4-1.『義兄から、春歌の“とある秘密”を黙っておく代わりに、体を要求されたら』
☆4-1
……いらっしゃい、お兄さん。
あ。好きなところ、座ってください。
今、コーヒー淹れますね。
少しお待ちください。
それにしても……
急に、どうしたんですか?
夫がいないときに来るなんて。
お父さんかお母さんに、何かありましたか……?
……そういうことじゃないんですか?
…………。
はい、どうぞ。
大したお茶菓子もないですけど……
…………。
あの。それで……?
……い。いえ。そんなことないですよ。
夫の兄なんですから……。
お兄さんも、私にとって大切な家族です。
……でも、なんで、そんなこと聞くんですか……?
なんでしょうか。
タブレット……?
……あ。
これ……
……だ。誰の、アカウント、ですか?
こ。コスプレイヤーさん、っていうんでしょうか?
お、お兄さん、こんな感じの方が、好みなんですか?
あはは……
…………。
い、いえ。これは、私じゃ……
……あ。
ほ、ホクロの場所……
それは……。
…………。
……はい。
そう、です。
昔、私が、コスプレイヤーやってたときの……アカウント、です。
お、夫は……
このことは……
……その。
ち、違いますっ。
確かに、かなり際どい画像も、あがってますけど……っ。
それは、若気の至りというか……。
……え?
そんなっ。
ファンの人とか、作家さんとかと、なんて……っ。
そんなこと、してません……っ。
う……噂は、ただの噂、です……っ。
……こ。今度は、なんですか?
この……え、えっちな、映像は……
え……AV?
私に、似てる……?
に、似てるかも……しれない、ですけど……
似てるだけ、です……っ。
こ、声も……
ただ、似てる、だけ……っ。
な……
何が、言いたいんですか、お兄さん……っ。
私に……
何を、させたいんですか……っ。