Track 10

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おまけ 1. 出会いの酒場

(翡翠):きゃっ・・・いったたた・・・。 あっ、申し訳ありません。 お怪我はございませんか? 私ったら急いでいて、あまり前を見ていなかったものですから。 本当に申し訳ありません。 あぁ、お召し物・・・汚してしまいましたね。 ああ!その、私は翡翠と申します。 お詫びといってはなんですが、もしお急ぎでなかったらうちのお店で飲んでいかれませんか? もちろん、お代は結構ですから。 このままお帰りいただくなんてできませんわ。 (左)ほら、こちらへいらして。 遠慮なんてなさらなくてよろしいですわ。 ですから、ね? (真ん中)ただいま戻りましたわ。 (女将):随分遅かったじゃないか。* 最近はこのあたりも治安が悪いんだから、あんまり一人歩きするんじゃないよ? (翡翠):そんなに心配なされなくても大丈夫ですわ、女将さん。 (女将):おや?お兄さん見かけない顔だね。 まさかこの子にナンパされてきたのかい? (翡翠):ちっ、違いますわ! このお方は先ほど私が出会いがしらでぶつかってしまい、そのお詫びにこちらへお連れしただけで・・・。 (女将):なんだい、面白くないね。 まあいいさ、そういうことならこっちへおいで。 (翡翠):私も今から支度をして参りますので、少々お待ちくださいね。 (女将):(右)ほら、ここが特等席だよ。ここで待ってな。 (左)はいよ、お兄さん。うちの店自慢の酒だよ。 おかわりもあるから、遠慮なくいいなよ? ん?あの子って翡翠のことかい? この店一番の看板娘さ。 文句も言わずよく働くいい子だよ。 前の戦争で家族と離れ離れになって、この国に逃げてきたらしいけど詳しいことはわからないね。 まあ、きっとどこかいい所のお嬢さんなのは間違いないだろうけどね。 (ライター) 始まるみたいだよ? 見ておやり。 (音楽、歌詞2:57~4:58) (翡翠):遥かな この大地で あなたを一人待ち続ける。 儚い この思いを あなたに必死でかくして たゆたう この世界は 私だけを置き忘れて 漂う この体は わがままにも彩る ひらひら 舞い落ちる 偽りの幸せ 薬指の その指は ???がなく 遥かな この大地で あなたを一人待ち続ける 必死に この思いを あなたに必死で隠して (間奏) (女将):しかしあの子がこうやって誰かを連れてくるなんてね。 よっぽどお兄さんを気に入ったのかもしれないよ。 まあ、まだまだ夜は長いし、ゆっくりしていきな。 (翡翠):(右)いかがでした? ふふっ、なんだか、ごめんなさい。 こんなことしかできなくて。 うふふっ、私この国はあまり好きではないけれど、女将さんやこの国の人は大好きよ。 お客さんもいい人たちばかり。 だから、今はとても幸せですわ。 ああっ!私はそろそろお仕事に戻らないと。 今夜は付き合ってくださってうれしかったわ。 もし、あなたさえよろしければ、これからもここへ来てくださいませんか? ごめんなさい・・・私ったら我儘ばかり言って。 でも、たまに私のことを思い出したらここのお店に私に会いに来てくださると嬉しいですわ。

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