深化
(ここからさらにトーンを落として)
体の中まで液体で満たされているはずなのに、不思議と呼吸はできる
液体が、まるで揺り籠のように貴方の体を優しく包んで
さらに深いところへと
貴方を運んでいく
体に残っていた力が、周りを取り巻くとろとろとした
液体に吸い取られて、さらに弛緩していく
液体に心地よく包まれながら、沈んでいくと
何だか、考える力も抜けていく
この液体は貴方の体の力だけじゃなくって、頭の力も吸い取っていく
ほら、イメージして貴方の頭にある、思考力
が、脳みそのてっぺん、頭の先から
(じんわりにアクセントを入れて)じんわりと滲み`[にじみ]出て、
周りの液体へと、
とろ~っと溶け出ていく
溶け出て空いた隙間に、とろとろとした液体が入っていき、
奥の方からも溶けて、混ざり合っていく
とろ~り溶けて、混ざる
とぷとぷと沈みながら、混ざり合っていく
私の言葉がとろ~り混ざり合って、貴方の体に染み込んでいく
とろ~ん、と混ざって溶けていく
とろ~んって言葉を聞くたびに、頭がふわふわ、何も考えられなくなる
意識がとろ~ん、思考がとろ~ん、
心地よく聞こえる私の声と、貴方の頭がとろ~んと、混ざり合う
体の感覚も、とろ~ん
全部、液体に吸い込まれて、なくなっていく
とろ~んって言葉を聞くたびに、思考が混ざって溶ける
とろ~ん、とろ~ん
溶けながら、沈んで行く
もっと深くまでとろとろと、
言葉に身を委ねながら、深くまで沈んでいく
とろ~ん、とろ~ん
ずぶずぶと、沈んでいく。暖かい液体に包まれながら、
私の声に包まれながら
深くまで、とろけながら沈んで、いく。