■01.プロローグ
ここは薄暗い部屋の中。
あなたは生まれたままの姿でここに立っている。 少しジメジメしているのに、ひやりと涼しい。
肌から得られるアンバランスな情報が背筋をぞくりとさせる。 でも、それ以上にあなたの心を乱すのは、目の前に置かれている金属の塊。
それは女性の姿をかたどっており、閉じられた目からはどのような感情も読み取ることはできない。 生命の宿っていない鉄の女性、アイアンメイデン。
拷問、あるいは処刑に用いられる器具であり、恐怖の対象。 しかし、あなたは女性の造形美に魅せられ、目が離せない。
空寒い部屋の中で、膝が癒しくカクカクと軽く軽憐する。 善良で身体をほてらせつつあるという変態的な行為が脳を甘く愛嬌した。
ごくりと生唾を飲み込み、あなたはアイアンメイデンに一歩歩み寄る。 床の冷たい感触が足裏に伝わり、背中にキュンと心地よい寒気が走った。
そして、より近づいた状態で、彼女をじっと見つめる。 すると…アイアンメイデンの扉が勝手に開いた。
中から生温かい熱気がもわっと吹き出し、あなたの素肌に触れ、染み込んでいく。 冬場に湯船の中に入った時のように、ゾクゾクと身を震わせる。
ただただ、甘美な熱気に全身を心地よく震わせている。 でも、それ以上にあなたが一番興味を惹かれたのは、アイアンメイデンの内部。
彼女の内部は、無数の触手でみっちり。 ある触手は、粘着質な汁を垂れ流しながらじっくりとまた打ち回っている。
また、ある触手は、まるでブラシのようにびっしりと生えそろい、風に揺られるように蠢いている。 ピンク色の湯気の中で、無数の触手が切なそうに主張しているのだった。
ここに身を投げ込めば、温かくいやらしい触手に全身を愛物される。 そう考えた瞬間に、脳みそがどろりととろける。
理性や思考力が濃厚な精子のように滴り落ちる。 ペニスに甘く痺れる快感が広がっていく。
この湯気には、威厄効果があるのかもしれない。 熱気に当てられただけで、じゅくじゅくと性欲が誘われるように高まってしまう。
これはアイアンメイデン。拷問や処刑に使用されるための器具。 それが、がま口を開けてあなたを待ち望んでいる。
絶対に入ってはいけない。 スケベな欲求で塗り替えられていく頭でも、それだけはわからない。
でも、今も脳みそは溶けていく。 見るだけ、観察するだけなら問題ない。
そう、このただいやらしい内部をじっくりと見るだけ。 それなら、何の問題もない。
あなたはアイアンメイデンのひわいすぎる内部構造を覗き込んでしまう。 まるで人ひとりがちょうど入るような空間になる。
触手で埋め尽くされた内部には、人の形をかたどったかのようなスペースがあった。 でも、どう考えても、実際に人が入るには厚みがない。
開かれた扉を閉じたら、きっと前後から触手が体にめり込むことになるだろう。 ぐちゅーんと、触手にサンドイッチされることは確定的。
数少ない隙間を埋めるように、全身をくまなく触手が覆いつくすに違いない。 人間が入ることが前提の隙間があるということが、アイアンメイデンの小悪さを浮き彫りにしている。
それに、そのスペースの形。これがひどすぎる。 大命。ここに入るなら、情けなく股を開いたポーズを強制される。
敏感すぎる股間を無防備にさらす格好。 そんな、蜂以外なんでもないことはできない。
そう、できない。できない。 でも、体がいやらしく疼く。
じゅくじゅく。じゅくじゅく。 肛関がじんばり熱を払う。
甘く痺れる。 快楽づけにされた生き物のように、さらにこびはじめる。
ペニスが徐々に勃起していく。 むくむくと恥ずかしい勃起過程を、アイアンメイデンの前でさらしてしまう。
恥ずかしい。情けない。 でも、あなたはまだ、アイアンメイデンの中を観察する。
うねうねと、いやらしくうごめく触手。 それだけでも脳とペニスを堕落させていくというのに、
より致命的で隠蔽な特徴に目が行ってしまう。 扉側の内側。ちょうど、しくびに当たる部分には、アツライタカのように二つの穴があった。
渦巻き状になった触手の群れ。 時々、ひくひくと下品に脈動するそれは、卑猥だった。
ここに生還体の乳首をくわい込まれたら、何をされてしまうのだろう。 きっと、両方の勃起乳首は、徹底的に触手で吸い尽くされ、
母乳が出るようになっても決して許されない。 胸痛に甘い快感が集まってくる。
そして、ついに、あなたの乳首がピンと固くなる。 心もない処刑器具を前に、乳首を勃起させてしまった。
恥ずかしい。恥ずかしい。恥ずかしい。 でも、ペニスはガチガチで、我慢汁がとろーっとこぼれる。
このままアイアンメイデンの前にいるのは危険だ。 分かっている。でも、あなたはアイアンメイデンのある箇所。
中に入った時に、股間が密着する場所を目にしてしまう。 一際太く揺らめく触手。玉を、樹脂なぎにしたような造形。
これは、何かの穴に挿入し、前後に動くことが本能的に理解できた。 自分は女の子ではない。おまんこなんてついていない。
あなたのアナルが、いくりと疼く。 この卑猥なアナルパールに、前立腺を刺激されながら、
甘く痺れるようなピストンをされたら、きっと、アナルが、
軽くパクパクとインラン女のおまんこのように、こびを売り出す。 そして、我慢じるが糸を引きながら、床へ伸びていく。
今もねちっこく、隠秘な熱気は、あなたの全身を蝕んでいる。 乳首とアナルを攻め立てる作り。
ここまでくれば、当然ペニスを刺激する場所も。 見てはいけない。見たらもう戻れない。
でも、見たくて見たくて、頭がどうにかなってしまいそう。 見てしまった。これは、肉でできたオナホール。
筒状になった部位の内部は、細かな触手で埋め尽くされている。 ああ、ここで刈りくぼうとして、アナルの体を刺激させる。
アナルの体を刺激させる。細かな触手で埋め尽くされている。 ああ、ここで刈り首や裏筋を、余さず舐め回されたら。
ペニスの疼きが限界に達した。 あなたは完全にアイアンネイデンの虜。
脳みそは快楽だけを欲し、その他のことは何も考えられない。 もう、お人形さん。
アイアンネイデンに背を向けるようにして、ゆっくりとその内部へと体を傾け始める。 温かい触手に、すべてを捧げていく。
そう、アイアンネイデンの餌食のある未来を確定した。