書魔の導き
②~オープニング~
フフ…来たわね、さ、いらっしゃい。
改めまして、夢幻図書館・司書のソフィエルと申します。
さて。先ほど話した通り、
これから貴方には、私の提供するストーリーの主役になって頂くわ。
いえ、正確には、登場人物を演じてもらうということになるかしら。
いわゆる、ロールプレイというやつね。
ふふ、そう固く考えなくても大丈夫。
貴方は状況のまま、流れのまま…楽しんでもらえれば構わないわ。
…あら、何か、不安そうね?まあ、当然かしらね。
貴方にとっては唐突で、意味不明なオファーでしょうから。
それに悪魔のオファーには、代償がつきものですものね…
でもね、私は…ただ、私の紡ぐストーリーを、貴方に自慢したいだけ。
貴方のような人間とともに、様々なストーリーを楽しむこと…
それが、無限の時を生きる私にとっての、ささやかな退屈しのぎなのよ。
≪そ・れ・に…ね、ゼッタイ、貴方も気に入ると思うのよ…?
なぜなら、フフフ…私の紡ぐストーリーは、貴方の欲望を満たすための、ストーリーだから…
そう、欲望…あなたの心の奥底、誰からも見えないように、しまいこんである、欲求…
でも私にはよーく見えるの、その欲求のカタチが…
それは、とても暖かで、生命の力に満ちていて…
時に赤く激しく燃え盛って、時に、淫らな、ピンク色に塗りつぶされ…
これ以上は、言わなくてもわかるわね?フフ…
大丈夫よ、危険なことはなにもないの。
貴方は、ただ、身を任せて、欲望に正直になってくれればいいの…≫
…フフフ、だから、ね?
暇を持て余す可愛そうな悪魔を、助けると思って…協力してほしいのよ。どうかしら?
…(2秒くらい間)
うふふふふ、ありがとう。貴方ならそう言ってくれると思ったわ!
それじゃ早速……、んー…うぅん…そうねぇ。
常夏の南の島で、バカンス♪…なんて、どうかしら?
最近ゆっくりしてないんでしょう?久々に長期休暇、とったと思って楽しんでらっしゃいな。
勿論、南国らしい素敵な出会いも用意してあるわよ?ふふふふ…
それでは、今から貴方の精神を、物語の中に飛ばすわ。
ふふ、無事に帰ってきたら、感想、楽しみにしてるわね。
さ、目を閉じて……いくわよ……
…(3秒くらい空白)
……クス♪
ウフフフフ…大・成・功♪
あっさりいきすぎて拍子抜けだわ。本当に、人間のオスは釣るのが楽ね…
性的な欲求をちょっと刺激するだけで、こうだもの…本当に可愛いものだわ…ンフフ。
≪ね…今はもう、聞こえないでしょうけど…じーっくり、あなたの心、味わわせて貰うわね…ん、チュ♪≫