出会いのキス

　あっそこのお兄ちゃんお兄ちゃん。ちょっといい？　あのーボクね、パラノンって言うの。それでね勇者を探しているの。ねっ、お兄ちゃんは知らない？　ほら……勇者……うん勇者。とにかくボクは勇者に会いたいのぉ……ねっ。ん……じ～～～っ……ほらお兄ちゃん……ボクの目を見て？　じ～～っ……じ……じぃぃ……。 　ほら……正直に話して？　ボクの前ではみんな嘘つけないんだよ？　ねっ？　お兄ちゃんが勇者を知っているのか……それともお兄ちゃんが勇者なのか無関係なのか？　ほぉら……見てぇ？　ボクのす～～～って吸い込まれそうな瞳……。ボクを……可愛いボクを好きになる。 　マインディアで最も可愛くて魅力的なボク……。好きになる好きになる好きになるぅ……。ふふ……ほらもっとぉ……んふっ♪　見てぇ……お兄ちゃん。このほっそりとしてぴちぴちはじける肉体……♪　そんじょそこらの女の子とはまるで違うんだよぉ……。 　常軌(じょうき)を逸(いっ)した……空前絶後の可愛さ……。可愛いの二乗にパラノンちゃんを甘くデコレーションにふんわり盛りつけたぐらいの可愛さなんだよぉ……。ルビーっていうかエメラルド……キラキラ光る宝石を全身に身につけたような……そんな次元を超えた……。 　だからみんなボクを好きになる……好きになるったら好きになる～。誰しもがボクの可愛さの前にひれふす……。ねっ、ボクってそういう存在なの。豪華な運命の天秤にのせられた、奇跡のプリンセス……それがパラノンちゃん……。ねっ……お兄ちゃん……ボクのこと……もう大好きでしょ？　ねっ……ねっねっねっ……。 　好き……大好きぃ……ボクの顔……好きぃ……。見つめて……ほら。究極の黄金比に満ち満ちたあどけな～い小顔……。ぷるぷるのピンク色で、思わずちゅって吸い付きたくなるような甘い唇……。そして全ての存在を魅了する妖しい輝きを放つ愛くるしい瞳……。ぴちぴちってお水をはじいちゃうぐらいのしっとりすべすべのお肌……。 　うん……このさらさらの髪も……つんととがったお耳もチャームポイントでねぇ……。うぅん……あぁお顔だけでもこれなのにぃ……手も腕も足もお尻も胸もなんでもかんでも最高なのぉ……ボク最高なのぉ……♪　あ～ん自画自賛しちゃう～♪　でも誰からも否定されない……それがボクぅ……♪　可愛いボクぅ……♪ 　ああすごいすごい……ボク自分にうっとりしちゃうぅ……♪　……はっ、ああごめんねお兄ちゃん……。ボク自分が可愛すぎて好きすぎてぇ……たまにこんな風に自分に酔っちゃうのぉ……♪　でもそれとっても気持ちいいからぁ……自分で自分をぉ……欲情するみたいに変な気持ちにぃ……ボクとってもナルシストで倒錯してぇ……んふっ♪ 　ふふ……ねぇお兄ちゃん？　ぼーっとしてちゃ駄目だよぉ？　いくらボクが可愛すぎるからってぇ……。ねっ、質問に答えて？　お兄ちゃんは勇者？　それとも違う？　ん……ほらお兄ちゃん……ん……答えてぇ……。早く答えないとぉ……ちゅーしちゃうよ？　ほら……ん…………ん……ちゅっ♪　ちゅっちゅっ♪ 　んんっ♪　あ～んボクお兄ちゃんとちゅーしちゃったぁ♪　ふふ……これでお兄ちゃんはもういっかんか～んの終わりだよぉ？　ボクにちゅーされたら誰でもドッキドキのメロメロだからねぇ……。んまぁ、普通の人間さんがぁ……ボクの魅力にあらがえるわけはないんだけどねぇ……ふふっ♪ 　ん……ほらリアリティを吸い出してあげるねぇ……。勇者とか勇者でないとかもうどうでもいいよ……。ボクが好き。好きになっちゃった……。この狂おしい気持ち……。ボクの虜……永遠に……はなれられない……。一度キスしただけで……むちゅって唇を合わせただけで……。 　その一度きりの行為が……運命の分かれ道なんだよ……。お兄ちゃんはボクに導かれちゃった……。ふらふらってあり地獄に誘い込まれちゃった……。あま～いあまい匂いのする蜜の罠にね……。ほら……ちゅっ……むちゅっ♪　むちゅむちゅ……むちゅむちゅむちゅ～～～ん♪ 　んっ……もっと唇の柔らかさを感じて？　二人で共有……んっ……んん……そう、その柔らかさ……ボクが思い浮かべる理想の唇……。今つながった。可愛いボクと……んっんっ……んんんん……んぶ……んちゅ……んっんちゅっちゅっちゅっ♪　ちゅっ、ちゅちゅっ……んんちゅっちゅっちゅっ♪ 　んっ……ほらぁ……どんどんキスが激しくなっちゃうよ？　