おまけ 2. 再開の夜
いらっしゃ・・・まあ!来てくださったのですね!
今夜はうんとサービスいたしますわ。
ほら、これ、ご存知です?
お耳掃除の道具らしいですわ。
あら、やはりこの国の方はみんなご存じなのですね。
私の国ではこのようなお掃除道具はありませんでしたのよ。
ですから出店で見かけたときは、物珍しさについ買ってしまって。
ふふふっ、まだ誰にも使っていませんの。
もし、あなたさえ宜しければお耳掃除させていただけませんか?
ふふっ、ありがとうございます。
ではお二階へどうぞ。
こちらのお部屋へ。
どうぞ。
ふふっ、違いますわ。
横になるのは、私のお膝、ですわよ?
ほーら、早く。
お店が混んでしまったら戻らなければいけなくなってしまいますから。
(左)ふふっ・・・、ではさっそくお耳掃除をいたしますね?
んっしょ、ふふっ、くすぐったいですか?
んー、もう少し強くしていいですか?
ん、でもこれ以上強くしてしまうと痛くありませんか?
その、お耳の中を傷つけてしまいそうで少し怖いのですが・・・。
ではその・・・、少しだけ・・・。
(左耳かき/吐息32秒)
えっ?あぁ、申し訳ございません。
私がこんなに緊張していては、リラックスできませんわよね?
はぁ・・・・ふぅ・・・・。
ふふっ、ええ、大丈夫ですわ。
それでは、続きを
(左耳かき/吐息5:13~7:40
次は、こちら側の白い綿毛のようなものを使うのですよね?
こちらは、痛くなさそうだから・・・慎重にならなくても大丈夫そうですわね。
ふふっ、そして・・・ふーーーーーっ・・・。
驚きました?
でも耳かき売りのおじさまが言うには、このふーっと息を吹きかけるのがとても大事なんだそうですよ?
ですあら、ふーーーーーっ・・・、はぁ・・・ふーーーーー・・・。
我慢、なさって?
(左耳かき/吐息39秒)
くる、くる・・・。
くるくると・・・。
やさしくお耳を包み込んで。
ふーーーーーっ・・・・、はあ。
(左耳かき/吐息34秒)
もう一度だけ、ふーーーーーっ・・・。
はい。こちらの耳は終わりましたわ。
反対側のお耳を掃除しましょ?
こちら側のお耳だけ綺麗になってしまったらバランスが悪いですわ。
ほーら、お早く。
(右)ふふっ、ではこちらのお耳も綺麗にしていきますわよ?
ほらー、じっとしてくださいな?
お怪我してしまいますわ。
(右耳かき/吐息67秒)
飽きられてしまうかと思いましたけど、このようにお付き合いしてくださるなんてお優しいですのね。
だってお耳掃除は本来、特別な人にしたり、してもうらうもの・・・なのですよね?
ですから、まさかこのようにお耳掃除をさせていただけるなんて思っても見なくて・・・ふふっ。
奥様に、怒られてしまいますわね。
ふふっ、わかりますわ。だって、あなたが指している指輪、結婚指輪でしょ?
女性はそういうところ、よーく見ているのですよ?
でも、あなたの奥様が羨ましい。
こんなにお優しい方と添い遂げられるなんて、同じ女性からしたらとても羨ましいことですわ。
私も、いつか、あなたみたいな方と・・・ふふっ。
お世辞ではありませんわ。本気でそう思っていますのよ?
うふふっ、なんだか変なことをお話ししてしまいましたね。
でも、あなたとお話ししていると、とても心が落ち着きますの。
うふっ、不思議ですわ・・・。
では、そろそろこちらのフワフワでお掃除していきましょうか。
(右耳かき/吐息25秒)
くすぐったいでしょうか?
ほんの少しだけ我慢してくださいませ
ふーーーーーっ・・・。
(右耳かき/吐息35秒)
ふーーーーーっ・・・。
(右耳かき/吐息11秒)
はぁ・・・ふーーーーーっ・・・。
はい、お耳掃除終わりましたわ。
(左)さて、奥様がお家でお待ちでしょう?
お待たせしてしまっては悪いですわ。
本日は、これで・・・。
またいらしてくださいね?
私はいつでもここにいますから。
では、お気をつけて。