・1章:主人公、攫われる 〜プロローグ〜
【1章_主人公、攫われる ~プロローグ~】
◆桃子:【正面・近】
はぁっ…はぁっ…
(SE:ふすまを開ける音)
はぁっ…はぁっ…オババ様…!
アイツが「ヘコキの里」に連れ去られたって…本当…ですか!?
う、嘘ぉ…
このままじゃアイツが、
ヘコキの里の「屁こかれ奴隷」にされちゃうぅ…!!
(ナレーション)
私の名前は桃子、ゲップの里に住んでいるくノ一見習いです。
「アイツ」というのは幼なじみである私の恋人のことで、
昨日の夜におつかいに行ったきり消息が途絶えていました。
そして今朝の知らせで、
数年前から「ゲップの里」と対立している、
近くの「ヘコキの里」に捕らわれたことが分かったのですが、
その村には恐ろしいうわさがあります…
それは、捕らえたものに屁を嗅がせることで興奮する…
「屁コキババア」という里の長がいることです。
屁コキババアの屁はあまりの臭さに、
今まで何人もの犠牲者を出していると言われており、
「ヘコキの里」に捕らわれた者で、
今まで生きて帰れた者はいないそうです…!
アイツを…アイツを私が救わなきゃ…!
(ナレーションここまで)
オババ様…!私、アイツの事助けにいってきます…!
(再びナレーション)
こうして私はいてもたってもいられず、オババ様達の静止を振り切り、
ヘコキの里へと単独で乗り込むのでした…!
(ナレーションここまで)