おねーちゃん? そろそろ起きてくださいー。
「おねーちゃーん?」
「おねーちゃーん、寝てますかー? 起きてませんかー? 寝ているのであれば寝ているとお返事をしてくださいー」
「……ううっ……お返事をしません。本当におねーちゃん、ぐっすり眠ってしまっているようです」
「……お昼寝をしたら一緒に仲良しをしようと言っていたのに、おねーちゃんはさっぱり起きる気配がありません」
「おねーちゃん、いつも忙しそうですし、たまにこうしてお休みできるときはゆっくりお休み出来たほうが良いのでしょうけれど……」
「ちゃんとお昼寝をする前に『起きたらモモと仲良しをする』とお約束をしていましたし、そもそもあまりお昼寝しすぎると夜に眠れなくなってしまいます」
「……うーん……どうしましょうか……モモはちょっと困ってしまいました……」
「ここは……モモがなんとかして起こしてあげるべきでしょうか……。ワサビやタバスコを使うととても良く目が覚めるとテレビで見たことが――」
「……あっ、おねーちゃんが起きました。おはようございます」
「おねーちゃん、お昼寝のしすぎで夜になってしまいました」
「おねーちゃん? 今日は仲良しするって言っていたのに・・・モモは悲しいです。残念です」
「悲しいので・・・これから、おねーちゃんともっともっと仲良くなれることをしようと思います」
「おねーちゃんのお部屋で見つけました。『女の子同士でもっと仲良くなれる本』です」
「この本を読みながらおねーちゃんともっと仲良くなろうと、モモは思います」
「だいじょーぶです。おねーちゃんが起きる前にモモにも読めるかどうか確認しました。モモにも読めます」
「分からない漢字もちょっとはありますが……だいじょーぶです。挿絵もいっぱいですし、それにモモはもう結構大人です」
「おねーちゃんはそのまま楽にしてくれていてだいじょーぶです。といっても、寝起きでぼーっとしててあまり身体が動かないと思いますが」
「それでは……えーっと、おねーちゃんともっと仲良くなるのに、一番最初にすることは……」