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■いもうと07『心でつながる育ちの良いいもうと』 ■1 失礼いたします、お兄様。 今、お時間の方よろしいでしょうか……あら? まぁ、お休みになられていましたのね。 でも、まだお洋服のまま……ふふ、仕方のないお兄様♪ 宿題で分からない所があったら聞きに来なさい、と言ってくださったのはお兄様ですのに。 まだ9時ですわよ? 今日はお疲れなのですか? でも、健やかな寝顔でいらっしゃいますね。 なんだかニコニコしているみたい。何かいいことがありましたか? ……私のいない所で? 私の知らないことで? いつも、楽しいことがあればお話しくださいますのに……。 秘め事などしないでくださいませ。私は、お兄様のことをすべて知りたいのですから……できるならば、微笑まれる夢の内容までもすべて。 愛しい、愛しい私のお兄様……あぁ。 ふふ、そうですわ。いつもは許していただけない唇……今なら、こっそりと触れられるでしょうか。 おはようのキスや、おやすみのキスはいつも頬ですものね。でも今なら……ごくん。 お兄様の唇……あぁでも、寝ている隙を狙うだなんてはしたないでしょうか。 で、でもでも、普段はかがんでいただかなければ届きませんし、お兄様からは絶対にしては……。 兄妹だからといって口づけをしてはいけないなんてことありませんのに……お兄様が望まれるなら、私はいつだって唇を捧げますのに……何度そう言っても、してはいただけませんし。 ですから、これはチャンスなのです。ぐっすりとお眠りになっている今こそが……ごくん、は、はしたなくても構いませんわ。 少しだけ……ほんの少しだけですから、お兄様ぁ。 んふ……んっちゅ。んっ……んん、んはぁ、はぁはぁ……し、してしまいました。 ドキドキして、しすぎて……ごくんっ、あぁこれがお兄様の唇。温かくて、柔らかくて……んん。 やはり、頬とは全然違いますわ。触れた唇全体が痺れて、もうどうしようもないくらいに気持ち良くてぇ……んはぁ、はぁ……えーと、まだ起きていませんよね? も、もう一度……。 んっ、んふぅ……っちゅ、ん、んん……んぁあ、い、息がかかって……はぁはぁ、お兄様の吐息が……唇、熱い……んっふ、っちゅ。んむ、ちゅっ、んぁ、あぁこんなにぃ……。 んひゃっ!? あっ、お、お兄様!? えっ、何をしてって……えぇとそれは、その……お兄様があまりにも無防備だったものですから、つい、その……お、お休みのキスをっ、あはは。 唇にしただろうって? ですからそれは……し、しましたけど? それが何か!? いいではありませんか、頬には毎晩していただいているのですから……え、頬と唇は違う? ならば、どう違うんですか? ……唇は愛し合う者同士でしか? ならば問題ありません。 私はお兄様を愛しておりますから。 ……え? 家族の愛情とは違う? ち、違いませんわっ。 私はお兄様を愛しています。もちろん、家族であることも。 ですがそれ以上に。私はお兄様の妹として生まれることができて、本当に幸せなのです……えぇ、愛していますわ、お兄様♪

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