Track 1

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私赤だよ

お、おかえりっおかえりぃっーなさい、なんだよっ! あ、ちょっと、待って、待った! そのままドア閉めないで! 今、自分で鍵開けて入ってきたでしょ、ここは君の家なの、そそ、とりあえず入って、奥までぐぐっとなんだよぉ~。 はい、おかえりなさい♪ ぎゅう~ くんくん、すんすんっ…すんすんっ、すはぁ~♪ う~ん、君の匂いなんだよぉ♪ この匂い、安心なんだよぉ~、ほらほら、いつも帰ってきたら、こうして抱っこしてくれるでしょぉ~、うりうり♪ 疲れてるのか…って、そりゃ君は疲れてるけど、そうじゃないんだよっ。 ほら見てみて~、ぴんと立った髪の毛は三角お耳のよう! そして、このきゅーとな、長くてもっふもふのしましま尻尾! うん、私は赤(あか)。 君とずっと一緒に生きてきた、レッサーパンダのぬいぐるみ、「赤」なんだよっ♪ …あ、いやいや…夢じゃないんだよぉ、ほらほら、ふりふり…もふもふ尻尾の、ここんとこ。 君が赤ちゃんの頃、ここばっかり、はむはむもしゃもしゃしてたせいで、何回お風呂入れてもらっても、元通りにならないんだからっ。 ほらほら、もしゃもしゃ、君のお口にジャストフィット。 これでもまだ信じない? 私の名前、赤…お父さんがレッサーパンダの別名がレッドパンダだから、赤にした…これでどう? んふふ~♪ こんな姿になれたのはねぇ…君がいない間、ベッドにちょこんって座ったまんま見る壁にも飽きて、動けたらなぁ、君とお話したいなぁって思ってたら、なんか、白い服で手にしゃもじみたいなの持って、にゅーって長い帽子被った…そうそう、烏帽子に勺! で、見た目は小学生女子なんだけど…その人が、天井からすーって出てきて、そんなに願うなら、お前もよく生きたし、付喪神っていうのにしてやろうって。 そ、れ、で、こうなったんだよ、ん~ぎゅ~ぎゅ♪ いいこいいこ~、あぁ~ずぅ~っと、こうしてあげたかったんだよぉっ♪ むむ…身長ちっさいくせに、おねえさんぶってるって、私は君よりお姉さんなの! 君が生まれる前に、君のために、お母さんが私を買ってきたんだから、おねえさんなんだよっ! ほら、ぎゅーぎゅー、ぎゅう、おねえさんの包容力♪ うん、思いだした? 忘れるわけないよね…ずっと傍にいたんだから…この匂い、この毛並み♪ …落ち着いたら、おかえりなさい、だよ♪

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