ボクってキスがとっても好きなのぉ……♪　お口でちゅ～～ってするのって一番感じるからぁ……。ボクの大好きなお顔……まっすぐ正面で……好きになる好きになる……。唇を通して言霊(ことだま）でぎゅ～～って結合しちゃう……。 　んっ……ちゅっ……ちゅぷ……ちゅぶぶぶぶ……。ほらぁ……どんどんやらしく舌もからめちゃうんだよぉ……。ボクの細長い舌もすごくいいんだよぉ……。ほらお兄ちゃんも舌をん～～～って伸ばして？　ねっ伸ばしてぇ……んっ……れろれろ……伸ばしてぇ？　ほらぁ……んっ……ちゅっ……ちゅぷ……ちゅぶぶぶ……。 　んっ……あんいいよぉ……。その舌ぁ……この唇でつまんでぇ……んっ……んぶ……ん……んん……。ほら食べてあげるぅ……お兄ちゃん……。舌もっとおくにぃ……おいでぇ……んっ……おいしい……んちゅっ♪　もっとリアリティ……食べたい……甘いお汁がじゅわっとぉ……それ一番好きぃ……好きなのぉ……脳ミソじゅんわりするの好きぃ……。 　んちゅ……んぶぶぶぶ……んちゅ……ちゅっちゅっちゅっ♪　好き好き好きぃ……好き……。もっと好きになってぇ……もっともっとぉ……ボクのこと好きになればなるほどぉ……心の奥にたまったカチコチのリアリティ……溶け出してくるからぁ……んっ……ねっ……もっと欲しいのぉ……来てぇ……んっちゅっちゅっ～～～ちゅぷぷぷ……ちゅっ♪ 　 　好きぃ……大好き……ボクのこと好きぃ……。世界にお兄ちゃんとボクの二人だけぇ……それぐらい好きぃ……何もいらない……ひっしり愛しあう二人。ほら……お兄ちゃんの心にガリガリひっかかる永久凍土(とうど)ぉ……ボクのラブラブ唾液ジュースで溶かしてあげるぅ……んっ……ほらぁ……れろぉ……飲んでぇ……お兄ちゃん……ボクの煮えたぎる唾液……。 　これをねぇ……んっ……んっ……ほら美味しいでしょう？　これ飲むとぉ……普通じゃ考えられないくらいに共有できちゃうのぉ……つながるっていうかもうボクになっちゃうぐらいに……ほら……んっんん……んぁ……。もう何も考えなくていいんだよぉ……んっ♪　ちゅ……ちゅぷ……幸せぇ……すごく幸せ……。ボクが大好きでぇ……んっんっん……。 　ほら来るよぉ……来ちゃう来ちゃう……。お兄ちゃんの冷え切ったカチコチに熱いお湯がかかっちゃう。ボクのリアリティがお兄ちゃんを包み込んでぇ……ほら……ほらぁ……溶ける……溶け出しちゃう……んっ……んん……んんん……あん……すごい……ん……こんなにいっぱい……んっ……んん……んっ♪ 　んぶ……んぶぶ……はぁ……おいひ……んっ……こんなにリアリティどばどばぁ……んっ……あん絶対こぼさないようにしなくちゃぁ……んっんっんんっ♪　お兄ちゃんの大切なリアリティの結晶……ボクの中にぎゅっと閉じ込めて……ほらぁ……もっともっとぉ……魂まです～～って抜けるぐらいに溶けてぇ……んっ♪ 　んちゅ……んちゅ……んっ♪　ちゅっ♪　ちゅっちゅっ♪　れろ……れろれろぉ……♪　もうボクしか見えなぁい……世界はパラノンちゃんに染まるのぉ……それが真実なのぉ……♪　ほぉ～ら一気に激しく吸っちゃうよぉ……？　んっ……これぇ……お口で射精しちゃうんだよぉ……んっ……。 　ちゅぷちゅぷされてるとぉ……全身ぴりぴり共鳴してぇ……オチンチン知らない間にぴゅっぴゅっするのぉ……んっんん……んんっ♪　お口とオチンチンはつながってるのぉ……気持ちいいからつながってる。んっ……んん……ちゅぷちゅぷ……じゅぶぶぶぶぶ……じゅぷっ……ちゅぷちゅぷちゅぷちゅぷぷぷぷ～～～～～～っ♪ 　ほらぁ……全部吸っちゃうよぉ……んぷぷぷ……じゅぶぶぶ……。すっごい激しいバキュームキッスぅ……んんっんんんっ！　んぶぶぶっ！　んちゅぷ……んちゅぷぷっ！　ちゅぱちゅぱちゅぷぷぷぷ……ちゅぷっぷぷぷぷっ！　ちゅっぷ～～～んちゅっちゅっちゅっちゅ～～～～んっ♪ 　んぶ……ほら溶けちゃうでしょう？　唇えぐれちゃうぐらいにぃ……心がぐんにゃり柔らかくほわんほわんにぃ……ほら実体が保てなくなってくるぅ……ん……ちゅぷ……。このまますわれ続けちゃったらいけない……。んっ……でもやめられない……。