Track 7

4-1.『義兄から、春歌の“とある秘密”を黙っておく代わりに、体を要求されたら』

☆4-1  ……いらっしゃい、お兄さん。  あ。好きなところ、座ってください。  今、コーヒー淹れますね。  少しお待ちください。  それにしても……  急に、どうしたんですか?  夫がいないときに来るなんて。  お父さんかお母さんに、何かありましたか……?  ……そういうことじゃないんですか?  …………。  はい、どうぞ。  大したお茶菓子もないですけど……  …………。  あの。それで……?  ……い。いえ。そんなことないですよ。  夫の兄なんですから……。  お兄さんも、私にとって大切な家族です。  ……でも、なんで、そんなこと聞くんですか……?  なんでしょうか。  タブレット……?  ……あ。  これ……  ……だ。誰の、アカウント、ですか?  こ。コスプレイヤーさん、っていうんでしょうか?  お、お兄さん、こんな感じの方が、好みなんですか?  あはは……  …………。  い、いえ。これは、私じゃ……  ……あ。  ほ、ホクロの場所……  それは……。  …………。  ……はい。  そう、です。  昔、私が、コスプレイヤーやってたときの……アカウント、です。  お、夫は……  このことは……  ……その。  ち、違いますっ。  確かに、かなり際どい画像も、あがってますけど……っ。  それは、若気の至りというか……。  ……え?  そんなっ。  ファンの人とか、作家さんとかと、なんて……っ。  そんなこと、してません……っ。  う……噂は、ただの噂、です……っ。  ……こ。今度は、なんですか?  この……え、えっちな、映像は……  え……AV?  私に、似てる……?  に、似てるかも……しれない、ですけど……  似てるだけ、です……っ。  こ、声も……  ただ、似てる、だけ……っ。  な……  何が、言いたいんですか、お兄さん……っ。  私に……  何を、させたいんですか……っ。