第一話 旋風の風紀委員
舞台は放課後部。ネル子と出会わなかった世界線のおはなし
今日も主人公の部長は放課後部でダラダラと過ごしていました。
そして放課後部の部室前一人の女の子が一人
フー子 「ここがさっき指導した生徒が言ってた放課後部か・・・・・・本当にここなのか?表札の一つもない」
没収したマンガ本を開くフー子
フー子 「む、それにしても、学校にマンガ本を持ってくるなんてけしからん」
ページをめくるフー子
フー子 「『かるゆり』の最新刊か・・・・・・。相変わらずねもり先生は絵柄がかわいいな、ちょっとだけ、見分してみるか」
ページをめくるフー子
フー子 「ふふ、最新刊でもハッカリンは不遇だな。だがそれがいい・・・・・・はっ」
パタンと本を閉じるフー子
フー子 「何をやっているんだ私はー。もしこんなマンガ本を風紀委員の私が楽しそうに読んでいるのを誰かに見られたらそれこそ示しがつか」
ドアが開く
フー子 「うわっ!び、びっくりした。だ、誰だキサマ!」
主人公 「誰だって、ここの部長だけど」
フー子 「ここの部長・・・・・・やはりここが放課後部なのか!?」
主人公 「そ、そうだけど。あなたは?」
フー子 「む、見てわからないか、風紀委員だ。ちゃんと右腕に腕章をしてるだろう。ほら」
誇らしげに腕章を見せるフー子
主人公 「風紀委員が何か用ですか?」
フー子 「ふん、聞きたいことがある。このマンガ本はお前が貸したものか」
主人公 「げ、さっき友達に貸したかるゆり・・・・・・」
フー子 「どうやらその反応はそうらしいな。この放課後部とやらを見分させて貰う。入るぞ」
主人公 「ま、待て」
フー子 「何故止める?その態度、ますます怪しい・・・・・・邪魔立てするなら、容赦はせん、抜刀!」
木刀を抜くフー子
主人公 「ぼ、木刀!?」
フー子 「愛刀『摩剄首羅(マケイシュラ)』私は風紀委員だから帯刀を生徒会長から許可されているのだ。すごいだろう!」
またまた誇らしげなフー子
※ちなみにこの学校の生徒会長『も』バカです。
主人公 「そ、そうですね。わかりましたから(危ない奴なのかこいつ)」
刀をしまうフー子
フー子 「わかればよろしい。では見分させてもらうぞ」
フー子中に入る
フー子 「な、なんだここは、テレビにゲーム機、マンガ、キサマ・・・・・・どこが部活だ」
わなわな震えるフー子
主人公 「あ、そ、その」
歩くフー子
フー子 「部活といえば、学業では成し得ない自己実現のための活動、それをこんな、娯楽物で埋め尽くすなど言語道断・・・・・・ん?これはまさか」
床に落ちていた一冊のマンガ
『魔法少女まのかマギカ』を見つけ拾うフー子
フー子 「これは・・・・・・」
フー子 「これはアレだろう、まのかマギガ。そのマンガ版!おぉ、アニメと少し絵が違う!む、こんな学舎にあるまじき娯楽物があるとは不謹慎だ、見分するから待て」
ペラペラとページをめくり読みふけるフー子、見守る主人公
フー子 「こ、これが噂に聞く『まのマギ』、絵柄はひたまりだけあってかわいいな。ふむふむ、本当に最初は普通の魔法少女モノみたいなのだな、あ、さゆかが出てきた。確かアニメ誌によれば魔女化するとか、うーん、信じられん。お、マムさんも出てきた、彼女も」
だんだんフェードアウトする
本を閉じる
フー子 「ふぅ、おもしろかっ、ち、違う、こんなもの学校に持ち込むな!」
主人公 「は、はぁ。好きなんですが、まのマギ?」
フー子 「馬鹿者!わ、私がこんな欝魔法少女マンガに興味があるわけないだろ!?仮にも風紀委員だぞ、私は」
主人公 「その割りには二十分程読んでましたよね」
フー子 「え、その割には二十分読みふけっていた? そ、それは、より正確で公正な見分を行うためにだな」
主人公 「アニメもありますよ」
フー子 「な、何、アニメもあるのか?」
ブルーレイを発見する
フー子 「こ、これはブルーレイ!」
主人公 「もちろん大画面で高画質」
フー子 「大画面で・・・・・・高画質、なん・・・・・・だと、き、キサマ、ば、買収する気か」
主人公 「いえそんなつもりは全然ー(ニヤニヤ)」
フー子 「どうすれば、くそう、こんなことに屈してはうぅ。落ち着け、風紀委員うろたえない!うぅ」
主人公 「まぁ、お茶でも飲んで落ち着いて」←暇なのでお茶してた
フー子 「え、お茶でも飲んで落ち着いて?あ、あぁ、すまないな」
お茶を飲むフー子 すかさずボタンを押してブルーレイを再生する主人公
フー子 「ふぅ、美味しかった。ところで、何をしているキサマ、え、まさか、まのマギのブルーレイを再生する気なのか。や、やめろ、わ、私は全然見たく・・・・・・」
アニメ再生開始
フー子 「うわぁ、動いてる、まのかが動いている。アニメ誌で見たキャプより断然かわいいな、おぉOPは魔法少女らしくかわいらし、何故止めるキサマ!続きを見せ」
一時停止をしてニヤニヤ笑う主人公
フー子 「う、うぅ、わ、私は見たくなんか・・・・・・その、なんだ。他にも不謹慎なモノが沢山あるようだし、すべて見分するまで処分は決められないな。オホン、ち、違う、これは風紀委員としての義務だ!勘違いするなよ」
主人公 「はいはいー(ちょろいなこいつ!)」
フー子 「な、なんだその微妙な笑顔は、引っかかるぞ!ふむ、それにしてもこの部屋一体なんなんだ?ゲームやマンガ以外にも、ベッドやパソコンまであるじゃないか。キサマここに住んでいるのか?」
主人公 「い、いや、住んでないけど。ここは元宿直室なんだ」
フー子 「え、違う、ここは元宿直室、なるほど。ところで放課後部とは何をする部活なのだ?」
主人公 「放課後を楽しむそれだけです」
フー子 「放課後を楽しむ。なんだそれ、そんな部活聞いたことがないぞ。まぁいい
と、とにかく明日もくるからな。まのマギのアニメ版を見分させてもらうから用意しておくように。あとまたお茶もあったら私は機嫌がいいぞ・・・・・・お菓子も」
主人公 「用意しておきます」
フー子 「うむ、では私は見回りに戻る」
出て行くフー子
主人公 「はいはい、あ、木刀置き忘れてる。愛刀じゃなかったのかよ」
ドアを閉め外に出るフー子、そして出た瞬間顔がにやける
フー子 「ま、まさか、ずっと見たかったまのマギが学校で見れるなんて!うぅ、わくわくするぅ。他にもいっぱいマンガとかあったし、もしかしたら私の夢が叶うかも、うぅ楽しみだ」
ドアが開いて主人公が
フー子 「うあぁ、なんだビックリしたぁ。な、何か用か、え、木刀、部室に忘れてる。
そ、そうか、すまないな・・・・・・」