おやすみなさい、お姉さま
「お姉さま、湯当たりの具合はいかがですか?
はい、冷たくはありませんが、お水をどうぞ」
「まったく、私もちょっと舞い上がってしまいましたし、
気をつけないといけませんね、反省反省」
「ふふっ、お姉さまが目を回している間に身体も拭きましたし、
髪の毛も乾かさせて頂きましたからね」
「えっ? 私だけ冷たい氷の入った水を飲んでずるいと言われても……
お姉さま、具合のほうは本当に大丈夫なんですか?」
「あまり冷たい水は体に良くないと思ったのですが……ううん……」
「……わかりました。仕方ありませんね。お姉さま、冷たいもの、差し上げます」
「はむっ。(氷を加えて)おへえはま、ほうほ(お姉さまどうぞ)」
「……冷たくて美味しいですか? よーくお口の中で味わって下さいね」
「お姉さま? あんまり口の中で転がして口の中を切ったり、
ガリっと噛み砕いてお口の中を噛まないように、ですよ?」
「……ご、ごくり……お姉さまを、お姉さまの口元を見ていたら、
私も冷たいものが……ほしくなってきました……」
「ふふっ、お姉さま、よく分かっていらっしゃいますね。
では、頂きます、お姉さま」
「あーん……あむっ。(氷を口の中で転がす)」
「ふふっ、お姉さまもまた冷たいもの、欲しいんです? では、はい、どうぞ」
「お姉さま、ただの氷ですが……とってもおいしいです。
体がクールダウンどころか、ぽかぽか温まってくるくらいに」
「あら、もうひとくち、頂いて良いんですか?
では遠慮なく……頂きます。はむっ」
「(氷を口の中で転がす)……ごくん)。
お姉さまと私のが混ざり合った結晶、美味しく頂いちゃいました、ふふっ」
「ねえ、お姉さま? 体もクールダウンしたところで……」
「ふふっ、お・ね・え・さ・ま……今日は……このまま眠ってしまいます?
たまにはそれも良いかもしれませんね」
「こんなこともあろうかとお姉さまが休んでいる間に
全て家事はすませておきましたので」
「……お姉さま、今日も一緒に居られて私幸せです。
お姉さまの顔を見ながら眠りにつけるなんて、それだけで本当に」
「ふふっ、お姉さま、そんなに見つめられたら照れてしまいますよ?」
「こうやって毎日お顔を見ていても、飽きるどころかどんどん……愛おしく……」
「ふふっ、ありがとうございます。
言わせてしまったような気がしますが、それでも嬉しいですよ」
「お姉さま……眠ってしまうまで手、繋いで良いですか?」
「ありがとう……ございます。
こうやって……恋人繋ぎっていうんでしたっけ」
「こうしてるとお姉さまと繋がってるように思えて……」
「ふふっ、お姉さまも同じだと言っていただけると嬉しいです」
「お姉さま、本当にお姉さまと過ごす一日は毎日が素晴らしくて仕方ありません」
「こうやってお姉さまと一緒にベッドで眠ることが出来て、
朝はお姉さまの寝顔の一番傍で目覚めることが出来て、私はそれだけで……」
「あら、お姉さま? 眠ってしまいました?」
「ふふっ、本当にかわいらしい寝顔ですね。
本日も一緒に居てくれて、本当にありがとうございます」
「……おっと、お姉さま、眠る前に忘れ物がひとつ」
「ふふっ、お姉さま、大好きです」
「ちゅっ」
「ではお姉さま、おやすみなさい。
また明日も、傍で笑っていてくださいね」
「寝息10秒くらい、アドリブで」
//
「うーっ…………もじもじ……そわそわ…………」
「お姉さまー……ちゅーっ……ちゅっ」
「……お姉さまー? 眠ってらっしゃいますかー?」
「うーっ……お姉さまと一緒だと、
落ち着くのですがドキドキして眠れなくなります……」
「だって、こんなに近くに……かわいらしい寝顔と……
やわかさそうなほっぺが……」
「つんつん……ふふっ、やわらかい」
「ほっぺもだけど……やわらかそうで、おいしそうな唇……ごくり……」
「お姉さまの唇……つんつん……やわらかい……」
「ごくっ……お姉さま……やっぱり私、我慢できなさそうです……」
「お姉さま、頂きます」
「んーっ……ちゅっ」
「……ふぅっ、お姉さまの唇、おいしい……」
「うーっ……ごめんなさいお姉さま、
私、勝手にドキドキしてきちゃいました……」
「お姉さま、もしお嫌でしたら……言って下さいね?」
「ちゅっ」
「はぁ……はぁ……お姉さま……」
「んーっ……ちゅーっ」
「お姉さま……唇とっても柔らかい……食べてしまいたい……」
「おいしそう……頂きますよ? ……あーん……あむっ」
「あむあむっ……お姉さまの唇……美味しい……」
「はぁ……はぁ……お・ね・え・さ・ま……」
「あむあむっ……ちゅっ……ちゅーっ……」
「お・ね・え・さ・まぁ、すりすり……」
「ちゅっ」
「あっ……お姉さまからキス……」
「って、お、お姉さま……お、起きてたんですか……?」
「う、ううっ……起きてるなら起きてるって言ってくれないと、
私……恥ずかしいじゃないですか……」
「……お姉さま、恥ずかしいけど……
もうドキドキが止まりません。責任、取ってください」
「ううっ、そ、それは……勝手にドキドキしてただけですけど……
もしかして……本日はあまり乗り気では……」
「ちゅっ」
「あっ……おねえさ……」
「20秒程度のディープキス」
「んんっ……あふっ……んっ……ちゅるちゅる……」
「ぷはっ……お姉さま……とってもおいしいです。
お姉さまもおいしかったですか?」
「あっ、お姉さま、ちょっと口元に唾液が」
「ぺろっ(セリフ)」
「はふぅっ……美味しいです……」
「あの……お姉さま? 今日こそは……その……
ここまでしちゃいましたら……あの……」
「私……もっとお姉さまと……もっと深い関係になりたいなぁって……」
「う、ううっ……べ、別にこれじゃあ不満ってわけじゃないんですけど……
だってお付き合いしているんですから……」
「その……お姉さまとえっちなこと、したいです……」
「私じゃあ……ダメ、なんですか?
私はお姉さまじゃないと嫌なんですよ……?」
「いつも途中でお姉さまやめちゃいますし……」
「い、いえ、それはそれで私は好きなんですけど……う、うーん……」
「大人になってからって、お姉さまは言いますけど……私、もう大人ですよ?」
「そりゃあ……お姉さまに比べたらお子様ですけど……」
「そ、そうです!! お姉さまが私を大人の女にしてください!!」
「……って言うのはだめでしょうか、ううっ……」
「なんだか……すっごい恥ずかしいこと言いましたね私……うううっ……」
「だってだって……お姉さまが好きで好きで仕方ないんですもん……」
「あっ……ふわぁっ……」
「も、もう……こうやって抱っこして誤魔化そうと……」
「うーっ……あ、頭撫でて下さい……それで我慢しますから……」
「んっ……あっ……うみゃあ……」
「……大人になったら……ちゃんと……約束です……よ?」
「お姉さま……大好き……」
「お姉……さま…………おね……ふぅ……すー……すー……」
ゆり、夢の中へ――