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■先輩01『電話越しでも感じてくれる敏感な先輩』
■01
あっ、あの、もしもし……私、です。
はい……電話番号を教えていただきましたので、早速かけさせていただきました。
あの今、お時間少しだけよろしいですか?
はい、ありがとうございます。
えぇと……す~は~、す~は~……あぁ、すみません、緊張してしまって。
私、男性にこのように電話するの初めてで……えぇ、もちろん初めてですよ。
これまでは電話はもちろんのこと、相対してお話しする機会もあまりありませんでしたから……ですから、あなたがわたしを見初めてくださったことが、まだ不思議でして……え?
わ、わかりました、もう何度も聞きましたっ。
今また、あまり大量に聞かされてしまうと、色々と緊張してしまいますから……色々は色々ですっ。
はぁ、はぁ……ごくん。
それで、ですね……今日、そのお言葉をいただいたお返事をさせていただこうと思いまして……はい。
あなたが私を、年上の私のことを、好きだ、と告白してくれたことです……はい♪
ありがとうございます、とても嬉しく思いました……今も思っています。
これからもきっと、毎日そう思うことになるかと……はい。
あなたの愛の告白、確かにお受けいたしました。
まだまだ未熟な私ではございますが……いえ、先輩だ、なんてそんな。
ほんの少し生まれたのが早かっただけですからっ……あぁもう、話に割り込まないでください、どこまで言いましたっけ?
恋愛に年齢は関係ないかと。
それを仰るなら、あなたは年上の女でよろしいのですか?
あぁもう、はぁはぁ、ですからその様なことを言われてしまうと、緊張で胸が苦しくなってしまいます……ドキドキしすぎて、おかしくなってしまいます……す~は~、す~は~……。
改めまして……私を好きになってくださって、ありがとうございます。
男女交際したい、というお誘い、喜んでお受けいたします……はい、どうぞ末永くよろしくお願いいたします♪
……っ……っぷはぁ!
はぁ、はぁ、き、緊張しました~!
で、ですから、しますってば。
こんなこと、生まれて初めてですし……告白とか、お付き合いとか、まるで物語のよう……。
え?
夢物語みたいって……あら、私現実ですよ?
夢ではありません、幻のようだと思わないでくださいね?
今は電話でしか話せませんけど、明日にはまた学校で会えるのですから。
その時……明日、これが夢ではないとはっきりさせて差し上げます。
今、この時より、私はあなたの恋人……か、彼女になったのですから♪
えぇ、ですから、明日を楽しみにしていてくださいね。
もちろん、私も楽しみです。
早くあなたに直接会って、お話がしたいです。
お顔を見ながらお話ししたい……あぁでも、会ってしまうと緊張しすぎてしまうかもしれませんね、ふふっ。
いったい何を話せばいいのでしょうか……これまでもお話ししてきたというのに、恋人同士だと意識してしまうと、言葉が見つからなくなってしまいそう……会うのが怖い、かも……。
あぁでも、やっぱり会いたいです。
本当なら今すぐにでも会いたいくらい……電話がなければ、直接会ってお答えできましたのにね……ふふっ、それでは、明日またお会いしましょう。