Track 6

返り討ち

 あ……勇者様おかえりなさい。きっとまた来てくれると信じていましたわ……。あっ……まぁ……なんて大怪我を。ああ大変大変さぁ今すぐにこの泉につかるのです勇者様……。ん……もう何を躊躇(ちゅうちょ)しているのです。服を脱がなければ効果的に傷を癒せませんわ……。ほら脱いでください……。ほら……ふふっ♪  もっと泉の中に入って……そう。とぷん……とぷん……。腰までつかっちゃいましたね勇者様……ふふっ♪ ん……あ……さぁ私が抱きしめて癒してあげます……大丈夫……恥ずかしがらないで? 私のオーラが勇者様の傷を治すのですから……。んっ……ぎゅう……ぎゅ……♪ むぎゅ……ぎゅう……ふふっ♪  どうですか? とてもいい気持ちでしょう? もっとこの気持ちのいい空間に身をゆだねてもいいのですよ? 水……飲んでください……ごく……ごくごく。甘くて美味しいでしょう? この水を飲めばなんどでも勇者様は元気になれますわ……。ん……ふふ♪ それにしても勇者様。どうしてこんなひどいお怪我をなされたのですか? よかったら私に聞かせてくださいな……私にできることなら何でも……。  恥ずかしがらなくてもいいのですよ? 勇者といってもかよわい人の子なのですから……。くじけそうになった時は何でも話してくれて……。え? なぁに? うんうん……魔王城二階まで行って、部屋に入ったら毒ガスが充満してて……逃げた先には落とし穴があって……まぁおかわいそうに勇者様。よしよし……。魔王は極悪非道の愚か者ですね。自分の力に自信がないからああやって館に罠をたくさんしかけているのですよ。ふふ……見掛け倒し、にせものですよ、魔王なんてのは……。  さぁ……それではいらっしゃいな勇者様。その疲れきった体と心を優しく包んであげますわ……♪ はい……動かないで? ん……むに……むに……ふふっ♪ どうですか私のおっぱい……♪ とても大きくていいでしょう? 裸になって水の精霊と二人で抱き合って……。いいのですよ今だけは勇者様……。私が勇者様の大切な人になりましょう。私の大切な私だけの勇者様……。  ん……ちゅ……んっ♪ ほらどうして逃げるのですか? キスで勇者様の体に溜まった邪気を吸ってあげているのですよ? 魔王城で汚い空気を吸いすぎているのです……。だから私が……んっ……んむっ、んむ~~~~っ、ちゅぱっ♪ ちゅっ……ちゅぷちゅぷちゅ……んっ……ちゅ~~~っ♪   ぷはぁ……ふふ♪ どうですか? 胸の中がすっきりとするでしょう? 息を吸って……吐いて……す~~~っ、は~~~~っ♪ 気持ちを楽に楽~~にしてください。勇者としての正義の心を忘れてはいけませんわ……出ないと闇の力に心を虜にされてしまいますもの……。勇者様も注意してくださいね……甘い話で勇者様を誘惑したりする者達がいますから。人の弱みにつけこんでもてあそぶ危険な輩(やから)です。……ですが私のこの優しい水のオーラをまとっていれば大丈夫です。私がいつでもそばにいます。私の愛をいつでも感じることができます。私を……私を♪  あっ……もう行くのですか勇者様? またご武運を祈っていますわ。……ん、あっ待ってください勇者様。私、勇者様のために送りものがあります。それはですね……これです。はいこれがあればいやらしい魔王城のトラップもなんのその。水の精霊印の特製水晶玉です。もちろんこれもただです、それに何回つかってもなくならないので安心してくださいね♪ それでは頑張ってくださいね勇者様……ちゅっ♪