パラノンちゃんだからぁ……世界で一番可愛いパラノンちゃんだからぁ……♪ 　んぶ……リアリティささげたぁい……ボクのためぇ……ちゅっ♪　ちゅ……れろれろれろぉ……もう駄目ぇ……虜になる……。虜になって……好き好き好き好き好き……。好きが止まらない……好きっ♪　大好きっ♪　ちゅっ♪　むちゅっ……。キスするたびに好きになるぅ……。天文学的に大好きになる……。言葉では言い表せない……とっても貴重な好きなのぉ……ちゅっ♪ 　むちゅっ……んむ……。んぷ……んれろぉ……ん……んっ……ん……いつくしむような優しいキス……好き……。……んっんっ……んぶぶぶっ！　んちゅぷぷぷ……ん……んぶぶぶ……んちゅ……んんん……んちゅ～～～～っていう激しいキスも好き……。ちゅっ……ちゅっ……ちゅ……ちゅぅ……ちゅっちゅっちゅっちゅっ……むちゅっ♪　小鳥のようについばむようなキスも好きぃ……。 　んっ……んちゅ……んっ……。キスは万華鏡のよう……。やり方によって千変万化(せんぺんばんか)にころころ景色を変えちゃう……。んっ……ちゅぷ……んんんっ……んんん……。すごく綺麗……とってもロマンティックで官能的な……ちゅっ♪　甘いチョコレートみたいなキスキス空間……ちゅっ♪ 　キス大好きぃ……ちゅうちゅううするの……好きぃ……ちゅっ……ちゅっ♪　終わらない……好きだからぁ……ちゅっ♪　んっ……そしてこのキス空間はぁ……ボクだけじゃ完成しなぁい……。お兄ちゃん……お兄ちゃんがいるから……。ボクの大好きなお兄ちゃんがいるから……ちゅ♪ 　ねっ……この一面の雪景色にひっそりと咲くボクっていう一輪のお花……。そのキャンパスにお兄ちゃんの熱い絵の具で色とりどりの景色をえがいて欲しい……ちゅっ♪　ちゅっ……ちゅっちゅっ♪　うん……お兄ちゃんならできるよ……だってボクが選んだから……ちゅ……理想の伴侶(はんりょ)だよぉ……。 　ちゅっ……ねっ……ちゅ……ちゅっ♪　甘いキス……固く通じ合うその先に……真の理想郷は存在する……。このマインディアにおいて、数奇(すうき)な運命を飛び越えた……。ほら……来て……こっちこっちぃ……もっとぉ……目を開いてボクを見てぇ……んっ……ん……ちゅっ♪　ちゅっ……ちゅっ♪ 　そう……気持ちいい……頭のてっぺんから足の先まで気持ちいい……。一箇所だけじゃなく……全身で感じて？　ほらボクも体全体で感じるから……。電流がびりびりってショートするみたいに……キスから伝播(でんぱ)してすみずみまでしみわたる……んっ……ちゅ……ちゅっ……ちゅぷ……んっ……ほらいくよぉ……全身でぇ……溶解……爆発するみたいに……膨大なエネルギー。リアリティの躍動……。 　それはどんなものよりも崇高でかけがえのない……んむっ♪　んっんっんっ！　ほらっ……吸い取ってあげるぅ……んっんっんっ！　ちゅっ……ちゅぷ……ちゅっちゅっちゅっ！　ちゅっ～～っ！！　んっ……ほら全身で射精してぇ……んっんっ……。リアリティをボクに全部ちょうだぁい……ほらボクにぃ……んっんっ！　んん……んっんっちゅんぅ……。 　あ～んすごく甘いのとろけるの……んっ……あんイッてるのぉ？　気持ちいい？　うん絶対気持ちいいはずだよね？　ボクに食べられてお兄ちゃん本望(ほんもう)だよね？　んっ……んっ……ん……大丈夫……欠片いっぺんも残らずしゃぶってあげるからぁ……安心してねお兄ちゃん……。 　んっ……ちゅぷ……じゅず、じゅずずずず……。う～んとろとろもちもちの触感……。このくみくみした感触たまんな～い♪ んっ……あむ……あぐあむはむはむぅ……んもぐ……リアリティおいしい……舌の上でさらっととろけてこってりしたのが広がるのぉ……。んぅおいしいおいしいおいしぃ～ん♪ 　はぁ～んボクの綺麗な肉体を構成するための栄養にぃ……骨血液内臓にすみずみゆきわたるまで満たされるのぉ……美味しい美味しい……これがぁ……本当の共有♪　ん～んっはむぅ……んぐむぐむぐぅ……んっんっ……はむぅ……はむはむはむはむ～～～っ♪ 　んぅ……ふぅ……はぁ……あ～食べた食べたぁ……。あっ……結局このお兄ちゃんが勇者かどうかわからなかったぁ……。んまぁでもどうでもいいか。ボクが可愛い限り、きっと勇者も存在し続けるからぁ……それレッツゴーゴーゴー♪　きゃふっ、きゃふふふふふ……♪