Track 6

06-ネガティブ姉のオドオド耳マッサージ

○ネガティブ姉のうしろ向き耳マッサージ あ、あの…ちょっとくらいは癒された? それじゃなくてもっ…多少、す、スッキリできたかなあ…? うぅ、ご、ごめんなさい聞いちゃって…無理だよね、解ってる… わたしなんかにされたら逆に気持ち悪いよね…。 …い、いいんだよっ?良かったとか言わなくて。 わたしが落ち込んだせいで気を使わせちゃって…ち、違うのっ。 気を引きたくてわざと落ち込んで見せてるとか…思われてないよね? …うん、思ってないなら良かった…。 そうだっ…もうひとつ、してもいいかな…テレビで見たの。 い、嫌なら、いいんだけど…わたしと違って忙しいだろうし。 あ、よ、良かった…準備するね。 何って…その、ま、マッサージしたいんだけどね…。 お、オイルマッサージ…体にいいって…疲れが取れるって言ってて…。 でもでもっ…わたしの手であんまりベタベタ触られたら嫌だろうし… 手袋すれば大丈夫かなと…そう思って…。 あのね、オイルも新しく買ったものなの…。 ま、間違っても姉さんが使ったものじゃないから…ねっ? うぅ…ご、ごめんなさい…こういうこと言っちゃだめ、なんだよね。 も、もう言わない…もう喋らないからっ。 …え、そうじゃない…あぅう…ふ、普通にしてればいいのね…。 あ、じゃあ…もう一度横になってくれるかな…? は、始めるね…えっと、オイルを手に取って…あ、あっためるんだったよね…? 姉さんの体温であたたるけど許して…。 んっしょ…これを耳に塗りつけて…あっ、オイルいい匂いする? 良かったぁ…ね、姉さんの趣味で選んだらセンス悪いに決まってるから… ネットで評判良いの買ってみたの…。 耳のツボを押しながらマッサージするんだって… ん、んぅ…確かこうだったかな…何度も練習したんだけど…痛かったりしない? …も、もっと強く…!? はぁあ…ん、ふぅ…はぁ、ふぅ…よ、よし…っ。 強くするのにも心の準備が必要で…わ、わたし…本当に臆病で嫌になる…。 耳たぶ柔らかい…さっきは失敗したらどうしようってビクビクしてたから… あなたの耳の感触がどうとか…考えてる余裕も無かったから、新鮮で…。 …あっ、えっと、その…あなたの耳の感触がわかるってことは… わたしの手の感触も伝わっちゃってるんだよね…? 不快になったらすぐやめるから言って…。 ふはぁ…あなたが気持ちいいって言ってくれた…。 こんな臆病で不器用で…何の役にも立たない姉さんでも…ここにいていいんだ…。 …うぅ、だって…いつもあなたの部屋に来るとき… 入っていいのかな…それ以前にノックしていいのかなってドアの前で悩んじゃうんだもの…。 そんなことで悩むなって…。 あ、あぅ…やだ、ごめんねっ…またあなたの気分を悪くするようなこと言っちゃったかな? 今すぐ離れるから…そ、その前にオイル拭いかないと…っ。 …え?このまま続けるの…。 わかった…ん、んっしょ…ふぅ…ツボをくりくり…ぎゅぅって… ち、力入れるの怖くて苦手だけど…あなたの為だもの…。 う、うん…機嫌悪くないのね…あうぅ…わたし姉さんなのに弟になだめられてばっかりで…。 ごっ…ごめんなさ…あ、謝っちゃだめなの…? じゃあ…んぅっ…んんー、はふ…ん、ん……ふぅ……んふぅう………。 …ぷはぁ…謝る以外でどうしゃべったらいいかわからないの…。 あぅ…か、考えておくね…。 …反対やってる間に考えて良いのっ? ぐすっ…えぅ…お、お願いします神様…弟くんのマッサージが終わるまで地球崩壊させないでくださいぃ…。