耳かき
■『お母さんに添い寝されて安眠したい』
■01
は~い、それじゃ耳かきしてあげるわ。
こっちにいらっしゃい?
そうそう、お母さんの膝枕でゆったりとしてちょうだいね。
さぁ、それじゃお耳をカキカキしてあげましょうね~?
体の力を抜いて?
緊張しなくていいのよ?
ほ~ら、まずは足の力を抜いて……下半身をダラリとさせましょうね?
足の力が抜けたら、今度はお腹の力を抜くのよ?
深呼吸して?
す~、は~……す~、は~……お腹と同時に、胸の力も抜いて。
ゆっくりと息をしながら、そのまま肩の力も抜きましょうか。
す~、は~……す~、は~……腕の力も抜いて、指先もね。
手をダラ~ンとするのよ?
そうそう。
そうしたら最後に、顔の力を抜きましょう。
頬の力を抜いて、顔をゆ~ったりとさせるの……そのまま眠ってしまうくらいに、ゆったりゆったり。
は~い、いいわよ。
それじゃあ、まずはお耳のマッサージからね。
耳たぶをコネコネして、柔らかくしてあげるわ。
耳たぶを持って、真横に軽く引っ張る……軽く、軽~くね?
ほら。
こうして、クイ、クイ……クイ、クイ……耳たぶを真横に、クイ、クイ、キュッキュッ……クイ、クイ、キュッキュッ……痛くない?
そう、それじゃ続けるわね?
クイ、クイ。
キュッキュッ……クイ、クイ、キュッキュッ……今度は上に引っ張るわよ?
クイ、クイ。
キュッキュッ……クイ、クイ、キュッキュッ……下にも引っ張りましょうか。
クイ、クイ。
キュッキュッ……それじゃもう一度上に、クイ~、クイ~。
ムニュ~、ムニュ~……横にも、クイ~、クイ~。
ムニュ~、ムニュ~……下にも、クイ~、クイ~。
ムニュ~、ムニュ~。
そしたら、今度は表と裏を摘んだまま、クニクニと揉み込みましょうか。
耳たぶを揉み揉みします。
まずは真ん中あたりを……揉み揉み、クニクニ……揉み揉み、クニクニ……揉み揉み。
クニクニ……上の凹んだ部分を、揉み揉み、クニクニ……揉み揉み、クニクニ……横側を、揉み揉み、クニクニ……揉み揉み、クニクニ……耳たぶも揉み揉み、クニクニ……揉み揉み。
クニクニ……最後に耳穴に指を入れて、耳の裏と一緒に摘まんで、揉み揉み、クニクニ……揉み揉み、クニクニ……さぁ、耳があったまって来たかしら。
お母さんの声、良く聞こえる?
そう、良かった。
それじゃ、そろそろ本番ね。
耳の中をマッサージするように、しっかりと耳かきしてあげるわ♪
坊やが気持ち良くなるように……耳の中だけじゃなくて、体も、心も。
坊やの全部が気持ち良くなるように、お母さんが優しく優しく、耳かきしてあげる……さぁ、全神経を耳に集中して?
耳の穴から、坊やの全部を気持ち良くしてあげるわね……んふっ♪
まずは浅いところから。
背中側の壁を……かりかり、かきかき、かりかり、かきかき……。
少~し回して、頭の側の壁をゆっくりと……かりかり、かきかき、かりかり、かきかき……。
また少し回して、体前面の壁を優しく……かりかり、かきかき、かりかり、かきかき……。
くる~りと回って、耳穴の下の方へ……かりかり、かきかき、かりかり、かきかき……。
もう一回りしましょうか。
さっきより深く……かりかり、こりこり、かきかき、すりすり。
背中側の耳穴を、さっきよりも深く……かりかり、こりこり、かきかき、すりすり……。
耳の穴全体をマッサージするように……かりかり、こりこり、かきかき、すりすり……。
体前面を、そして下の方を、くるくる回って……かりかり、こりこり、かきかき、すりすり。
くすぐったくない?
もっとしていいの?
