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ガイダンス

お客さーん! そう、そこの君だよ うちに用があってきたんでしょ? じゃあ、お客さんでしょ 納品の業者なら、他のセクションに案内されるはずだもん ん?ああ、アンドロイドプロジェクト? おお!待ってたよ! 私がプロジェクトチーフよ あああ・・・信じてないね 私は確かに若いけど、これでも将来有望なんだよ? この前だって、プロジェクトリーダーからチーフに異例のスピード出世を果たしたんだから はい、証拠の名刺 どうよ?信じてくれたかい? ならOK じゃあ、早速で悪いけどプロジェクトの協力内容について説明するね 君には、次世代型性処理アンドロイドのテストの被検体になってもらいます まぁ被検体といっても、そんなに大したものじゃないから、安心して テスト内容は、アンドロイドの性能検査よ テスト回数は1回 ただ、ちょっと訳有りでね ・・・それは後で詳しく説明したほうがいいわね じゃあ、早速ついて来て アンドロイドを実際に見てもらうから ほい、こっちこっち このエレベーターで地下まで降りるから はい、お先にどうぞ では、下に参りまーす ・・・結構、長いでしょ? 私も毎度毎度、面倒な思いをしてるのよ セキュリティの確保ためには仕方ないけどさ はい到着 で、そこの部屋ね ようこそ、いらっしゃいました 機械人形のラボへ それでは、弊社自慢のアンドロイドをご紹介しましょう このゲージを見てみ ふふふ、すごいでしょ? もう人間にしか見えないでしょ? だがしかし、彼女に心はありません プログラムで稼動する機械人形よ 俗に言うアンドロイド この子がベロペロネ このベロペロネが君のお相手ってわけ で、カタログスペックは・・・ どこやったっけか? んん?あ、これかな? ああ、これこれ コホン 機械人形開発プロジェクト 第三世代 テスト機 固体名 ベロペロネ  従来の機械人形の欠点を補うことを最大の目的として製造された機械人形 従来の物と同じく特殊素材を使用し、本物の女性とほぼ同じ形、触感、重さを実現し、声や端々の体の動きまでも完全再現 さらに、擬似人格プログラムを実装し、ほぼ完全に自立した判断が可能 先代の擬似感情プログラムをさらに発展させたこの擬似人格プログラムは、AIの中枢(ちゅうすう)部分から抜本的に性格付けがなされることで、より人間近づけられた その上、先行生産機からの反省点を活かし、受動的な性格を設定 それにより、主(あるじ)に対して献身的で明るい対応が可能 だが、調整の困難さから、不安定な一面があり、加えて互換性の問題でスペックの半数をカットしたため、運用には注意が必要 これらの問題解決が今後の課題である ベロペロネ起動 <ベロペロネ音声「あ、お、おはようございます・・・マスター、わ、私頑張りますから・・・」> さっきのカタログスペックを聞いて分かると思うけど この子、ちょっととり回しが悪くてね 直球で言えば、あまり優秀ではないの 改良するにしても、今のノウハウでは力不足で、第三世代の開発自体が凍結されるかもしれないんだよ でも、私の可愛い子どもみたいなもんだから、なんとかしてやりたくてね このテストで成果を挙げるチャンスをあげたいの だから、君に来てもらったってわけよ この子のテスト、受けてくれるかい? おお!君ならそういってくれると思ってたよ! じゃあ、この契約書にサインして ありがと サインしてもらった契約書に書いてあるけど、後はこのベロペロネと相談してテストの続行もできるけど・・・まぁ、そこは君に任せるよ それと、報酬はテスト終了後、口座に振り込まれるから 2ヶ月くらいならちょっと派手に遊んで暮らせるくらいの額だから期待しててね なんでそんなに貰えるのかって? まぁ、うちのテストは保険対象外だし、契約書にかなりの法的拘束力があって、特殊だからねぇ(ぼそっと) ああ、なんでもないよ 若い少年たるもの、一度くらい大金を持って世界を広げよ!ってことよ そうだ、一応確認なんだけど、事前に連絡した約束は守ってる? そそ、うちでテストすることは口外無用ってやつ ・・・うんうん、それなら良し あ、いや、他社にかぎつけられたら企業情報が漏れちゃうでしょ? そういうことよ それじゃあ、私はこれで失敬するよ テストの時はケージが開いてベロペロネが案内するから 楽しんでね~ ・・・さよなら(含みを持たせるように)

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