①行き倒れの少女
<鍛冶師が外へ資材の調達に向かい、帰ってくると家のそばに女の子が倒れている>
【ニア】
う~~~~~~……おなか、すいたのじゃ~~~~~……
う~~~~~~……うぅ~~~~~~~~……
≪鍛冶師、女の子をスルーして小屋に入ろうとし、女の子が必死にその足を掴む≫
【ニア】
ま、まつのじゃっ!
か弱い女の子が行き倒れているというのに、無視はなかろうっ!?
おなかが減って力がでないのじゃ~~~……
なんぞうまいもんでも食わせておくれ~~……
≪足を掴む女の子を引きずる形で小屋の中へ≫
【ニア】
はふぅ……おねがいじゃ~~……め、し………
≪鍛冶師、奥から食料と水を持って戻ってくる≫
【ニア】
お、おぉぉ…っ、よ、よいのか?
わしが食ってしまっても良いのかっ?
じゃ、じゃあ遠慮なく…はぐ、あぐっ! あむっ、ぁ――
んっ、んぐっ! んんっ、んんん!? み、みじゅ、ぅ……っ
≪水の入ったコップを差し出す≫
ん、ぐ……っ……ごくっ、ごく……っ……ごく、ごく、ん……っ
ぷふ~~っ! 落ち着いたのじゃ~~…ありがとなのじゃ♪
えっと……ところで、ここはどこなのじゃ……?
随分へんぴ…あ、いや、静かなところのようじゃが……
ん、わしか? わしはな……ちょっと遠くから来たのじゃ
んで、パタッと倒れてしもうて、この有様なのじゃが……
んん…? なぜ喋らぬ?
ヘンなヤツじゃのう…まぁ、悪い輩ではないようじゃが…
おぬし、いったいここでなにをしておるのじゃ?
……剣? 剣を……トンカチで……ほぅ、作っておるのか?
ほほぉ、モノが作れるとはすごいのぉ…
誰にでも出来ることではない、胸を張ればよいぞ
さてと…ではそろそろお暇(いとま)して……
あ、もう暗くなってきておるではないか……
んむむ……仕方あるまい、今晩、ここに泊まってやってもよいぞ?
ん? なんかおかしいかの……えっと……と、泊められてやらんことも、ないぞ…?
う~~……と、泊めて、ください……お願いします……なのじゃ……
≪髪をなでる≫
あ……な、なにをするのじゃっ?
ん、ふふ…っ、く、くすぐったいのじゃ…っ♪
むぅ…なんか、子ども扱いされた気がしたのじゃ……
わしはこう見えてもなぁ、おぬしなんかよりは断然――
≪鍛冶師、うなずく≫
あ、泊まってよいのか?
おぉ、良き人間にめぐり合えて、わしは幸せ者じゃ♪
わしは床で寝るから、なんにも気を使う必要はないぞ
というわけで~……一晩、お世話になりますなのじゃ♪