おやすみボイス 耳かき
ん、何?
私に耳かきしてほしいの?
そんなめんどくさいこと、私がすると思ってるの?
・・・ねー、そんなあからさまにがっかりした顔、しないでくれる?
・・・そんな顔されたら、してあげちゃくなっちゃうじゃん・・・
・・・あー、もうなんでもない!
ほら、耳かきしてあげるから、右耳からさっさと見せなさい
ふーん、案外綺麗にしてるんだー・・・
あんまり私がしてあげられるところないじゃない・・・
え?べ、別に何にも言ってないわよ
でもまぁ、ちょっとは残ってるから、ちゃーんと綺麗にしてあげる
おっ・・・
んん・・・?
ん~・・・
ん、はぁ・・・
うん?耳かき、そんなに気持ちいいの?
へ~、気持ちいいんだ~・・・
(鼻歌)
え?私は別に楽しくなんかないわよ
今のは・・・ついよ、つい・・・
お、ちょっと、奥の方に・・・大きいのがあるな・・・
もうちょっとで・・・取れそう、なんだけどぉ・・・
んー、もう、少し、で・・・はい、取れた
ん?もうちょっとしてて欲しいの?
・・・じゃあ、もうちょっとだけ
ねー、私に耳かきしてもらうの、そんなに気持ちいいの?
ふーん、そんなに気持ちいいんだー・・・
じゃあ今度は、私に耳かきしなさいよねー
はい、じゃあ耳かきはここまでにして、今度は綿棒で仕上げしていくからねー
(鼻歌)
な、何よ?
鼻歌歌っちゃいけないの?
楽しいから無意識に歌っちゃっただけだし・・・
え、あ、た、楽しくなんかない!
ホントはめんどくさいし、もうやめちゃうよ!?
・・・まぁ、ちゃんと最後までは綺麗にしてあげるけどさぁ・・・
はい、これで綺麗になりました!
・・・何、耳たぶの方も、してほしいの?
じゃあ特別に、耳たぶも綺麗にしてあげる・・・
綿棒で、耳たぶの凹凸の中を綺麗に・・・
ん?くすぐったいの~?
じゃあもっとしてあげる~
ん~、かわいいなぁ~こいつ~・・・
えっ?べ、別に何も言ってないわよ?
んー、ちょっと細かいのが残ってるな・・・
はー・・・ふーーー・・・
んー、もうちょっと・・・ふーーー・・・
はい、これで右耳は綺麗になりました
ほら、左耳もやってあげるから
え、もしかして、してほしくないの・・・?
が、がっかりなんてしてないわよ!
してほしいんだったら、早く反対向いて!
んー・・・やっぱりこっちも綺麗だな・・・
お、でもちょっとだけ残ってる、かなー・・・?
じゃあ、左耳も綺麗にしてあげるー・・・
んー・・・やっぱり綺麗だなぁー・・・
あんまり耳かきしてあげられなさそうだし・・・
う、ううん、な、なんでもないから・・・
やっぱりあんまりするところはない感じかな・・・?
おっ、取り残しはっけーん・・・
おっ・・・お・・・あと、もう、ちょい、で、とれ、る・・・
んっ、取れた取れた・・・
・・・ねー、起きてる?
もう寝ちゃったかな・・・?
あんたはさ、いっつも、私に甘えてくるじゃん?
それを、私はいっつも「うっとおしい」とか「めんどくさい」って言ってるけど・・・
ホントはね、すっごく、嬉しいんだよ・・・?
「お姉ちゃーん」ってすり寄ってきてくれたりするとさ、とっても嬉しいんだよ・・・?
でもー、みんなが見てる前でさ、お互いにべたべたするのって、なんか、恥ずかしいじゃん・・・?
だからね、別に、あんたのこと、嫌いなんかじゃ・・・ないんだからね?
むしろ・・・大好きなんだから・・・ね?
(鼻歌)
ん、目が覚めちゃったの?
え?何か言ってなかったかって?
べっつにー、ただの独り言よ
はい、あんたが寝てる間に綺麗になったわよ
じゃあ綿棒で、耳の中を綺麗に仕上げてくからね
んんー・・・
おー・・・
んー・・・うん、まーこんなもんかなー・・・
はい、これで左耳はおしまい
仕上げに耳たぶの方も綺麗にしてあげる
何?くすぐったいの?
せっかく私が耳掃除してあげてるんだから、我慢しなさい
ま、わざとくすぐったいようにしてるんだけどねー・・・
へ?何にも言ってないわよー、空耳じゃなーいのー?
じゃあこっちの耳も、細かいのを息で・・・ふーーーーー・・・
はい、これで左耳も綺麗になりました
ほら、仰向けになって、私に顔見せなさい
これで、よーく眠れるでしょ?
私が耳かきしてあげたんだから・・・ね?
じゃあ、おやすみなさい・・・