう]わけです。
ここで冒険者様やモンスターたちの行き来を見てたんですが、
モンスターとの戦闘で傷ついた冒険者様がそのまま通っていく姿が
見ていられなくって
この場所を何[なん]にも使わず持て余すのも勿体無いですし
冒険者様たちを回復させるくらいならいいかなと思って、
宿屋を経営し始めたんです。
最初はメデューサのやっている宿屋なんて
誰も来ないだろうなって自分でも思ってたんですけど
この辺りの回復ポイントがここしかないみたいで、
今まで続けることができているんです。
(傷ついている冒険者のことを思い出しながら神妙な雰囲気で)
ここを超えるとこれまでより強力なモンスターがたくさん出てきます。
どうやら勇者様もヒットポイントが減っているようですし、
よければ休んで行きませんか?
この先に出てくるモンスターの特徴や、
対策などもレクチャーしてあげられますし
勇者様が損することは、何もないと思いますよ?
(3秒ほど間を開けて)
(明るく、楽しげな声で)
はーい、一名様ご案内です♪
ではお部屋に案内しますので、こちらへどうぞー
(ドアを開けるSE)
こちらが、本日勇者様にお泊まりいただく
お部屋になります。
ではまず、身につけているものを脱いでください。
あぁ、下着までは脱がなくていいですからね。
準備ができたらベッドに横になってください。