Track 5

Previous Track Back

エピローグ【魔王城その2】

[隊長]: レイダ様。 第276代目となる勇者一行が、我らが城へ向かっているとの、報告を受けております。 [魔王]: そうか、意外と早かったのう。 先代の勇者は出来あがっておるか。 [隊長]: はっ。 みずからを魔族の一員であると信じ、疑っておらぬようです。 さらにわが軍に仕える忠誠心も、中々のものでございます。 [魔王]: ふむ、夢魔(むま)のしつけが良かったようじゃな。 生かしておいた甲斐があった。 もし無事に帰還(きかん)できたら、一晩中可愛がってやろうかのう。 ふふっ。 《ミリアのほうへ向く》 歴代の勇者から精鋭を招集し、殲滅(せんめつ)に向かわせるのじゃ。 [隊長]: はっ。 必ずや一網打尽にしてみせます。 [魔王]: まつのじゃ、ミリアよ。 将軍への言付けは、わかっておろうな。 仲間を殺し、勇者だけを入城させるようにと。 [隊長]: 御意(ぎょい)にございます。 では、私は手回しをして参ります。 [魔王]: たのんだぞ、ミリア。 《ミリアが消えるのを見届ける》 おろかな人族(ひとぞく)めが。打つ手もなく次から次へと…。 異世界から勇者を送り込む物量作戦で、わらわを倒せるとでも思うたか。 帰らぬ勇者どもに返り討ちに遭(あ)うなど、想像さえしておらぬじゃろうな。 ふふふ…。 この魔王レイダ、汝(うぬ)ら軟弱な人族(ひとぞく)などに、負ける気はしない。 永遠にわらわの手のひらの上で、踊り続けるがよい。 ふっ、ふははは、ふはははははははっ。

Previous Track Back