Track 2

STAGE2:単独作戦

[午後3時過ぎ、少女の寝室] (悪夢にうなされている少女) ※この「夢」は、主人公が家に帰ってこなくて少女が独りになってしまうという夢。後々まで少女の心の隅に残り続け、影を落とすことになる。 ………………ぅ…………うぅ…… う~ん……ぅぅ…………んっ…… ……っはぁ!! はぁ……はぁ…………はぁ………… 夢…………夢か…………ん……はぁ…… 良かった…………夢で…………ふぅ………… しかし……ひどい夢だったな…………ん…… 動悸……凄い…………ドクドク言ってる………… それに……寝汗が…………びしょびしょ…… うぅ…………なんでこんな時にお前はいないんだ……馬鹿者…… 私を守るナイトだと自称するのなら、夢のなかでも私を守ってくれよ…… ……と言うのは流石に無茶だよな……うぅ…… 出掛けにあんな事するから…… いや、もう考えるのはよしたほうがいいな…… 宇宙フクロウもいなかったし……きっと大丈夫だ……(宇宙フクロウが夢のなかにいると正夢になる(アニメ:アドベンチャー・タイム)) 忘れよう……もし正夢になられたりすると…… そんなことすら考えたくないな……うん、忘れよう……忘れるんだ…… ………………よし、忘れた。 ふぅ……せっかく起きたんだ、もっと有意義な過ごし方をしなくてはな。ああ。 しかし、どこかに行くにも少し遅いな……もう少し早く起きられたらゲームセンターに行っても良かったんだが…… 仕方ないな。今日は家でのんびりしてるか。 ……一通り、ソシャゲ・ブラゲの類は触っておかねばな。スタミナが溢れてしまう…… (パソコンの電源をつける) スタミナ制のゲーム、じっくり腰を据えてプレイすることができないのはよくないところだが、 逆に考えると、飽きさせないようにゲームの世界観に留まらせられるというのは利点だな…… でもそれが義務感になってしまうと……娯楽という言葉の意味を欠いてしまうか。 ま、飽きるまで楽しませて貰えれば、私は十分だな。 (午後5時頃、「日課」を終わらせて) うーん……このゲームも飽きてしまった…… やっぱり、ネット上の誰かと対戦するゲームよりも、あいつとするゲームの方が楽しいもんな。 それに、どうせ一人でやるんだったら、完全に一人用のじっくりやれるゲームのほうがいい…… そうだな……この前出た新作ゲーム、やっぱり買ってもらおうかな…… でも、アレを初めてしまうと無限に時間を消費してしまうのが目に見えていて怖いし…… その分、他のことが疎かになるのは目に見えているんだよなぁ…… まあ、この件に関してはよくよく考えておくかな。 ……そういえば、録りためてるアニメも消化せねば…… ん~……何かちょうどいいの……(リモコンでテレビをいじりつつ) こっちのは一緒に見てるやつだし……今は映画って気分でもないしなぁ……ん…… あ、そうだ。一応最後まで撮ったはいいがまだ1話も見てないアニメがあったな。 えっと……どこだっけ………… あ、カテゴリ別から未視聴を……ああ、あったあった。 これってどんなアニメなんだろ。なんだかネットで話題になってた気もするが…… まあいいか。百聞は一見にしかずとも言うし、見てみるに越したことはないな。 ……なんだかこのキャラ、あいつを思い出すな。確かに体おっきいし、熊っぽいかも…… ふふふ。そうそう、こんなふうに、落ち込んでる時は抱きしめて、撫でてくれるんだよな。 あの大きな手で撫でられるの……抱きしめられるの、好き…… 逆に主人公は……私っぽい気がするな……少しだけだが。 ちっちゃいし、広い世界に馴染めない感じなんかも……親近感湧いてしまう……ふふ。 オープンワールドは好きなんだが、実際の世界は私にはまだ難易度が高すぎるよ。 はぁ……私も撫でられたくなってきてしまった…… ……早く帰ってこないかなぁ。 いつもならそろそろ帰ってくる時間のはずだが…… (携帯に主人公からのショートメッセージが届く) ……あ、メッセージ。 えっと……「今日は残業で遅くなる」…… ……………… ……いやいや、これは夢とは関係ないだろ……うん、きっとそうだ…… でも……今までこんなことなかったのに、どうしたんだろう……少し心配だな…… それに……遅くなるってだけじゃ、どれだけ遅くなっていつ帰ってくるか、全然わからないじゃないか…… 晩ごはんとかどうするんだよ……全く………… うぅ………… ……まぁ、仕方ないよな。仕事なんだ。 私のために働いてくれているのに、文句なんか言える立場じゃないだろ…… 仕方ない……ここは秘蔵の非常用ポテチを食べて凌ぐか…… 大丈夫……私は一人でも……どうせ数時間だろ?それくらい……なんともない…… 私はできる子だ……一人でも……大丈夫……大丈夫………………