かりかり、かりかり……こりこり、こりこり。
痒い所はある?
ここかしら、こっち?
かりかり、かりかり……こりこり、こりこり。
さぁ、どんどん深くまで潜っていくわよ?
坊やの耳の奥へ、坊やのもっと敏感な部分へ。
かりかり、こりこり、かきかき、すりすり…………かりかり、こりこり、かきかき、すりすり。
ゆっくり、ゆっくり……深く、深く……気持ち良く、気持ち良く……お母さんが気持ち良くしてあげる……耳の穴の奥まで、奥の奥まで、全部気持ち良くしてあげるわ……全部、全部。
坊やはこの気持ち良さで今日の疲れを癒してちょうだい?
お母さんの気持ちいい耳かきで、今日あった嫌なことを、全部忘れるの。
今日あった駄目なことを、全部忘れるのよ、全部ね。
耳の中を、かりかり、すりすり……耳の奥を、かきかき、こりこり……坊やの頭の中まで、ほぐして、ほぐして……今日の疲れを、癒して、癒して……疲労は全部、なくして、なくして。
ゆっくり、ゆっくり……ゆったり、ゆったり……耳の奥から、頭の奥へ……するり、するり……頭の中をほぐして、今日の疲れを取り出してあげる。
耳かきで全部、取り出してあげる。
頭の力を抜いて、疲れを全部捨て去って?
嫌なことは全部忘れて、気持ち良くなって?
駄目だったことは全部忘れて、嬉しくなって?
お母さんの耳かきでいっぱい嬉しくなって?
かきかき、すりすり……さわさわ、ふわふわ……耳から入って、頭の中へ……奥へ、奥へ。
かりかり、こりこり、かきかき、すりすり……さわさわ、ふわふわ、ゆらゆら、ゆらゆら。
頭の中から、今日の疲れが全部掻き出されていく……坊やはもう、何も考えなくていいの。
ただゆっくりと、ただゆったりと、耳を掻かれて、頭をほぐされて、気持ち良くなっていく。
嬉しくなっていく……疲れをなくして、マイナスな気持ちを捨てて……気持ち良くて、嬉しくて、楽しい気持ちになっていく。
お母さんの耳かきで、嬉しさだけになっていくのよ?
嬉しく、嬉しく。
気持ち良く、気持ち良く……そうすればほら、頭がフワフワして軽くなる。
ふわふわ、ふわふわ、ゆらゆら、ゆらゆら……心まで気持ち良くなって、軽くなっていく。
ゆら~りゆら~り、ふわ~りふわ~り……軽~く軽~く、穏やか~に穏やか~に……
頭が軽くなって、心が軽くなって……今日の疲れが取り払われて、気持ち良~くなって。
ふわ~りふわ~り、ゆら~りゆら~り……そうしたら、ほら。
体までも軽くな~る……
体が浮いてくるような気持ちにな~る……ふわ~りふわ~り……ゆら~りゆら~り……。
坊やの全身が気持ち良さに満ちていく。
ふわり、ふわりとして、ゆらり、ゆらりとして……
気持ち良くて、穏やかで、甘い甘い気持ちになって、ゆったりとして、まったりとして。
このまま眠りに誘われていく……甘い甘い眠りに、気持ちいい気持ちいい眠りに落ちていく。
甘く甘く、優しく優しく、穏やかで穏やかで、気持ちいい眠りに落ちていく、落ちていく……。
この眠りはとっても安らかなもの。
坊やの疲れをすべて癒す、甘く穏やかな眠り。
それは、お母さんが保証してあげるわ。
だってこのまま、お母さんの膝枕で眠ればいいんだもの♪
だから、ね?
このままお母さんにその身を預けて、ゆっくりと、ゆったりと眠ってちょうだい……体だけじゃなくて、心まで預けて……心の奥底まで安心して、すべてをさらけ出して。
さぁ、耳かきはもう終わりにしておきましょうか?
後はゆっくり眠るだけ。
気持ち良く、心地良く、嬉しい気持ちで眠るだけ……お母さんの愛に包まれて、安心して眠ってちょうだい。