01_ のんびりと二人旅♪
~馬車で移動中~
あ、お目覚めですか、勇者様。
ふふ、可愛らしい寝顔でしたよ。
久々の馬車での移動で私も疲れました。
本日はこの辺りで宿を取りましょうか。
ええ、このペースですとあと数日で王都に到着できるようです。
魔王さんを討伐した後、
パーティの皆さんを故郷まで送り届けましたから、かなりの長旅でしたね。
ん?
転移魔法があればすぐだったのにって?
ふふ、気にしていませんよ。
激しい戦闘でしたから魔力が消耗しているのでしょう。
でもよいではありませんか。
もう旅路を急ぐ必要はなくなったのですから。
それに…(隣に座る)
こうして2人でのんびり旅をするというのも…
悪くはないと思いませんか?
くす♪
(さりげなくボディタッチしながらねっとりと語りかける)
3年前、勇者様と一緒に王都を発って…
まだ私達2人で旅をしていた頃を思い出します。
あの頃は何もかもが新鮮で初めての事ばかりでした。
ええ、私は子供の頃から聖女様なんてもて囃されていましたから。
王都から出るどころかお屋敷から出ることも少なかったのです。
最初はお金が足りなくてお風呂のない宿屋に泊まったこともありましたよね。
それで喧嘩したりして…ふふ♪
でも、今思えば楽しい思い出ばかりかもしれません。
あ、宿といえば…
本日はこの街一番の、高級な宿屋に泊まりませんか?
ふかふかで広いベッドのある宿だそうです。
勿論、お取りする部屋の数は1つ…ですよ?
魔王さんを倒した後はかなり慌ただしかったですし…
夜、2人きりになれる時間もありませんでした。
随分と…溜まっておられるのではないですか?
そろそろ私に甘ぁくいじめられたいのではありませんか?
んー…ちゅぅ♪
ちゅる…ちゅぅ、れる、ちゅる、ちゅぱ、ちゅる、ちゅるる♪
ふーー♪
くす♪
やはり随分と溜まっておられるようですね。
どうされますか?
ふふ♪
相変わらず、こういう時は優柔不断なのですね♪
分かりました。
私が決めて差し上げます。
本日はもう宿屋に入ってしまいましょう♪
こんな昼間から宿屋に入るなんて…
他の方たちから見たらもう完全に…
そういうことだと思われてしまいますね♪
ふふ♪
おっと、私ったら♪
ここがまだ馬車の中ということを忘れておりました♪
さ、勇者様。
降りる準備をしておきましょう?
とても楽しみですね♪
ふふ♪