Track 1

Next Track Back

プロローグ

こんにちは兄様、久し振りね な、何驚いた顔してるのよ? 今日遊びに来るってこの前電話した時に伝えておいたはずだけど? その顔…忘れてたんでしょう まったくもう…これで兄様と都合が合わなかったらどうする気? むー…本当に反省してる? これだから兄様は…今度から大事な事はカレンダーにでも書いておくこと…いい? いつもの絢で安心したって…誰のせいなのよ、もう… んっ、ううん!…という訳で、明日まで兄様の所に泊まらせて貰うんだけど、いいのよね? ええ、ちゃんと着替えとか持ってきてるから大丈夫よ それじゃ、失礼するわね お邪魔します… へぇ…意外と綺麗にしてるじゃない? ふふ、分かってるわよ これ、全部姉様の仕業なんでしょ? 先月大掃除をしたって聞いてたけど、本当に兄様は姉様に甘えてばっかり これくらい、一人暮らしをするのなら、最低限出来なきゃダメじゃない 何よ…私は姉様と違って甘やかしたりしないだけですっ まったくもう…外ではしっかり者とかよく言われてるけど、自宅での生活ぶりを見たら皆失神するんじゃないかしら そういえば、兄様… 先月、亜凛姉様が遊びに来た時、何をしていったの? 大掃除…じゃなくて、それ以外のことっ え?耳掃除…? 身の回りのお世話をしてきたって言ってたけど、そんな事まで… 姉様…抜け目ないわね う…兄様も兄様で思い出しながらニヤニヤしてぇ…! そんなに気持ち良かったのかしら? ふぇ、即答!? うぅ~…兄様の…兄様の…バカぁ! 私だって姉様が抜け駆けしなければ、一番に耳掃除してあげてたんだから… それに実家にいた時、兄様の疲れを癒していたのは私の役 なのに、兄様は姉様を選ぶなんて… こうなったら、兄様っ! いい機会だし、私の方が兄様を癒す事が出来るってこと…分からせてあげる

Next Track Back